[ #CES2013 ]ゼンハイザー Orpheus HE90:100万円超えのヘッドフォンってどんな音?

思わず涙が。

CESには基本的に新しいガジェットやテクノロジーが並んでいます。でも今回、ゼンハイザーのブースには90年代に限定販売された超高級ヘッドフォン「Orpheus HE90」が展示されていました。以下はその音を試聴した米GIZMODO編集部ローズ記者、涙まじりのレポートです。

90年代初頭、ゼンハイザーはその技術者たちにある指令を出しました。「史上最高のヘッドフォンを作れ。値段は関係ない。」そして生まれたのがOrpheus HE90です。300台限定生産で、発売価格は1万6000ドル(2013年のレートで約143万円)でした。今、eBayでは3万ドル(約268万円)の値が付いています。

Orpheusは基本的にコンセプト機で、そのために作られた真空管アンプHEV90もセットで販売されていました。HEV90には6つの真空管が備えられ、それぞれ金属製ケースで保護されています。ヘッドフォン自体には高強度のガラスと金が惜しみなく使われています。このセットの周波数特性は7ヘルツから10万ヘルツまでで、人間の耳で聞ける範囲をはるかに超えています。アンプにはLEDが付いていて、ウォームアップ中には点滅します(このヘッドフォンにはウォームアップが必要なんです)。専用のボリューム調節機能があり、ヘッドフォンをふたつまで接続できます。ちなみに、ふたつめとしてアンプなしで購入する場合、HE90の価格は6500ドル(約58万円)でした。

HE90とHEV90のセットは、見た目だけでも美術品のように美しいです。リビングルームに飾りたくなります。金属の輝きと柔らかい茶色の皮の質感の組み合わせは、90年代というより60年代からやって来たようです。ヘッドフォンの耳あて部分はとても大きく、よっぽど耳が大きい人でない限りすっぽり入ります。パッドも心地よく、取り外したくなくなるくらいです。

で、肝心の音はどうでしょうか? まず、透明感がすごいです。ディテールにあふれ、特に高音・中音が印象的で、アコースティック・ギターに直接耳を当てて聞いているようです。むしろ耳障りなくらいシャープですが、多分時間とともに慣れてしまって、耳が肥えていくんでしょう。ボーカルはすごく自然にリアルに聞こえました。音源はJR Trans Rotorのレコードプレイヤーから流れるStockfisch RecordsのVinyl Collection、180グラムの「オーディオファイル・ビニール盤」でした。キャット・スティーヴンス的フォークソングだったので、低音はよくわかりませんでした。でも説明によると、最近のヘッドフォンほど深い音ではないとのことでした。でもバランスはすごく良かったです。

上の動画では涙が出てしまってますが、本当に泣くほどのものかというと... 微妙です。たしかにすごいし美しいとも思いましたが、新しいリファレンスヘッドフォン(たとえばOrpheusの隣で聞けた、1500ドル≒ 約13万4000円のゼンハイザー HD 800)は、同じくらい良い音でしたし、低音も豊かでした。ただOrpheusよりもっと... デジタルな音なんです。Orpheusはアナログにおける究極の音です。もし機会があれば、ぜひその音を聞いてみてください!

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Brent Rose(原文/miho)