デルが株式非公開化...でどうなる?

デルが株式非公開化...でどうなる? 1

デル創業者マイケル・デルCEOが私財なげうってシルバーレイク社と共同でデル全株式を買い、株式を非公開化する計画が正式に動き出しましたね!

買収はマイケル・デル氏の主導で進め、プライベート・エクイティ・ファームのシルバーレイクと、あとマイクロソフトも出資します。総額244億ドル(約2兆2800億円)、2008年金融危機以来最大のレバレッジド・バイアウト。

iPad時代でMacが盛り返し、ウィンドウズ陣営は軒並み苦しい時節ですが、中でも一番堪えているのはデルで、10年前にはPCの王者として君臨し世界で最も多くのパソコンを売りまくったデルも近年は市場シェアが下がり、HPやレノボの後塵を舐めています。良い製品は作ってるんですが後発の印象が拭いきれていません。

この240億ドル(2兆2454億円)のMBOでどうデルは変わるのか?

咄嗟に思いつくのは以下のシナリオです。

株主の顔色を伺わず経営が進められる

よく言われることだけど、非公開企業は上場企業が真似できないような長期的展望にたった経営ができます。株主は四半期のスパンで結果を求めてくるし、将来続く基盤の確立のため短期の損失をのんでくれる株主は一部の玄人だけですもんね。

それでデルは何ができるのか? これはいくらでも思いつきます。やっとモバイルの足場を確立する余裕も生まれるだろうし、PC以外の収入源も開拓できる、大型のリストラ(レイオフ)も比較的スムーズにいく。何よりも、絶えず後追いしなきゃならないというプレッシャーに振り回されることなく、じっくり腰を据えてビジネスをつくり上げることができます。まあ、買収完了は2014年にもつれこみそうな模様なので、その時にはもう手遅れということも考えられますが...。

盟友から助力が得られる

マイクロソフトからの融資は20億ドル(1871億円)。非公開化後のデルでは少数株でも、やはりレッドモンドはデルの一番の盟友ということになります。OEMにこれだけ出資する理由を同社は声明でこのように述べています。

マイクロソフトはデルを非公開企業にする提案をしたグループに20億ドル(1871億円)の融資を行いました。マイクロソフトはPCエコシステム全体の長期的成功の実現にコミットしており、未来のエコシステム確立に向けた様々な取り組みに多額の投資を行なっています。

我々の業界は絶えず進化しています。マイクロソフトのプラットフォームの端末・サービスをイノベートし事業を推進するパートナー各社には今後も、支援の機会を捉えて支援していく所存です。

要するにデルは当面Windows、モバイル参入するとしてもWindows PhoneやWindows 8になるってことですね(少なくとも一部は)。ノキアもそうだけど、デルもこれが吉と出るか足かせとなるかは今後を見ないとなんとも言えません。

将来の保証はない

前途は多難です。負債も負うし(そんなに大きな額じゃないですが)。

いったん会長職に退いた創業者マイケル・デル(Michael Dell)がCEOとして経営に復帰したのは2007年1月なんですが、まだ経営改善に向けたグランド・ビジョンは何ひとつ打ち出せていません。それがなぜ今プライベート化なのか? 思うところがあったんでしょうかねぇ...。

ブルームバーグが指摘したように、近年株式非公開化したテクノロジー企業(Avaya、SDS、Freescale)はどこも低迷しています。特にAvayaとSDS(SunGard Data Systems)はデルと同じシルバーレイク・パートナーズが出資してるので、要注意ですよね。

まあ、非公開後もユーザー的には全く影響ないとは思いますけどね。売り場に行けばデルのパソコンが普通に並んでるだろうし、いきなり魅力的になるということもない、それは資本関係とは別に解決しなきゃならない問題なので。

マイケル・デルの大鉈拝見ですね。

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Brian Barrett(原文12/satomi)