やっぱり萌え悶えた…。3Dプリンタで作るロボットRAPIROの開発者さんにお話を聞いたよ!(動画あり)

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ぐうかわ。

以前、ギズでも紹介したRAPIRO。ちっちゃいガンダムみたいですっごくかわいいのですが、アメリカのクラウドファンディングサービスKickstarterでわずか2日間で目標金額の20000ポンドを調達。終了時には75099ポンドもの資金を調達した偉業を成し遂げたというすごいロボットです。この実績だけでもすごいのですが、RAPIROは3Dプリンタで各部品を試作され、名刺サイズのコンピューターであるRaspberry Piを搭載できる「自分で作れる動くロボット」というとても未来的なプロダクトなのです。

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今回このRAPIROが国内で新しく開始したクラウドファンディングサービスの「MAKUAKE」で、再度資金調達にチャレンジするということで、Kickstarterと新しい日本国内でのチャレンジについて、開発者の石渡さん、MAKUAKEの中山さんにお話をうかがいました。

議論するんだったら、プロダクトで表現してみたい

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石渡さんとRAPIRO(身長約25cm)

ギズ:さっそくですが、クラウドファンディングサービスでロボットを作ろうと思ったきっかけはなんでしょう?

石渡さん:クラウドファンディングってものすごく色んな可能性があると思うんです。Kickstarterってもうある意味ブランドになっていると思うんですけれど、素晴らしいプロジェクトもたくさんる中で、「これ資金援助してくれている人たちをだましちゃってるんじゃないの?」というものがあったり、本当に色んなものがある。でも、Kickstarterに出ている海外の人たちのプロジェクトに日本からああでもない、こうでもないと言っているよりも、1人の作り手として自分もチャレンジした方がいいんじゃないかなって思ったのがきっかけです。チャレンジした方がいいというより、モノを作っている自分としてはチャレンジするべきだと思ったんです。

ギズ:脳波で動くnecomimiも石渡さんの作品ですよね。

石渡さん:せっかくチャレンジするなら、3DプリンタやRaspberry Piという世界のトレンドを日本流にプロダクトに載せて表現したいと思って。3Dプリンタの可能性ってすごくあると思っていて、拳銃が作られたというニュースもありましたけれど、でも本来の可能性ってそこじゃないと。そういう想いをTwitterで議論していても結局何も変わらないんですよね。Raspberry Pi も同じで、「これ1枚あって何ができるの?」という意見もあると思うんです。僕だってそう思うこともありますし(笑)。だったら、Raspberry Piを使ってプログラムを作ってムーブメントを起こしたい。ちゃんとその想いをカタチにして、世界にアピールして、評価されて初めて意味があると思った、というのが動機になります。

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これがRAPIROに搭載されているRaspberry Pi

ギズ:「やってみること」が大切なんですね…。ちなみにどれくらい時間がかかったのでしょうか?

石渡さん:去年の12月にロボット作ろうかなぁと思い始めて1月くらいから設計を初めて4月くらいにはこのカタチができました。4月から6月はプロモーションにあてたという感じですね…。今は、12月に納期があるのでそれにむけて急ピッチで進めています。

「こういうのが欲しかった」というものを作りたかった

ギズ:Kickstarterって多くのプロジェクトが成功したり、失敗したりしていると思うのですが、これだけの成功をおさめた秘訣ってなんでしょう?

石渡さん:僕は自分が「これを作りたい!」という思いだけではなくて、「これが欲しいという人」、「これを改造(ハック)したい人」、「自分たちの製品としてこれを製造したいというメーカーの人」たちを繋ぐということを1番の目的にしました。

ギズ:RAOIROは、自分で作れる「動くロボット」ですからね。そういう夢をかなえられるのといいますか。

石渡さん:大学の同級生がメーカーで働いていたりするんですけれど、「こういうの作りたいと思って企業に入ったんだよね」という話を聞いたりするんです。でも、おそらく大手玩具メーカーだったら、このRAPIROは企画会議の時点で止まってしまうんです。それは、値段の話や技術が新し過ぎてリスクが大きすぎたり、市場規模が読めないという問題があって、なかなか踏み出すことが難しいという理由があるからかもしれません。

でも、僕らは中小企業だからこそ、そういう新しい技術に対するリスクに柔軟に対応することもできるんと思うんです。今おもに4社でこのRAPIROを作っているのですが、このプロジェクトに携わっている人は決定権を持っている…つまり、社長直轄のプロジェクトなんです。この4人がOKと言えばすぐに動けるし、それぞれがその専門家という感じのチームなので、たとえば、プラスチックのことに関しては、僕とプラスチックの会社の方で意見が一致すれば、他の2社の方もまかせてくれるというか。そういう組織だからこそ作れるものがあると思うんです。

リスクを背負えると言っても、もちろん事故が起こらないものを作らなくてはいけなくて、そうすると必然的に開発側のコストがかかります。出力する3Dプリンタもやっぱりいい物を使わないとネジ穴がつぶれてしまうこともありますし、モーターにもこだわったり電子回路も良いものにしようとしています。量産と言っても大企業のものと比べると少量生産なので、コストを下げることは難しいのですが、それでも「安い」と感じてもらえる製品にしながら、ちゃんとコストも回収できるようなビジネスモデルにしたかったんです。その覚悟はとても大きかったのが、3 社の協力を得ることにつながって、Kickstarterでの成功できたんだと思います。

  

ガンダムファンに怒られると思ったんだけれど…

ギズ:Kickstarterでプロジェクトがスタートしたときの勢いってすごかったですよね。あっと言う間というか。

石渡さん:あれはRaspberry財団の協力も大きかったんです。もちろん他にもたくさんの方から協力していただいたんですけれど…。

ギズ:Raspberry Piの公式サイトもとても盛り上がってしましたよね。「かわいい!」って興奮していて発狂に近かったですよね。英文ですが、まさに「きゃわわわ」という感じで。

石渡さん:Raspberry財団の代表のエベンさんと一緒に写真を撮ってもらったのが大きかったのかもしれないですね…。彼はもともとエンジニアだそうで、こう…技術者肌な感じの方なんですがデザインやコンセプトを含めて共感してもえました。Raspberry Piはイギリスのものなので、そこから北欧ですごく反響がでたのだと思います。

ギズ:Twitterではガンダムなのか、マクロスなのか議論されていましたよね。

石渡さん:僕の知らないロボットの名前がすごく送られてきて…。ガンダムのあるシリーズの敵のロボットにすごく似ているらしく…。

ギズ:百式とかですか?

石渡さん:いや、なんかもっと知らないやつ…ですね(笑)。

ギズ:それを日本人ではない方々が熱く語っているのが面白いですよね。

石渡さん:リリース前にガンダム好きな友達に見せたら、いろいろ注文を付けられまして…(笑)。それもあって最初はガンダムファンの方々から怒られると思ったのですが、驚くほどアンチコメントが来ませんでした。ビックリするくらい。Kickstarterで海外の方から「おれ、このRAPIROをアレンジしてガンダムのジムにするんだ!」っていうメッセージが来たりしました。3Dデータを公開する予定なので、勝手にアレンジすることが可能なんです。そういうのをどんどんやってもらいたいと思ってるくらい。でも、3Dデータに関して質問されると困っちゃうんですけどね…。やっぱりこういうのって自分で学んでやってみないとわからないので、アドバイスとしては「まじ頑張れ」くらいしか言えないんです。

でも、そういう土壌を作ることもこのRAPIROプロジェクトの目的でした。データを公開することって、ぼくらにとってメリットってあんまりないんですけれど、公開したほうが楽しいかなって思いまして。製品データを公開するなんて、大手のメーカーだったら難しいかもしれないけれど、僕らだったらできるわけですし。そうやって新しい体験に出会ってほしいなって思うんです。

RAPIROはオモチャだけれど、テクノロジーを学べる余白がある

ギズ:3Dデータを公開するっていうのが、またすごいですよね。

石渡さん:このRAPIROのデータを公開することによって、実際自分でやってみて、失敗を通して、色んなことが学べるんです。実はこRAPIROの設計には100万円くらいのCADを使用しているのですが、学生ライセンスだと1万円くらいで同じものが買えるんです。

ギズ:すごい!

石渡さん:学生はこういうのをどんどん活用した方が良いし、やってほしい。このRAPIROには実はそういう余白があって。だからこそ学生には色んなことを学んでほしいと思ってるんです。ただ、このデータを作るのに、他の仕事もしながらですけれど、僕でも4ヶ月かかったので、学校の課題や授業で忙しい学生だと半年~1年くらいはどうしてもかかりますよね。1年もこの設計に向き合える学生ってすごいと思うんですけれど。とにかくロボット1 体をいきなり全部1人で設計するっていうのは難しいし、ハードル高いですよね…。でも、ここまで設計できてしまえば、それをベースに手や足のデザインを変えれるようになると思うんです。その動機のきっかけになればな、と思っています。

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目も光るRAPIRO。バイバイやバンザイもできます。

ギズ:たとえば、necomimiみたいに脳波でRAPIROを動かせるようになったり、撫でたら反応するようにしたり。 

石渡さん:プログラムを組めばできますね…! 実はガジェットにパソコンの機能をつけたりするのって、前からあったんですけれどすごくコストがかかるんです。Raspberry Piなら安いですし、これをつむとUSBを刺すだけで機能をアレンジできるのできるので、今までと比べるとすごく簡単になりました。例えば、脳波で動かせるようにするんだったら、このRaspberry Pi に脳波の生データが飛んでくるようにして、それを処理するようにプログラムすれば脳波で動かせるようになりますね。

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頭の後ろにUSBを挿せます。

石渡さん:今、3DプリンタやRaspberry Piやら、そういう新しい「世界の流れ」みたいなものがきていて、それをふわっと理解している人はたくさんいるんですけれど、このRAPIROはその「世界の流れ」を具体的に学ぶきっかけになる思うんです。たとえば工学部の学生さんとか、このRAPIROをきっかけにCADやプログラムに挑戦してみたり、将来の仕事に繋がったり…とか。そういう風になればいいなと思っています。

日本でもクラウドファンディングにチャレンジしてみる

ギズ:RAPIROが新しくチャレンジする場となった「MAKUAKE」はどんなサービスなんでしょう?

中山さん:サイバーエージェントが新しく始めたクラウドファンディングサービスです。既存のクラウドファンディングサービスもありますが、違うところはAmebaと言うメディアを持っているところだと思います。正直、クラウドファンディングで実際に支援したことがある日本人の方ってまだすごく少ないんです。インターネット自体はものすごく普及していますが、クラウドファンディングというサービスはまだ敷居が高いというか。ぼくたちはAmebaというインターネット上のメディアを持っているので、そこにいるたくさんのユーザーに向けて、何かアプローチができるのではないかと思っています。

石渡さん:クラウドファンディングサービスというプラットフォームがあったとしても、常に何かコンテンツがないと厳しいですよね。

中山さん:実際、クラウドファンディングって、朝起きて見るものじゃないんですよね。Facebookやtwitterとは違って、朝起きて「Let’s Kickstarter!」みたいにはならなくて。そこをAmebaと結びつけて、「チャレンジしやすい」土壌にすることができればな、と思っています。

石渡さん:やっぱり、新しいムーブメントにチャレンジしたい人ってたくさんいると思うんです。でも、プラットフォームだけじゃ、コンテンツだけじゃ成り立たない。だから自分は、ちゃんと一緒に作り上げていけるような方々と挑戦できたらな、と思って今回MAKUAKEで国内に向けてクラウドファンディングにチャレンジすることにしたんです。

ギズ:よくギズでもKickstarterやIndigogoなどのクラウドファンディングのプロジェクトを紹介したりするんですけれど、やっぱり国外のものだとどうしても敷居が高くなってしまいがちですよね。遠いというか。

石渡さん:日本もこういうサービスがもっと増えればいいと思ってます。だからこそ、今の日本でクラウドファンディングを議論するべき時なのかなって。やっぱり、アジアだと中国でも韓国でもほとんど成り立っていないんです。これが成り立っているのは、日本が築き上げてきた信頼みたいなところはやっぱりあると思っていて。その上MAKUAKEは日本の企業がやっているっていう安心感みたいなものもある。だからこのプロジェクトをきっかけに日本がアジアを牽引できるチャンスになればいいなと思っています。

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念願のRAPIROに会えて、しかも自分のiPhoneとのツーショットまでとっていただいたわけなのですが、そのかわいらしいボディの中には、たくさんのテクノロジー、ムーブメント、人の想いが詰まっているんだなぁと思いました。MAKUAKEにて昨日から資金調達を開始して、10月末までに300万円を集めることを目標としています。支援はこちらからからできます。

未来的なかわいいオモチャ、RAPIROの旅ははじまったばかり。ワクワクしちゃいますね!

RAPIROMAKUAKE

(嘉島唯)