前略アップル様、写真のことで話があります。

前略アップル様、写真のことで話があります。 1

写真をすっきり管理したいんですが...という問題提起。

iPhoneのカメラでは良い写真が撮れるし、フォトストリームとかカメラロールとかiPhotoやiCloudといったアップル純正のツールもいろいろあります。アップルとして、写真周りの環境は十分整えているように見えます。でも写真をスマートに管理したいのに、どうもうまく機能してないんじゃ...という指摘があります。そんな問題提起と改善への提案をしているのは、Ruby on Railsのデベロッパーで起業家のピーター・ニクシーさんです。

以下、ニクシーさんのブログから米Gizmodoへ転載された、アップルへの問いかけと提案です。

前略 アップル様。

もう10年も、写真の管理を一緒にしてきましたね。最初はシンプルで、お互いに何がしたいか、できるかがわかっていました。僕はカメラから写真をコンピューターに移して、iPhotoにインポートしてアレンジしてました。楽しい人生でした。

前略アップル様、写真のことで話があります。 2

でもある日、あなたは僕にiPhoneの素晴らしいカメラを授けてくれて、僕はこのラブリーな牛みたいな写真をたくさん撮り始めました。それからあなたは、ワイヤレスシンク機能も作ってくれて、iPhoneをラップトップにつなぐ必要もなくなりました。それで僕はiPhoneとコンピューターの写真をシンクしなくなり、それぞれの端末の中の写真たちはそれぞれ別々になっていきました。

さらにあなたはiPadをもたらしてくれました。iPadは美しくて、iPhotoライブラリのキュレーションにぴったりだと思われました。僕はソファでくつろぎながら写真を編集したり整理したりするのをすごく楽しみにしていたんです。が、あなたはiPadから写真ライブラリに保存するすべを与えてくれませんでした。なので撮った写真はすべて、ただただカメラロールにたまっていきました。

でもその後あなたは僕の苦しみをわかってくれたかのように見えました。フォトストリームの登場で、すべての写真がすべてのデバイスで共有されるようになったんです。それでも、iPhotoに写真を入れる唯一の方法はコンピューター経由のみでした。なのでiPadで写真が見られても、ライブラリを保存できないからには実用的じゃありませんでした。それに僕が写真をフォトストリームから移しても、カメラロールには残るんです。結局同じ写真が2ヵ所(さらに僕が編集すれば3ヵ所)にある状態で、しかもあなたは「スペースが残り少ないから、写真削除してね」って時々催促してきます。

正直、今ちょっと困っています。たとえば、「あの写真、iPhotoに入れたっけ?」と思ったとき。よくわからないからまずフォトストリームをチェックします。で、ああ違う、写真が多すぎるから一部削除しろって言われてたんだった...うーん、とカメラロールをまたチェック。ちょっと待って、動画はどこ? フォトストリームでは動画はストリームされないのか...という具合です。これはスマートじゃありません。

僕が何をしたいかって、トイレで写真を整理したいんです。バスの中でも他の場所でも、空いた時間にiPhone経由で写真をいじりたいんです。写真の管理のためにコンピューターの前に座りたくはありません。仕事タイムになっちゃうからです。僕はiPhoneでちょこちょこと写真を整理したいのに今はできないので、代わりにTwitterでどうでもいいツイートを読んで時間を浪費している、この感覚がすごく苦痛です。

さらに傷口に塩を塗るかのように、MacBook Airを使い出したらディスクドライブが激減したんです。それまで10年間撮ってきた高解像度の写真とか動画を入れるスペースは、ラップトップ上にはなくなったんです。それにあなたは、10年分の写真をiPhone、iPadに適したサイズでキャッシュするよう頑なに主張しています。僕がiPhoneとiPad用の写真キャッシュのために、MacBook Airのディスクドライブの7%も使っているのをご存知でしょうか? クレイジーです。僕はこのフラッシュドライブの対価として、たくさんのお金を払ったんです。写真のキャッシュのためにムダに使いたくありません。

そんなわけでアップル様、僕は、あなたがちょっと混乱してると思うんです。共有については気にしなくていいです。共有機能系では、僕らはあなたをそれほど必要とはしていません。あなたの役割は写真を撮って整理し、それらがなくならないように管理することです。では具体的にどうしてほしいか、以下に提案します。

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写真管理のためにアップルにしてほしいこと

  1. iPhotoライブラリの原本的なものをクラウドに入れたいです。大きなiPhotoライブラリがクラウドにあって、いろんな端末からアクセスできるんです。僕はそこであらゆる端末から写真の編集や整理、削除をして、どのデバイスにも同じように変更が反映されるようにしてほしいです。マスターとスレーブの設定ということではなく、クラウドにアクセスできるだけでいいです。

  2. そのためにお金を払ってもいいです。月5ドル(約500円)ではどうでしょうか。その金額は原価よりずっと高いのかもしれませんが、でも僕としてはそれくらいは出せると思っています。そしてもしあなたがこういう仕組みを作れば、長期的にはちゃんと運営できるってお互いにわかっています。ただ、5ドルの中には無制限のディスクスペースも含まれているようにしてほしです。といってもディスクスペースに対してお金を払うというより、自分の思い出がしっかり守られている安心感に対して払うんです。保険みたいなものです。もちろん利便性もありますが、それはお金を出すための口実みたいなものです。

  3. フォトストリームをなくしてください。カメラロールを唯一のフォトストリームにして、iPhoto(すべてのデバイス上の)で見られるようにしてほしいです。すべてのデバイスが見に行く、ひとつの共通のカメラロールにしてほしいです。僕は「写真を撮ったらカメラロールにためておいて、整理しながらライブラリに入れる」という使い方をしたいです。言い換えると、写真や動画には2段階があり、ひとつめはカメラロール上にある状態、ふたつめがフォトライブラリにある状態です。そして、他の状態では存在しないんです。

  4. iCloudのカメラロールにAPIを作って公開してほしいです。そうすれば僕の持っているカメラをすべてそこに接続できます。ワイヤレス接続できるデジタル一眼レフカメラを買って、そこからカメラロールに写真を保存できるようにしたいです。

  5. iPadとiPhoneのiPhotoをちゃんと機能させてほしいです。クラウドから自分の写真に素早くアクセスできるように、賢くしてほしいです。iTunesでも同じようなことができていたんだから、再度その魔法を使ってほしいんです。iPhoneやiPadの素晴らしいパワーを、トイレから使えるようにしてほしいんです。

これはあなたにとってチャンスでもありますが、そのチャンスは永遠に続くものではありません。多くの人はバックアップの管理方法をちゃんと考えておらず、そこにお金をかけてもいません。でももしみんながバックアップにお金をかけるようになったら、彼らは写真の整理のためだけに追加でお金を払ったりしないはずです。みんながDropboxやGoogleに月10ドル払うようになったら、写真のために5ドルも出さないってことです。でも少なくとも今はみんなそうしていないので、アップル・マジックを使う時間はまだ残されています。

開発にムチをふるうスティーブ・ジョブズがもういないのはわかっていますが、今が何とかすべきときです。上に提案したようなカメラロール一元管理の仕組みをうまく作れれば年20億ドル(約1990億円)くらい生み出せるチャンスかもしれないけれど、残された時間は限られています。ぜひがんばってください!

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Photo credits:Peter Nixey's iPhone

Peter Nixey(原文/miho)