宇宙からストローぶっ挿して海水全部吸い上げることは可能?(動画)

どうも~Vsauceヴィーソース)です~。

地球の大気は薄い空気の膜で、地球引力で引き寄せられている。僕らはその中で生き、それを呼吸し、毎日その中を歩いてる。そこではあらゆる気象現象が起こる。でも...

大枠で見ればその存在はほぼ無に等しい。

地球が林檎の大きさなら、地面から宇宙空間に至るまでの間にある大気は林檎の皮ぐらい薄い。上に行けば行くほど空気は指数関数的に薄くなるから、大気のマス(量)の90%はこの皮のたったの8分の1の空間に収まる。

そんなペラペラなのにまだ人間の背の何千倍もあるんだから、げに人間は薄皮の空の底辺を這う点の如き存在なんだね。

が、そんな薄っぺらな空もその果たす役割りは大きいんだよ。

ストローを宇宙から海にぶっ挿して海水を全部吸い上げることは可能なのか?

みんな裸になってほぼ真空の宇宙空間に出ると、体内の密閉されてない空気が全部すさまじい勢いで吸い上げられておならとなって出る...というのはみんなも知ってるよね?

これがいわゆるSucking(吸引)、正確には高気圧から低気圧への空気の流れだ。

理屈は掃除機そのものに物体が引き寄せられてるわけじゃないのと一緒。前に無題の動画で説明したように、標高ゼロの場所で掃除機をONにすると中の空気は(標高1マイルの)コロラド州デンバー並みに薄くなる。で、外の空気がゴミ・塵と一緒に吸い上げられちゃうのね。

ここで大事なポイントは、吸引力は周辺の空気圧を超えない程度までしか強くなれないこと。掃除機も宇宙ストローも大気圧並みが限界だ。

大気圧はどれぐらいあるのか? 海面で大体14.7psi(pounds per square inch)、つまり65.4N(ニュートン)ある。これだと純水は10.3m(33.9フィート)ぐらいしか吸い上げられない...。

宇宙は10mじゃとても届かないよね。何十万mというレベルの話だ。となると宇宙ストローも世界が終わるのかってぐらいスゴい設備がないとムリ。地球大気は宇宙まで水を押し上げて軌道に乗せられるほど重く(強く)はできていないのさ。

上の大気の重さで下の全方位的分子運動が抑えられ、大気圧はできる。よって、下の空気ほど圧力は強い。頭より足が強い...と言われても実感ないけど、まあ、それでヘリウムの気球も浮くんだね。下の空気の方が上の空気より圧力は強い。ヘリウムは軽くて下の圧力を抑えこむ重力がないから上にプッカーンと浮くワケね。

こういう周りの流体・気体で生まれる、重力に逆らって上方向に作用する力がいわゆる「buoyancy(浮力)」。人間の体が浮くほど強くもないけど、世の中には浮力ってのがある、だから例えばみんなの体重も真空だと普通の体重より大体0.12%増えるんだよ(浮力がないから)。空気さん、ありがとよ。

さてと気球に話を戻すと...あれも無限に上り続けて宇宙まで行くわけじゃない。上に行けば行くほど空気が薄くなって膨らんで膨らんで...しまいにはパーンと割れて地面に落ちる。

そうやって考えてくると...宇宙にわざと運んでく石とかは別として、地球から物体が宇宙にはぐれることってあるのかな?

地球から物体が宇宙にはぐれる、逆に宇宙から地球に何かを得ることはあるのか?

例えば僕のこの体。昔は子どもで小さかったのに今はこんなに大きくなった。この体内の原子や分子って全部自分が摂取したもの...食べたり飲んだり呼吸したものから来てるんだよね。

それで思ったんだけど、子どもが生まれると地球が重くなる...なんてことはないのかな? 新生児と言っても単に母体の原子・分子を再編したものだよね? 母体が食べたり飲んだり呼吸したもの。で、それは全部地球から来ている。いわばみんなリサイクル。だったら新生児誕生で質量が増えたり減ったりしないものなの?

地球は確かに何かを失い続けている。

例えば水素・ヘリウムは軽すぎて重力も足りないし地球にしがみついてられないので、いずれは宇宙方向に飛んでって大気の端っこんとこで太陽風に拾われる。前にも紹介したように地球からはいつかヘリウムもなくなる、割とすぐね(水素は(数兆年後)。

逆に宇宙から地球に飛んでくる隕石・宇宙塵は年間推定1万~2万トンで、そのぶん地球も重くなっている。

地球が外に放出するエネルギー、これは質量で変わる。

E=mc²(エネルギー=質量×光速度の2乗)

逆に地球には太陽から受けるエネルギーが貯まるよね、例えば温室効果ガスで。

そんなこんなで足し算・引き算すれば地球は毎年5万トンずつ軽くなっているのだよ。おおごとに思えるけど、5万トンは地球全質量の0.000000000000001%に過ぎない。

つまり僕らの体内を構成するものは体内の原子も分子も飲み水もみな地球創世の頃からここにあるものなんだね。みんなが今呼吸しているその空気も。

呼気と大気の奇妙な相関性

全人類が吸う酸素は毎年6兆kg

ひとり年間約850万回呼吸している。

吐く息の中の分子はものすごくちっちゃいので、吐息ひとつには10セクスティリオンもの分子が含まれている。で、なんでそれとこれが繋がるのか知らないけど、地球大気の総量は呼吸約10セクスティリオン回に相当するのだ。

つまり...

ハーッと吐く息の中にある分子の数は、地球が我々に与え給う全空気を吸い尽くす呼吸回数と完全に一致するのである! 吐けばまた吸えるけど、そちらはカウントしないで。

・大気はものすごい速さで循環している。

・人間はものすごい回数呼吸している。

・呼吸中の分子はものすごく小さい。

よって計算上は地球大気は呼気だらけ。この僕らの体を一度は通過した空気で溢れ返っているんだ。これがどんなにすごいことか分かってもらうには、二酸化炭素(CO2)を例にするのがいい。

ハーッと吐く1回の息、これが地球全体に広がるのには約1年かかる。対流圏から成層圏までむらなく拡散するのには10年かかる

二酸化炭素は僕らが吐く息のたった5%で、うち20%は脳のメタボリズム(代謝)で生まれる。

なので吐いた息のCO2の99.99999%が海に閉じ込められたり植物に吸われて糖が生成されても、数学的に確かなことは、一度も呼吸したことのない見知らぬ土地で空気を吸ってもその空気には必ず「一度は我々の脳を通過した分子」が最低何個か含まれているってことさ。

それは5年前に鍵を置き忘れた場所思い出すのに使った分子かもしれない。

それは初めて恋に落ちた時、脳内に居合わせた分子かもしれない。

それは君を産んだ時、ママの脳内に居合わせた分子かもしれない。

そんなわけで、さ、深呼吸してみよう。なぜって空気は歴史の塊なのだから。そして呼吸し続けていこう。なぜって次の10年で僕も必ず吸うんだからね、今この瞬間きみの脳内にある二酸化炭素の分子を。

satomi(Eric Limer/米版