鏡像のツインビームで歪みを相殺、インターネットを劇的に速くする新発想

鏡像のツインビームで歪みを相殺、インターネットを劇的に速くする新発想 1

鏡像シグナルを送ることで劇的にネットのデータ伝送の精度・速度を上げる新手法が開発されました。これだと地球の真ん中突っ切れれば反対側まで届くぐらいの距離送れるみたいですよ?

Nature Photonicsに掲載中の論文「カーの非線形の限界を破る、位相共役のツインウェーブ」で研究班は、1本ではなく2本の光ビーム(ひとつは通常のデータシグナル、もうひとつは鏡像)をファイバーケーブルに送れることを示しています。このシグナルはケーブルの先端に届いたところで、シグナル内のノイズで起こるエラーをキャンセルするようなかたちで再統合できるんですね。

論文概要の最初のところには、こうあります。

光ファイバー通信の伝送の性能・キャパには光カー効果(非線形屈折)で自ずから限界が生じる。そこで我々は1組の位相共役のツインウェーブの非線型歪みは基本的に非相関であり、よって伝送線の先端でツインウェーブを最適に重ね合わせればシグナル対シグナルの非線形相互作用のキャンセレーションも可能なことを示す。このアプローチをファイバー通信に応用すれば非線型歪みが>8.5 dBぶん低減できることも実証する。

NatureAsia日本版はもう少しわかり易く、こう紹介してます。

Xiang Liu らは、データを単一光ビームに符号化するのではなく、実質的に互いに鏡像になっている2本の「位相共役」ビームを利用している。2本のビームは歪みが逆に生じるので、ファイバーリンク末端で2本のビームを重ね合わせることによって、信号歪みが大幅に除去される。

要はノイズキャンセリングヘッドフォンみたいなトリックを想像すればいいのかな...。大事なポイントは、このトリックを使えば干渉でデータが劣化する前に通常のデータストリームよりかなり遠くまでデータが送れるということ。チームではなんと下り速度400Gb/sで距離1万2800kmの光ファイバー伝送に成功してるんだそうな。1万2800kmって地球の直径やねん! 

理論の上では素晴らしくても実用化には従来にないインフラの整備も必要だし、実用の文脈に照らして最良のテクニックかどうかはハテナちゃんですが、バンド幅需要はとどまるところを知らないわけで、こうして世界中のエンジニアが新しいアイディアを生み続けている姿は実に頼もしい限りですね。

Nature Photonics, Nature Asia 日本版 via BBC via Verge

Image by nrkbeta under Creative Commons license

JAMIE CONDLIFFE(原文/satomi)