iPhone着信音トゥルルンはこうして生まれた! 発明者が語る

メールやアラート着信の度に鳴る、トゥルルン。

iPhoneと言えばお馴染みのトライトーンですが、あれは考案した本人も知らぬ間にあれよあれよという間に出世し、ある日あるとき街中で鳴り出して本人もビックリ仰天だったみたいですよ? 面白いですね~。

音声映像ソフトウェア製作会社「Jacklin Studios」創業者のケリー・ジャクリン(Kelly Jacklin)さんご自身がここに誕生秘話を綴ったのですが、それによると、あれをデザインしたのは1999年のことだそうです。

元々はiTunesの前身のSoundJam MPというアプリを開発中の友だちに、「ディスクのバーンが完了したときに鳴る音つくってよ」と頼まれて造ったものでした。

使った機材はザッとこんなところ。

当時(1999年半ば)使ってたコンピュータはMac PowerPCタワー(青と白のPowerMac G3)だ。ギター弾きだけど、ドラム用にMIDIもかじってたので、General MIDI(ジェネラル・ミディ)がいいかなと思って、結局YamahaのXGエクステンションに落ち着いた。それが一番妥当で汎用性高かったし、友だち(トム・オブライアン)の勧めでYamaha MU90R買ったばかりだったから。

あとはタワー用に「Yamaha SW1000XG」っていうPCIカード(64-voice XGのチップセット)も購入。これでYamaha MU90Rの性能を上げつつ、音声はPCIで直接コンピュータに転送できるので全部デジタルと相成った。

音声録音・キャプチャにはマクロメディア(当時)のSoundEdit 16、MOTUのDigital Performer、SW1000XG用にASIOのドライバーを使用。あとは日本のTontataっていうハンドルのガイが出してるワッキーなDTM向けシーケンスソフト「MIDIGraphy」―これまたトムのおすすめだが、編集の機能もある程度ついてる使い方がわかり易いSMFファイルプレーヤーだった。[...]

音探しはザッとこんな感じで進めました。

なんかシンプルで、人の注意をひく音を探してみた。家でも職場でも騒音突破できる、すっきり澄んだ楽器音で、ただ音譜が連続して鳴るのがいいな、と思った。

[...]当時はマリンバとカリンバの音にすごいハマってたんで、どっちも試すことにした。あとSW1000XGのライブラリの音を聴き比べて気に入ったのは3つ。ハープ、琴、ヴァイオリンのピッチカートの音だ。[...]

音譜は3つか4つ。とにかくシンプルさを求めた。忙しくてあんまりクリエイティブにやる時間もなかったので、タイミングで凝ることもできず、ただ音を並べるだけ。ハッピーな感じが好きだったので、長調の音をとって、I、III、IV、V、VIII(ド、ミ、ファ、ソ、ド)を重点的につかった。

こうして仕上がったトライトーンはSoundJamに無事お嫁入り。しかしその直後にアプリはアップルに買われ開発者も何人かアップル社員となります。

やがてiTunesリリース。ジャクリンさんが驚いたことに、ディスクを焼くときの音はトゥルルンのままです。よっぽど気に入ったのでしょう、そのうちアップルはOSに新しいソフトウェアをインストールする時の音にトゥルルンを追加します。

そして2007年。なんとトゥルルンは名称も新たに「トライトーン」として初代iPhoneのデフォルトのメッセージ着信音としてデビュー。

「ワ~オ!」

「こんなことなるなんて誰が想像した?」

ジャクリンさんは、もはやかぐや姫を見上げる木こりのようにただただ目を瞠るばかりでした。-完-

全文はここ。一番下にボーナスで、ボツになった候補をまとめてアップロードしてますよ。いやーもしかして全然違う音になってたかもしれないんですね! 因みにアップル歴代起動音はここ、起動音クリエーターのお顔はこちらでご覧になれます。

[Twitter]

KELSEY CAMPBELL-DOLLAGHAN原文/satomi)