Thunderbolt vs. USB 3.0どっちが上? 5本勝負

Thunderbolt vs. USB 3.0どっちが上? 5本勝負 1

1年以上MacだけだったThunderbolt(サンダーボルト)がWindowsにもきましたね。データ転送レートはドーンと10Gbps(ギガビット秒)ですから外付けバックアップはもうThunderboltで決まり! ...な気もしますが、実際どうなのか? 

ライバルのUSB 3.0と比べてみました。結論から言うと...技術って性能だけじゃないのね...。

第1ラウンド:スペック

USBはインテル主導で1990年代に生まれた革命的技術。登場当時12Mbpsだったのが、今では5Gbpsまで高速になりました。比較的浮き沈みもなく、基本的に「フリー(無料・自由)」で、インテルやAMDのチップセットにも実装されてます。

が、スペックで比べるとインテルが生んだ最新作「Thunderbolt」の魅力は否めません。超速USB 3.0は理論値が5Gbps、640MB/sであるのに対し、Thunderboltはさらに高速な10Gbps(銅線ケーブルでこれ)。実際には1端子10Gbpsで2端子ついてるので20Gbpsまでいける計算です。

つまりオーバーヘッドをカウントしなければThunderboltの理論値は2.5GB/sということ。20Gbpsと呼ばないのは、あんまり大げさにしたくないインテルの意向の現れなんでしょうね。

Thunderboltの勝ち

 

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Thunderboltポートある人は1000ドル(日本は9万5800円)で豪速Promise Pegasus R4 RAIDキャビネが使える

第2ラウンド:価格

今のUSB 3.0は何がすごいって「無料」なことです。AMDもインテルもUSB3.0の機能がチップセットに内蔵されてるし、ネイティブじゃなくてもホストコントローラがたったの2ドルで買えます。

一方、Thunderboltは異様に高い。少なくとも編集部では割高というイメージ。コントローラ(全部インテル製)の値段なんて見当もつきません。あるベンダーさんの話では200ドルってことでしたけど、まったくもって異常ですよね。あとで他のマザーボード製造元さんたちに聞いたらT-bolt(Thunderbolt)のチップのコストは大体30ドルかかるそうです。原価がなんであれ、現にThunderbolt搭載のボードは非搭載のより60ドル高いですもんね...。

さらに痛いのがケーブル。2メートルので痛恨の50ドルもします(Macは値下げしたけど)。

お値段はUSB 3.0の圧勝だし、この状況は当分変わる気配もありません。Thunderboltはケーブルだけで50ドルするんです。...大事なことなので二度書きました。

USB 3.0の勝ち

第3ラウンド:汎用性

今は犬も歩けばUSBポート。 車、壁のプラグ...どこにでもあって、ACプラグかUSB 3.0かってぐらいユビキタスです。友達んとこ行くときデータ大量に持ってきたいならUSB 3.0のキャビネの電源引っこ抜いて持ってくだけでOK。友達がUSB 3.0持ってなくても、USB 2.0でデータは引き出せます。

それがThunderboltはそうはいかない。対応してる機器は非常に稀で、それは1年以上から対応を進めているMacでも似たようなものです。Thunderbolt対応ドライブに作品データ保存して友達んとこ行っても、先方がThunderbolt対応じゃないと開けないので、やっぱりコンピュータは持ってく方が無難...。

そう言えばインテルは2012年末までにThunderbolt対応機器100機種達成を目指していたんでしたね...100機種ってUSB 3.0ならあっという間にできちゃう数ですよね。

USB 3.0の勝ち

第4ラウンド:実装

ではなぜインテルはThunderboltを一般公開しないで鉄拳のコントロール下に置いているのか? それはたぶん標準づくりも委員会主導にするとカオスになってしまうので、それを回避するために一方的アプローチをとってるんじゃないかと。BluetoothもWi-Fiも、USBでさえ普及した最初の頃はカオスで、非互換性の問題が一段落着くまでには何年もかかりましたからね。

とは言え、Thunderboltも完璧ではないです。編集部が持ってるThunderbolt対応機器はホットプラグ(電源入れたまま周辺機器を挿したり外したりすること)するとシステムにどうしてもハードロックかかっちゃうし。

そんなこと言ったら、3.0も無茶苦茶スムーズってほどでもないですけどね。USB 3.0から理論値の最大性能を引き出すのは容易ではありません。USB 3.0のホストコントローラはなんせ製造元が半ダース以上あるので性能・安定性にもバラつきが出がち。編集部が性能テストで使ったマザーボード「AsusのP8Z77-V Premium」でもUSB 3.0のコントローラは2つあって、スピードを最大化するモードが各々違うんですよね...。

引き分け

第5ラウンド:性能

ThunderboltもUSB 3.0も一概に比較はできません。テストで使った機器以外にもいろんな組み合わせが考えられるし、使うハードによって数値も違ってきますからね。ただ、Thunderboltがものすごく速いのは間違いないです。

ATTOのベンチマークではPromise Pegasus R4のファイル読み込み速度は936MB/sの圏域でした。SSDに換えたR4に16.9GBを23秒でコピー完了です。それをやっても尚Thunderboltには余力がある印象でしたよ。

それに比べてしまうとUSB 3.0は見劣りがしますね。Startechのキャビネを編集部のOCZのSSDと合わせたら拒否反応も。性能は可もなく不可もなし。USB 3.0のスピードで十分ですが、純粋に性能という意味ではThunderboltに軍配だな~。

Thunderboltの勝ち

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If equipped with the same four 1TB drives, the Startech USB 3.0 RAID Tower would cost about $780 but would let you run the ubiquitous USB 3.0.

総合判定

現段階ではなんとも言えません。ビデオ編集、写真編集など容量が要る作業で高性能の外付けストレージが欲しい人は迷わずThunderbolt...はい終わり...ともいかないのです。性能プラス、実社会ではユビキタス性も重要な要素なので。

先に述べたように外付けの電源引っこ抜いて出先に行く時も、どうしても「Thunderbolt使えるかな...」と考えてしまう、先方に確かめないと開ける確証が得られない、そこがThunderbolt最大のネック。Thunderboltは価格も割高です(これは思ったほどではなかったけど)。Thunderboltは他にもいろんな面白い使い道があるのですが今はまだストレージがメインの用途ですからね...。

そんなわけでUSB 3.0 vs Thunderboltの勝負は持ち越しということで。 両陣営とも互いに競争相手じゃないって言ってますけど、このまま進めばいつか衝突は避けられないと思いますよ。

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太字が最高スコア。テストではマザーボードAsus P8Z77-V Premium(Core i7-3770K、32GB of DDR3/1600、Windows 7 Professional SP1)をWD 150GB Raptorで使用。 Promise R4とStartech USB 3.0 RAIDエンクロージャのテストでは1TBの日立HDS72101 HDDを計4枚使いました。Promise R4はRAID 0内のOCZ 240GB SATA 6Gbs SSD計4枚でもテストしました。ファイル書き込みテストではSteamのゲーム16.9GB分を26GB RAMディスクから読み込み速度5GB/sでコピーしました。

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本稿はPC業界最新のニュース、レビュー、ハウツーをお届けする「Maximum PC」のゲスト寄稿です。

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