クアルコムのスマートウォッチ「Toq」、Galaxy Gearの対極を行く

クアルコムのスマートウォッチ「Toq」、Galaxy Gearの対極を行く 1

機能も消費電力も超ミニマル。

サムスンのGalaxy Gear発表されたその裏で、クアルコムもスマートウォッチを発表していました。そう、Snapdragonのメーカー、クアルコムが、自前で腕時計型ガジェットを作ったんです。その名も「Toq(トーク)」。Galaxy Gearと同日発表とはいえ、方向性は180度違います。

スタンドアロンで使うデバイスか、アクセサリ的かという尺度で言うと、Toqは間違いなく後者寄りです。「頑張ってる腕時計(またはPebble)」ではあっても、「腕に付けるスマートフォン」ではありません。Galaxy Gearは「できることが多いほど良い」的な思想で機能をもりもり載せているのに対し、Toqはミニマリズムを貫いています

低電力消費のハードウェア

Toqの1.5インチディスプレイは、低電力で動くMirasolパネルです。Mirasolは元々カラー電子書籍リーダー用に作られたもので、直射日光下でも見やすく、バックライトを使わずに表示できるのがポイントです。そしてToqのタッチスクリーンでは、使っていないときはスワイプ可能なエリアを画面下部のみにすることで電力消費を抑えています。他の機器との接続にはBluetoothのみが使われ、電力消費の多いWi-Fiとかモバイルデータ通信は使えません。スピーカーもマイクも、カメラもありません。でも何もないわけじゃなくて、加速度計は入ってるので、基本的な活動量計としては(理論上)使えます。

そんなミニマルさのおかげで、Toqのバッテリーライフはクアルコムいわく約2日間分あります。無限にあるわけじゃありませんが、フルカラーのタッチスクリーン搭載デバイスとしては悪くありません。さらにToqにはオフボタンがなく、つまり常時オンでありながら2日間持つってことです。これがクアルコムの言う通りなら、良いデバイスの条件である、「1日使い倒しても大丈夫」を大きく超えています。

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充電するときは、Toqはそのスタンド兼キャリングケースをワイヤレス充電器として使えます。そこにはクアルコム独自のWiPower技術が使われています。ワイヤレス充電できるのはToq本体だけじゃなく、Toqのあるモデル(上画像)に付属のBluetoothイヤフォンでも可能です。

シンプルなアクセサリとして

Wi-Fiが使えないので、Toqの機能の大半(基本的に時計以外)はAndroid 4.0以降を搭載したスマートフォンとペアリングすることで使えます。Toqに何をルーティングして表示するかは、専用のAndroidアプリで設定できます。通知トレイに入ってくるものはどれもルーティング可能です。

ただしToqでできる操作はかなり限られます。事前に書いてあったテキストメッセージを送るとか、カレンダーの予定を確認するとか、着信した電話を取るとかは可能です。でもeメール送信とかWebサーフィンは、期待しちゃダメです。インターフェースは、ひとつひとつスワイプする「カード」を中心に設計されています。それはデザインとしてはシンプルですが、Android的ではありません。

見た目はすっきり

Toqは巨大ではありません。腕時計として見れば大きい方ですが、それはスクリーンの面積を確保するためのことです。デザイン的などんくささもありません。バッテリーは裏のバックルに内蔵されていますが、それ以外のバンド部分には伸縮性があるので、巨大バングル状態にはなっていません。内部のパーツも控えめなので、ディスプレイは比較的薄さを維持しています。今はまだスマートウォッチ黎明期であることを考えると、かなりすっきりしたデザインだと思われます。

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本番はこれから

クアルコムは、今までも自社開発製品の性能のショーケースとしてモックアップを作り、ハードウェア・パートナーに配っていました。でも今回、彼らはそれより一歩先に行こうとしています。Toqによって、このゲームに参戦するあらゆるハードウェア企業に対し、スマートウォッチの可能性を示そうとしています。Toqは数量限定販売になりますが、もし本当にうまく行けば数を増やす可能性もあります。

米Gizmodo編集部では、Toqを短時間ながら使うことができました。その感覚としては、多くの第1世代のスマートウォッチ同様、マス市場向けではありません。タッチスクリーンはときどき不安定だし、見た目もやっぱり、すっきりしてるとは言っても、電卓付き腕時計の雰囲気が残っています。

でも、Pebbleに満足できなかったアーリー・アダプター向けのおもちゃとしてはアリだと思います。ただこれが、スマートウォッチの未来を変えるほどのインパクトがあるのかどうかは、まだわかりません。

Eric Limer(原文/miho)