60年代に生まれた狂気の科学的サウンドアート。その音声が自己崩壊するまで...(動画)

1969年、科学的デモンストレーション要素を含んだ奇怪なサウンドアートを生み出した人物がいます。それは作曲家のアルヴィン・ルシエ(Alvin Lucier)氏。彼は、録音した自分の声を再録音し、それをまた録音し...やがて声が単なるノイズになるまで同じ作業を繰り返していきました

「私は部屋で座っている」という言葉でルシエ氏の録音は始まります。その部屋はどこでもいいのですが(あなたが今いる部屋でも、あなたのベッドルームでもオフィスでも)、そこにはほかのどんな音よりも強く鳴り響く特定の周波数が存在しているそうです。そしてこの「部屋」で録音が繰り返されるたびに、その周波数がほかの音、つまりルシエ氏の声を少しずつ蝕んでいくのです。

録音を何度も繰り返していくうちに、ルシエ氏の声はブリキ缶に閉じ込められたロボットのような声へと変質し、最後には完全に自己崩壊してしまいます。コピー機で書類のコピーを繰り返すと画質が少しずつ劣化していくように、音声データの録音を繰り返すとどうなるのか。後戻りできない恐怖のような感覚の中にサイエンスへの感動を覚えるような不思議な作品ですよ。

Vimeo via Jad Abumrad

Rumi(Sam Biddle 米版