ナチスとレーダーと人参と。「人参を食べると目がよくなる」の意外な起源

ナチスとレーダーと人参と。「人参を食べると目がよくなる」の意外な起源 1

よく欧米では「人参を食べると目がよくなる」と言いますが、あれはなんと戦時中、連合軍がナチスを欺くため考えたでっち上げであることが世界にんじん博物館の調べでわかりました!

人参には確かにβカロチン(ビタミンA)が豊富に含まれています。ビタミンAは別名レチノールとも呼ばれるように、レティナ(網膜)が光を見分けるのに必要な成分ですから、不足すると夜盲症になってしまう…ここまでは事実です。

しかし「ならば」とビタミンAをバリバリ貪り食ったところで視力は2.0にはならないんです。腕立て伏せを1日中やっても視力があがらないのとおんなじ。視力回復には効果ゼロなんすね。

ではなぜ「人参を食べると目がよくなる」なんて俗説が生まれたのか?

これについて世界にんじん博物館(World Carrot Museum)(はいはい、あるんです!バーチャルだけど!)学芸員のジョン・ストラーツェク(John Stolarczyk)さんはスミソニアンマガジンにこう話していますよ。

1940年の電撃戦でドイツ空軍は頻繁に夜襲を仕掛けてきた。命中しづらくするため英政府は、全市計画停電を断行した。が、イギリス空軍(RAF)がドイツの爆撃機を撃退できるようになった背景には極秘の新レーダー技術の存在もあった。

これは1939年RAFが初めて使用した要撃戦闘用レーダー(Airborne Interception=AI)で、イギリス海峡に達する前に敵の爆撃機を探知できる性能を備えていた。

だがまさかその情報は明かせない。代わりにイギリス情報局は別の理由をでっち上げた。それが「人参」だったのだ(以上、ストラーツェク氏が帝国戦争博物館記録運動資料と英国国立文書館の資料を調べて得た情報)。

1940年、RAF夜襲戦闘のエースで「キャッツ・アイズ(猫目男)」の異名をとるジョン・カニンガム(John Cunningham)は、このAIを駆使して敵機を初めて撃墜。続く戦闘で計20名を殺害し、うち19名は夜襲だった。

『Now I Know』著者ダン・ルイス(Dan Lewis)氏によると、このとき新聞各紙に成功の秘訣を問われた情報局は、カニンガムのようなパイロットは人参を死ぬほど食べているからだ、と答えたという。

というわけで、ナチスにレーダーをひた隠しにするためイギリスがシレッと広めた噓だったんですねーはい。ナチスが真に受けたかどうかは???だけども!

[Smithsonian]

MARIO AGUILAR(原文/satomi)