小惑星を捉えて月の衛星に! NASAの壮大な計画

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そんなことできるの!?

ロシアに小惑星群由来と見られる隕石が落ちてきて大きな被害を出したのは記憶に新しいところです。NASAではそんな小惑星から地球を守るべく、壮大なミッションを計画しています。それは小惑星を捕まえるだけじゃなく、月の周回軌道に持っていって月の衛星にしちゃうというものです。ほとんどハリウッドの新作SF映画みたいに思えてしまいますが、どんな計画かを以下ご説明します。

必要な道具と材料

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  • 地球近傍の直径約23フィート(約7m)の小惑星、ひとつ。ミッションが破たんして地球に落ちてきても危険がないよう、ある程度小さいもの。
  • ACR(Asteroid Capture and Return、直訳「小惑星の捕獲・帰還」)宇宙船1機(画像上)。太陽パネル一対と、キセノンガス使用のイオンスラスタ搭載。
  • 直径50フィート(約15m)の小惑星捕獲用巨大袋ひとつ。これに小惑星を入れて、月まで運んでいく。
  • Atlas Vロケット1機。

コストと難易度

費用は26億ドル(約2590億円)と見積もられていて、大成功しているキュリオシティの火星ミッションとだいたい同じくらいです。そのうち1億ドル(約99億円)はすでに2014年の予算に組み込まれていて、それでACRのプロトタイプ設計やテストを行います。

ミッションには人間の英知のほとんど(すべてとはいわずとも)を注ぎ込む必要がありますが、既存の技術の範囲内ではあります。「この大きさの近傍小惑星を地球に持ち帰るには、現在最大の打ち上げ機ともっとも効率良い推進システムが必要になります。」NASAの火星探査機「スピリット」や「オポチュニティ」の元フライトディレクターで、小惑星での資源採掘を目指すPlanetary ResourcesのCEOのクリス・ルウィッキ氏はこう語ります。「それでも、小惑星をつかまえて移動させるのは十分可能なことです」

手順

まずACRをAtlas Vロケットに搭載し、宇宙に打ち込みます。ロケットから分離したACRは、その後約2年かけて地球から離れていきます。さらに月の重力を利用して太陽系の奥深くに入り込み、そのまた2年後の2019年、ついに小惑星に接触します。

ターゲットの小惑星との接触が確認できたら、捕獲用袋を広げてそれをつかまえます。小惑星の回転を止めて安定させ、袋にしっかりと収めます。このプロセスにだいたい90日間かかります。

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それが成功したらACRを地球方向に向け、小惑星を月の周回軌道まで連れていきます。小惑星が宇宙船に500トンの質量をプラスすることになるので、帰還には2~6年かかります。

月という新たな「家」に到着したら、ACRは月を回る軌道に小惑星を放ちます。そこからさらに有人ミッションが始まり、宇宙船「オリオン」に乗った研究者たちが月に送り込まれてきます。順調に行けば、2021年までにはその小惑星に人間が降り立つことができる予定です。

予習として

そんなわけで、2021年には人間が小惑星の上に立つことができるみたいです。それまでに映画『アルマゲドン』でも見て、小惑星着陸ってどんな感じかイメージしておくと何かの役に立つ...かも...?

Earth Sky、Space(12)、Wikipedia、捕獲袋画像:NASA、捕獲画像:Rick Sternbach/KISS]

Andrew Tarantola(原文/miho)