容量3倍、充電時間10分のリチウムイオン電池、2016年までに登場か

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大期待!

我々を夢の「未来」から隔てている最大のハードルのひとつは、ガジェットへの電力安定供給をどうするかという課題です。21世紀が13年目に入った今でも、朝充電したスマートフォンのバッテリーを夜まで持たせるのがやっとなのが現実です。が、リチウムイオン電池の革新によって、ガジェットのバッテリー容量は時間単位から日単位に大幅向上するかもしれません。

リチウムイオン電池は、電話からプリウスまであらゆるものの電力供給源となっています。それはリチウムイオンを、負極の薄いグラファイトのシートと正極の間で行き来させることで電気を発生させます。でも、グラファイトのシートは経年劣化して、容量や性能が徐々に低下してしまいます。このことは特に新世代のリチウムシリコン電池(従来使われていた有害なコバルトを、無害なシリコンで置き換えたもの)において特にあてはまります。シリコンはグラファイトより安価で容量も大きくできるのですが、劣化しやすいのです。

そこで南カリフォルニア大学ビタビ工学部のChongwu Zhou教授率いる研究チームが、シリコンシートに代わる方法を考え出しました。論文誌「Nano Research」に掲載された論文によれば、彼らはシリコンシートの代わりに多孔性のシリコンナノワイヤを使うことで、経年劣化を回避することに成功しました。この技術による電池では従来のグラファイトを使った電池の3倍の容量があり、充電は10分で可能です。シリコン自体がグラファイトより容量が大きいだけでなく、細かい穴の開いたナノチューブを使うことで表面積が広がり、イオンの出入り効率を大幅に高めたのです。

ただ、シリコンナノチューブには大量生産しにくいという欠点があります。そのため研究チームでは入手しやすいシリコンナノ粒子を使って同等の容量が実現できることを確認しましたが、その場合はまた経年劣化が問題になってしまいます。グラファイトシートが平均して500サイクルの充放電に耐えるのに対し、シリコンナノ粒子は200サイクルです。でも、シリコンナノワイヤを使った電池は2000サイクルに耐えていました。Zhou教授は、シリコンナノ粒子のデザインを工夫することで寿命は延ばせると考えています。彼らの仮出願特許によれば、この技術は2~3年程度で実用化でき、製品として発売できる可能性があります。

安くて大容量で長持ちして素早く充電できるバッテリーなんて、理想的ですね! 実用化すれば、「未来」がぐっと近づいてきそうです。

Times of India

Andrew Tarantola(原文/miho)