ハードウェアは後回し...これでいいのかテクノロジー?

ハードウェアは後回し...これでいいのかテクノロジー? 1

Googleから最新のChromebook Pixel発表されましたが、ハードウェアのスペックの高さにもかかわらず「使えない」という声も聞かれます。なんか最近そういうこと、多くないか? と考えた米Gizmodoのバレット記者が、ハードウェア軽視の趨勢について憂慮を交えつつ考察しています。以下、バレット記者どうぞ。

GoogleのChromebook Pixelは、いろいろな意味で野心的なデバイスです。そのハードウェアのデザインはほとんど完ぺきで、ロダンの像みたいなお手本と言ってもいいくらいです。ラインはシャープで、ディスプレイはくっきりしています。そしてすべてのレビューがほとんど同じことを言っています。「素晴らしいです! でも買ってはいけません。」

そんなレビューは悩ましいし、矛盾しているようにも思えますが、その通りだと思います。Chromebook Pixelは美しくて、高価で、役立たずです。それは、ハードウェアが今や「ソフトウェアの次」の位置づけどころか、もう「後付け」程度でしかない現在を象徴しています。

Chromebook Pixelの問題は、Chrome OSベースだってことです。それはクラウドベースのプラットフォームで、Googleが提供するものを除けば、必要なアプリはまったくサポートされていないってことです。インターネットにつながっていない限り、実質的に何もできません。だから1300ドル(約12万1000円)もするChromebook Pixelは、マネキンのコールガールみたいなものです。見た目は良くても、あらゆる意味で期待する役割を果たさないんです。

でも、この種の不幸はChromebook Pixelで始まったことじゃありません。BlackBerry Z10も、ハードウェアは多方面から高評価を受けましたが、実際それを買うのはきわめて少数派です。Lumia 920だって、プラットフォームがWindows PhoneじゃなくAndroidだったらもっと売れたかもしれません。「本当にすごく良いんだけど、使えない、買わない」という評価が、なぜか成立してしまう今日この頃なんです。

今までも進化をドライブしてきたのはつねにソフトウェアであり、それ自体は新しい現象ではありません。でもハードウェアだって、少なくともそれを補佐するくらいの役割は果たしてきました。iPhoneやiPadのハードウェアをデザインしたジョナサン・アイヴがえらくなって、iOSの責任者だったスコット・フォーストールがクビになったのには理由があるはずです。そんなに遠くない過去、デバイスの外形は、デバイスの機能と同程度かそれ以上に重要だったんです。

でも、先日のソニーのPS4発表イベントの2時間の中でも、コンソールの実物はついに発表されませんでした。「まだ完成していないから」が理由のひとつかもしれませんが、ソニー自身の言葉で言えば、コンソールは「ただの箱」だからかもしれません。たしかにそう、ただの箱です。でも、箱が大事だった時代もあるんです。

PS4やBlackBerry Z10やLumia 920、そしてChromebook Pixelが僕らに訴えかけているのは、僕らが買うものはもうガジェットではないってことです。我々が買うのは各プラットフォームが用意した「エコシステム」であり、それぞれ高い壁で守られた箱庭です。ディスプレイのピクセル数がどんなに多くても、そこにほしいものが映し出されなければ意味がありません。タッチスクリーンの普及で、ボタンは時代遅れになりました。アプリがモノとしての作りよりも重視されます。だから、3年前のiPhoneだって来年のBlackBerryに勝ててしまうんです。

それは今までも言えることでしたが、今ほどそれが真実だったことはありません。でもそれでは、イノベーションを少数のプラットフォームの手に委ねてしまうことになり、彼らはみんなそれぞれの方向に向かって進んでいます。ハードウェアのブレークスルーがあっても、それを作ったのが間違った会社であれば、無視されてしまいます。ラップトップもスマートフォンもタブレットもますますコモディティ化して、最後にはみんな同じスクリーンを見て、同じキーを押すようになるのかもしれません。

Chromebook Pixelは素晴らしいです。買ってはいけません。でも、素晴らしいと思ったハードウェアがあるなら、プラットフォームを気にしたりせず素直に買える方がいいな...とは思います。

Brian Barrett(原文/miho)