ジャンプ本誌も将来はデジタル?  ビジネス展望も聞いてみた「ジャンプLIVE」インタビュー #weeklyjump

ジャンプ本誌も将来はデジタル?  ビジネス展望も聞いてみた「ジャンプLIVE」インタビュー #weeklyjump 1

TABROIDより転載

アプリ「ジャンプLIVE」(iOS版&Android版のダウンロードはコチラ:250円)をリリースした集英社のジャンプ編集部へのインタビューの後編をお届けしましょう。

前編では、デジタルで新しいスタイルの発表の場となったジャンプLIVEに対する作家さんたちの反応やチャレンジについてお聞きしましたが(前編の記事はコチラかどうぞ)、後編ではジャンプのデジタル進出におけるビジネス的な側面について聞いてみましたよ。

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話し手は前編に引き続き、週刊少年ジャンプ副編集長の細野修平さんです。

 

本気で読みたい読者に向けて本気で作ったのが「ジャンプLIVE」

TABROID:作家さんたちの反応も興味深かったですが、続いて「ジャンプLIVEが誕生したきっかけ」について教えてください。

細野:まず、我々ジャンプ含めて集英社として「デジタルメディアのユーザーのために、きちんと本気で作ったマンガ雑誌」っていうのが正直あまりなかったんです。そこで「これは完全にデジタルの雑誌だよ」とお見せできるものを、週刊少年ジャンプの増刊号という形で作ろうじゃないかと。

TABROID:まずはユーザーありきということでしょうか。そこで狙っているターゲット層についても聞いていいですか。

細野:まず「ジャンプLIVE」では、そこまで明確に特定の年齢層や性別などをターゲットとして設定してはいません。「ジャンプBOOKストア!」を利用する10代の方々がいることもわかっていましたし、ニコニコ動画やピクシブなどを楽しんでいる人たちにもジャンプを読んでくれる読者がいるということで、そうした人たちにもしっかりと届くものを作っていこうというのが一番最初の動機ですね。

TABROID:更新されるコンテンツのボリュームに対して、今回設定した250円の有料パスという価格設定についてはどう考えていますか?

細野:実際これが適正価格なのかはわからないのですが、コンセプトとして、とにかく「本気でやろうよ」という熱意は強かったです。「紙の雑誌を作る片手間にやってます」というのではつまらないし、本気で読みたいと思っている読者の方々だって中途半端なものを見せられてもガッカリするだけですから。ここまで大ボリュームとなったのは本気で作った結果としてのものだと思っています。

ジャンプLIVEの熱気が集英社社内に飛び火! 相乗りを希望するコンテンツが殺到!?

細野:熱意ということでは社内でも結構な話題になったみたいですね「ジャンプがデジタルで面白いことやってるらしい」って。それを聞きつけた社内の他の部署からも相乗りしたいという話が次々と出てきちゃって、今ではけっこうカオスな感じになってきているんですよ(笑)。

TABROID:えっ、相乗りって!? ジャンプのコンテンツだけでも充分なボリューム感だと思いましたが?

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細野:ええ、例えば Sportiva(スポルティーバ)というスポーツ総合サイトの記事だったり、ファッション雑誌 SPUR(シュプール)の記事、そして週刊プレイボーイからもキン肉マンやマキバオーがやって来たりとか。ジャンプ読者からすると「え、なんでコレが載ってるの?」と思うようなコンテンツもどんどん出てくると思いますので楽しみにしていてください(笑)。

デジタルで快適に読んでもらうための試行錯誤は現在進行形で続けています

TABROID:ところで、デジタルにするにあたって画質についても従来の紙のときとは違った調整が必要になったと思うんですけど?

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細野:ええ。アプリの快適な動作やデータ量を考慮するとやはり画質を下げて軽量化したいのですが、iPadのレティーナ・ディスプレイなどディスプレイ性能の高い端末で見るときには、やっぱりある程度の画質がないと厳しいんです。

TABROID:ダウンロード速度と絵の綺麗さを両立するベストなバランスを見つけるのは難しそうですね。

細野:まさに今、ちょうどいいバランスを模索しているところなのですが、そのあたりは悩ましいです。しかし作家さんには「いつもの雑誌と同じくらいのレベルで作ってください」とは伝えています。

TABROID:それと、著作権保護的な観点についてですが、コピーガードのようなものは特に用意していないのですか?

細野:一応、データをアプリ外に取り出せないようにはなっていますが、スクリーンショットを撮れないようにするなどの仕組みは特に設けていません。あくまで個人的な見解ですが、適正かつ手頃な価格でコンテンツが手に入れば、違法コピーなどは自ずとなくなると思うんですよね。

日本ではまだ紙の雑誌と電子書籍が両立していく

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TABROID:ここはユーザーが聞きたいであろう質問としてズバリお聞きしますが、将来的にはジャンプ本誌もデジタルで同時配信するような予定はあるのでしょうか?

細野:日本国内では、今の所そういう予定はないですね。実は北米市場では一部の作品を翻訳して、ジャンプ発売と同時に配信しているんですけど。

TABROID:そうなんですか。それは初耳です。

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細野:ただし、本当に紙の書籍が全く売れずビジネスとして非常に厳しいアメリカと、書店があちこちにあって書籍自体の価格も比較的安い日本とでは状況が全く異なります。

TABROID:つまり、日本ではそこまで急激に電子書籍への移行は進まないのではないかと?

細野:ええ、紙メディアが今後収縮していくのであれば、デジタルなどの新しい市場を開拓していきたいとも当然思っていますが、日本市場ではそれ以上に「紙の雑誌にデジタルによって価値をプラスできる可能性」というのがまだまだたくさんあるのではないかと。

TABROID:なるほど。今日はどうもありがとうございました。


インタビューを終えて:全てデジタル化するというよりデジタルをプラスする方向性

作家さん、編集者、それぞれが様々なやり方でデジタルに挑戦を試みている様子を聞くにつれ、普段なにげなく読んでいる漫画の裏側で作り手の試行錯誤があるということを垣間見ることができたように感じました。

筆者個人的には日本でも急速に電子書籍化が進んでいくのかな...と考えていたのですが、紙にデジタルをプラスすることで生まれる新たな面白さという可能性も、たしかに見てみたいと感じた次第。

まずは8月いっぱい続くというジャンプLIVEのコンテンツ更新、無事完走してくださいねー!

インタビュー前編ではジャンプの人気作家さんたちについて聞いていますよ:

ジャンプ本誌も将来はデジタル?  ビジネス展望も聞いてみた「ジャンプLIVE」インタビュー #weeklyjump 6

・夏休みスペシャル! ジャンプ編集部インタビュー[あの作家陣のジャンプLIVE裏話編]【中の人こんにちは】

TABROID編集部:ワタナベダイスケ/元記事を読む)