「ハッカーには核で対抗」、米国防総省が報告書

だってサイバー攻撃だって立派な戦争行為だし、と。

ほとんどのインターネットユーザーは、ファイアウォールとパスワードで身の安全を守っています。でも、米国防総省はそれじゃ安心できないようです。彼らの新しい報告書には、インターネット上の攻撃に対しては核兵器で立ち向かうべきだとする主張が書かれています。

その報告書は「弾力的軍事システム及び先進的サイバー脅威(Resilient Military Systems and the Advanced Cyber Threat)」と題されたもので、作ったのは国防総省の国防科学委員会です。138ページの同報告書には、あることがはっきり書かれています。中国が我々をハックしようとするなら「核兵器での攻撃を抑止力とする」ということです。

「核を抑止力に」という表現は報告書中で何度も繰り返されていて、「核」という単語は報告書中113回も出てきます。全体的に専門用語とか婉曲な言い回しとか、「抑止力のハシゴを立てる」みたいなメタファーとかが多用されていて、抑止力のハシゴとか、あまり上りたくない感じです。ともあれ、アメリカの核が「サイバー戦争」の中で使われうる(そして、使うべき)だという主張ははっきりと読み取れます。

国防科学委員会の主張を言い換えると、こうなるはずです。「アメリカには核がたんまりあるってことを、中国にわからせるべきだ。中国のハッカー部隊がアメリカの衛星を落としたり、ダムを混乱させたり、電力グリッドをダウンさせたりといった軍事攻撃をするなら、核ミサイルでお返しするってことを」と。米国政府はすでにサイバー攻撃はバーチャルのみならずリアルな被害をもたらす戦争行為と見なすことを表明しています。ただ、DDoS攻撃に対して核ミサイルでお返しするという考えが今回ほどはっきり主張されたことはありません。

一応この報告書にも「米国は核兵器の使用について『極限状況』にのみ検討すべきだ」と書いてあります。それは今までもずっとそうでした。相手が核攻撃してくるときのみ、こちらもするよと。でも、「極限状況」の定義が変わってしまったようです。報告書には「米国に対してレベルV~VIの破壊的サイバー攻撃が行われた場合、『極限状況』と考えられる」とされています。

って、「レベルV~VIのサイバー攻撃」って何かっていうと、報告書でほぼ名指しされていて、「レベルV~VIの能力を持つ国家は非常に限られており、たとえば米国、中国、ロシアである。」つまり中国とかロシアから米国の重要インフラなどに大規模なハッキングがあった場合は、核兵器の使用に値する「極限状況」になるってことです。なので最近伝えられたように、たとえば中国が組織的に米国のインフラをハッキングしようとするなら、核ミサイル打ち込んじゃうよということです。

うーん、たしかにサイバー攻撃でライフラインが使えなくなったりしたら大変なことです。ただ、そこで一足飛びに核をちらつかせちゃうのかが妥当なのかどうか...。

DoD via Washington Post

Sam Biddle(原文/miho)