「衝動買いしたくなる製品を目指す。」ドコモのスマートライフ製品タブレット「dtab」とTV用端末「dstick」のキーパーソンに聞いた

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新生活でホーム・エンターテイメントも一新!

4月に入り新生活がスタートしました。そして春といえばスマホの新モデル。新社会人、新大学生になった人の中にも、新しくスマホをチェックしている人がいるのではないでしょうか?

2月にギズも参加したドコモの春モデル発表会では、新型スマホに加え「スマートホーム」構想と、WiFiタブレット端末「dtab」、TV用スティック型端末「dstick」が発表されました。会場でもタブレット、テレビやハードディスクプレーヤーが展示されていて、まるでCESみたいでしたよ。

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(写真右:マーケティング部プロダクト戦略担当課長 武岡雅則さん、写真左:プロダクト戦略担当 片岡寛さん)

この「スマートホーム」は自宅でのエンタメ生活を良くしてくれるモノらしいのですが、一体何なのでしょうか? なぜWiFiタブレットをドコモが販売するのでしょうか? なぜテレビ製品を開発するのでしょうか? この辺りのお話を、NTTドコモのマーケティング部プロダクト戦略担当課長の武岡雅則さんと、同じくプロダクト戦略担当の片岡寛さんに伺って来ました。

スマートホームの狙い

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武岡雅則さん

ギズ:「スマートホーム」として家庭にフォーカスした理由は何ですか?

武岡さん:コンテンツを楽しむには、これまでは「モバイル=いつでも、どこでも」の考え方でした。しかし、今ほど携帯が普及した場合、次の「いつでも、どこでも」で欠けているのはどこかと考えた時、家の中でサービスやコンテンツを楽しんでいただくというところが、今回のスマートホームの取り組みの目的になります。

スマートホームでは「dビデオ」や「dアニメ」などデジタルコンテンツ・ストア「dマーケット」を拡充します。またハードメーカーと提携しHDコンテンツを持ちだして利用できる機器連携なども含め家庭でのサービス利用を増やしスマートホームを広げて行きたいと思っています。

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片岡寛さん

ギズ:この時期(2013年春モデル)のタイミングでの発表になった理由は何でしょう?

片岡さん:これまでドコモではスマートフォンやタブレットを家庭のAV機器と接続するアプリ「Twonky Beam」の会社、Packet Video社に出資するなど、テレビとスマートフォンへの取り組みは行って来ました。一方で市場では、タブレットやスティック型デバイスが、素晴らしい機能を付けて低価格で作ることが可能になった時期になりました。このような背景があったことからスマートホーム構想を立ち上げ、dtabとdstickを製品化しました。短期間で開発できたことで、タイミング的にちょうど2013年春モデル発表会に合わせることが出来ました。

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片岡さん:ドコモは、特に7インチのGalaxy tabを出して以来、どこよりも多くの「Androidタブレット」を出してきました。これまでタブレット向けにサービスを展開してきたことで、10インチのタブレットにもサービスを乗せやすかったです。またdstickのテレビ用サービス画面もタブレット仕様に合わせているので、タブレットユーザーには使いやすい形でサービスを提供できたと思います。

10インチタブレットを選んだ理由

ギズ:dtabと従来販売するタブレットの違いは何ですか? なぜWiFiオンリーモデルですか?

武岡さん:dtabはドコモのスマートフォンにご契約頂いている方向けのタブレットと認識しています。スマホユーザーであれば、9975円という低価格でご購入頂けます。

片岡さん:それからドコモのタブレットユーザーはご家族が多いので、10インチのタブレットが最も売れているサイズだからです。

武岡さん:ドコモのスマートフォンはスクリーンサイズが5インチの端末が多いため、7インチのタブレットを持ちたいと思う人は少なくなっています。またスマートフォンとタブレット2端末分のパケット料金を一人で支払うことも現実的ではありません。そこで考えたのが、5インチのスマートフォンと10インチのWiFiタブレットdtabをお持ち頂き、スマートフォンで契約したdマーケットのサービスをdtabやマルチデバイスでお使いいただくというアプローチを、今回は採用しました。

片岡さん:開発の話をすると、普通タブレット端末は製品ありきの世界なので製品グループが企画を進めます。一方、dtabの場合はサービスありきの世界です。ですのでdtabはdマーケットを運営するグループからのリクエストで開発が始まりました。

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10インチWiFiタブレット「dtab」

ギズ:なぜタブレットに取り組もうと思われたのですか?

武岡さん:ドコモがPC中心のサービスを始めて真っ向勝負したところでデスクトップ向けのサービス事業者には太刀打ち出来ません。ではどういうアプローチがあるのか? タブレットを活用したアプローチであれば今なら可能性があると考えています。

片岡さん:dtabでは独自のホーム画面でdマーケットを使いやすくデザインしました。お客様がドコモのサービスにアクセスしやすく画面を設計することで、他社サービスのアプリよりも利用度が拡大できるので、独自のタブレット開発に至りました。

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ギズ:ではAndroidタブレットの経験を踏まえて、dtabはどのような人に使ってほしいでしょうか?

武岡さん:これまで販売してきましたXiタブレットは30〜40代の方が多い結果になっています。

dtabの場合も30〜40代のユーザーが購入することが考えられますが、dtabの販売はスマートフォンとのセットになります。従って、スマートフォンユーザーの平均年齢がタブレットユーザーから5〜10歳若いことを考えると、今回のdtabでは20〜30代からの需要が高まるのではないかと思います。

一方でPCで頻繁に利用されるeコマースサイトを利用するユーザーに使っていただきたいとも思っています。dtabでは好きなdマーケットのアプリをホーム画面からワンタップで簡単に開けるので、URLを打ち込む必要もありません。それにdtabでの購入はドコモの携帯と一緒に請求されるので、手間が省けます。

スマホで展開する「dショッピング」もdtab対応を始めました。あとは品揃えや見やすさ、買いやすさを充実させることで、買い物好きな主婦層をターゲットに勝負が出来るのではないかと思っています。

スマートテレビへの進出

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スマホと接続するテレビ用端末「dstick」

ギズ:dビデオの反応はどうですか?

片岡さん:dビデオは公表値で370万人(2月)を突破。今の成長率であればもうすぐ400万人を超える勢いです。今年、有料配信では日本最大になるのではないでしょうか?

定額500円の1コインで動画が見放題できるので、独身の方がレンタル店に足を運ぶことなく視聴できたり、家族が週末に視聴が出来るようなdstickによるスマートテレビの楽しみ方を訴求出来るフックになると思っています。

ギズ:テレビで動画を見るdstickの魅力は何でしょうか?

武岡さん:dstickは、搭載するアプリを絞り込んだため開発工数が抑えられ、端末価格を低く抑えることが出来たことは大きいと思っています。手の届きやすい価格帯で購入いただけるので、dビデオの動画を小さなスマホの画面で2時間見るよりも、大画面で見ていただきたいと思います。同じく低価格でたくさんの動画が楽しめるdビデオとの相乗効果でdstickの認知も拡大すると考えています。

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武岡さん:dstickへの反響はといえば、スマートホームの発表にあたり、dstickを7万個を無料配布するキャンペーンを開始しました。社内では当初応募数を不安視する声も上がっていたのですが、開始初月でなんと応募7万件を突破しました。

dstick無料配布キャンペーンは、毎月1万台ずつをプレゼントしています。ですので、落選された方も自動で次月に繰越となります。dstickプレゼントキャンペーンは5月末まで実施しています。

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「dstick」をさしたテレビの画面

ギズ:dstickでは今後アプリを追加する予定はありますか?

片岡さん:他社のサービスではテレビからGoogle Playにもアクセスが可能になっていますが、現在dstickはdビデオやdアニメストア用にカスタマイズされているため、Google Playへのアクセスはありません。今後は、お客様が本当にTV上でアプリを操作したいのかの利便性を見計らいながら、Google Playを追加していくかを検討していきます。

武岡さん:利用しやすい形という意味では、スマートホームの機能がプリインされたテレビが発売されても面白いと思います。

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ギズ:コンテンツビジネスの核となるdマーケットではどの分野を強化する予定ですか?

武岡さん:dマーケットには今後リアル系コンテンツを追加していこうと考えています。例えば旅行やショッピングなどがこれらに該当します。コンテンツ配信ではグローバルプレーヤーとの差別化が難しいですが、扱う製品がリアルになると、その国の事業者による細かい配慮が必要になりますので、私達にもチャンスだと考えられます。例えばおサイフケータイのiDのようなサービスと連動したリアルなコンテンツは、GoogleやAppleなど海外の事業者には実現出来ないと感じます。

スマートホームの未来

ギズ:今後スマートホームはどのように広がっていくのでしょうか?

武岡さん:まだ構想ですが、dマーケットやdStickなどアップデートをして使いやすい環境を作りたいですね。その中で今のデバイスでパフォーマンスが出せるかどうかを判断していきます。もし限界があるようなら、次のハードウェアを開発していくかもしれません。

また今後は、どのデバイスに提供するかにこだわらず、テレビやPC、場合によっては他キャリアのデバイスまで、マルチデバイス対応キャリアフリーの世界に広げて行く取り組みを見せたいと思います。

片岡さん:dtab、dstickの製品化は低価格でも高機能性を実現できたと思います。これからはお客様のドコモへの信頼を大事にしながら、さらに低価格でおもわず衝動買いできるスマートホーム製品を目指したいです。

dマーケットのコンテンツや自分にあった使い方をマルチデバイスで楽しむ認識してもらいたいと考えています。それを実現するのがスマートホームで、そういう世界を築きたいと考えています。

武岡さん:dtabもdstickもWiFi専用端末ですので、従来の通信事業の範囲ではありません。今後どのように事業を広げていくかはドコモにとってチャレンジであり、大きな変化点だと言えます。

ギズ:武岡さん、片岡さん、お時間をありがとうございました。

思ったこと

思えばGoogleも以前「Android@Home」で家庭でスマホと家電を連携させる取り組みを発表してましたね(こちらは立ち消えたけれど)。ドコモのスマートホームは、コンテンツを楽しむことにフォーカスしているところが、分かりやすいと思います。一方で継続的にサービスを利用するためのUIやアプリはまだまだこれからといったところな感じがしました。他では見られない人気コンテンツが次々と登場するなど、dマーケットでしかない強みや機能が訴求できるようになれれば、dtabやdstickで新しいスマホの楽しみ方が広がるかもしれません。

ドコモ スマートホームdtabdstick

鴻上洋平