食べ物でできるおもしろ実験4題(動画あり)

食べ物でできるおもしろ実験4題(動画あり) 1

休みボケ解消にこれ。親子で食べ物・飲み物を使って楽しめる実験を4つ集めてみました。むしゃむしゃゴクゴクしながら原理を説明したげれば株があがること間違いなし!


電極ほかほかホットドッグ

グリルなんて不要! ホットドッグは電気の力だけで温められます。

実験方法

必要なもの:完全解凍して予め火を通したホットドッグ、釘2本、二度と使えなくなっても構わない古い電気コード、非反応性の面。

1)プラグの反対側のコード端の皮膜(絶縁体)を1インチ(2.54cm)ほどカットして電線をむき出しにします。

2)ワイヤを釘にぐるぐる巻きつけ、釘をホットドッグにブスッと指します。

3)ホットドッグは皿に載せ、可燃物からは充分離しておきます。

4)電気コードをプラグに差し込んで、スイッチON。

5)なぜか熱源もないのにホットドッグは温まってゆきますよ。

6)終わったらプラグを抜いて(触る前に必ず抜くこと)、赤くて熱い釘をそーっと抜きます。

7)さ、熱々のホットドッグを召し上がれ!

原理

これはジュール加熱Joule heating)の良いデモ。ジュール加熱とは電気がレジスタ(抵抗器)を通過すると熱エネルギーに変わること。電気暖房もこの原理で動いています。ここではホットドッグが回路の抵抗器の役割りを果たし(金属線の方が棒状の加工肉より遥かに電気の通りはいいので)、そこに熱エネルギーがたまっていくのですねーはい。


自凍瞬間フローズンドリンク

今夏ギズでも大反響をいただきました。うだる夏、7-11までひとっ走りしなくても、家で死ぬほど炭酸振って冷凍庫で3時間ちょい冷やすだけでフローズンドリンクができちゃう魔法のライフハックです。

実験方法

1)常温ソーダを思いっきり振る。

2)500mlなら冷凍庫に3時間15分入れて取り出す(時間は冷蔵庫ごとに違う)

3)蓋をすこ~しゆるめて気を逃して逆さまにするとアラ不思議。瞬時に固まります。

*キンキンに冷やした器に移しても効果バツグン。

*普通に注いで氷を1個浮かせても固まるよん。


原理

ここで起きているのは過冷却supercooling)―液体が凝固点より冷えてるのに個体化せず液体のまんま残る現象です。通常、水は融点0℃より下がると、液体内の微細な不純物の周りに氷の結晶ができて氷が張ってゆきますよね? 過冷却は、逆浸透(reverse-osmosis)とか類似の純化技術で不純物を全部取り除いてやれば起こるんですけど、コークなんかのボトル内は炭酸の圧力が充満してるので、その圧力が続く限りは結晶化が起こらないんです。

なので冷凍前に無茶苦茶振ると、炭酸は(ボトル上部の空気の隙間に詰まってるだけじゃなく)液体全体に均等に広がり、液体内の圧力が上がって、冷却中も結晶化が阻止されるのです。

しかし蓋をゆるめた途端、ボトル内の空気圧は外と一緒になって、結晶化を阻害していたタガが外れ、注ぐ端から炭酸が抜けていって固まる→フローズンドリンクになる、というわけ。

  


自分だけのあめ玉つくろう

昔から子どもに大人気の実験。結晶化は糸飴、カラメルづくりの敵だけど悪いことばかりじゃないのね。一見なんの変哲もない透明な水から、みるみる(1~2週間かけて)ロックキャンディが固まっていくよ!

実験方法

必要なもの:

  • なべ
  • 砂糖 3カップ(アメリカの1カップは240ccなので720cc)
  • 水 (砂糖が完璧に解ける程度。大体240cc)
  • 紐 数本(長さ10㎝程度。この動画ではパイプクリーナー使用)
  • ガラス瓶やコップ
  • お箸 1本

1)なべに砂糖と水を入れてひと煮立ちさせ、完全に解かします。

2)紐を熱湯に5分浸して水を絞り、砂糖に転がしてまぶしつけます。

3)紐の片端をお箸にくるくる巻き、お箸を口に渡して、さとう水を入れたガラス瓶に浸します。

4)1週間放っておくとアラ不思議。あめ棒になってる!

原理

氷点下なのに固まらないのが過冷却なら、これはその逆。結晶化を促進する結晶核形成crystal nucleation)です。レーザー高射砲塩で雨粒の核になる粒子を雲に散布して雨粒を成長させる人工降雨「シーディング法」みたいなものですね。砂糖を水に解かすと溶液(溶媒と溶質が均一に混合したもの。普通は液体)になります。そこから砂糖を元通り取り出すには、沈殿precipitation)というプロセスを経なければなりません。で、沈殿を引き起こすには、一度解けてしまった砂糖がしがみついける何かがないとダメ。これが砂糖をまぶした紐なのです。紐に砂糖の結晶をまぶすことで、それが核「シード(種)」になって周辺に個体が形成されるのです。


振って振ってバター

またバター切らしちゃった…どうしよう…そんな時にこれ。瓶と腕力さえあれば5分かけずにバターは作れちゃうんですよ。人間曝気処理マシンになったつもりで無心に振りましょう。

実験方法

1)生クリームを瓶に半分、お塩をひとつまみ入れ、蓋をキュッと閉めます。

2)1分か2分振りまくって蓋を明けて底を見ると…バターは半分固まってます。

3)蓋を戻してまた1分振りまくって蓋を明けて底を見ます。

4)適度な硬さが確保できるか肩が外れるまで、3)を繰り返します。


原理

バターは基本、爆気乳脂肪(aerated milk fat)なのです。むりやり振ると脂肪分子の脂質コーティングが破れます。オープンになった脂質分子はもっと長い集団・鎖に繋がることができます。この脂質の塊は気体分子周辺に大集合する傾向があり、乳脂肪のゆるいネットワーク(泡)に閉じ込められます。泡の中でバターの集合体同士が繋がって大きく濃くなるにつれ空気は行き場を失い、最終的に泡は弾け泡の外に漏れてゆきます。

こうしてバターとミルクバターは分離。バターミルクはバターミルクとして売られ、バターはバターで練り上げて均質にするというわけですね。因みに面白いことに、バターって個体じゃなくて、油中水型乳剤( water-in-fat emulsion)なんですよ。水滴が脂質の中に無茶苦茶細かく分散してるので、乾いて見えてるだけなんです。


簡単なデモですけど、これでお子様の食欲(&知識欲)を刺激できたら儲けものですね。食材を使ったおいしい実験、他におすすめご存知の方はぜひコメントで教えてくださいませ!

Science Buddies - Food Republic - YouTube - Top Image: Kirill__M, Hot Dog: oskay / Flickr, Rock Candy: PhotoSGH

ANDREW TARANTOLA(原文/satomi)