米ヤフーが新ロゴ発表。パッとしないけど、そこがポイント

2013.09.06 20:00
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ネットにおけるロゴの意義とは。

ここ1ヵ月、ダミー新ロゴを日替わりで入れ替えてた米国ヤフーが、日付が9月5日に変わるとともに正式な新ロゴを発表しました。新ヤフーロゴは落ち着いた印象で、意外なところといえば紫の色が以前よりも青っぽくなっている点、文字のセリフ(線の末端の飾り)がなくなった点、そして3Dになって、くっきり影ができてる点でしょうか。今までよりクラシック寄りな、大人のデザインです。

ちなみに米ヤフーの旧ロゴはこちらでした。


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ヤフーのブランドに大変革を望んでいた人にとっては、この新ロゴはがっかりだったかもしれません。でももしもっと劇的に変化していたら、必要のない議論まで巻き起こしていたかもしれません。これまで、インターネットユーザーは有名なロゴの大きな変更に対して否定的(たとえばトロピカーナGAPの例があります)でした。ヤフーのマリッサ・メイヤーCEOは、広告収入が落ち込む中で利益捻出に腐心しながらも、ロゴに関してはヤフーのサービスとユーザー・エクスペリエンスを第一に考えたのでしょう。

メイヤーCEOは以前グーグル在籍中、ユーザー・エクスペリエンス部門にいました。そこでは、ブランディングよりも見た目とかコンセプトを明確にすることを重視していました。たとえばグーグルのトップページは、彼女が中心となって手がけていたのですが、非常にシンプルです。この15年間ずっとグーグルロゴ、検索バー、そしてふたつのボタンだけ。ユーザーのグーグルの使い方が変わっても、同じ構成を保ってきました。そしてある意味、新ヤフーロゴもグーグルにならおうとしているように見えます。どちらも伝統的なフォントを使い、影付きで、文字の末端がちょっとだけ鋭角になってます。

新ロゴをデザインしたのはヤフー内部のチームで、ベースとなったOptimaフォントは1950年代にヘルマン・ツァップが作ったものです。ただ、線の中央に折り目があるかのような立体的なデザインと深い影によって、素のOptimaよりもかなり奥行きを感じるものになっています。その目障りなほどの3D度合いと、色味が変わった紫とで、モバイル画面で目立たせようとしているのだろうと察します。

このロゴ自体は、タイプデザインという意味ではパッとしないのかもしれません。でも、ヤフーがパッとしないロゴに変えるということ自体、ロゴがあまり重要じゃなくなってきている現状を反映しています。たとえばフォーブスのジョナサン・セーラム・バスキン記者も、ヤフーの新ロゴキャンペーンは「ロゴがどうでもいい理由」を示している、と記事を書いています。

インターネットのない時代、ブランドロゴは極めて重要なツールで、物理的な機能を持ったインフラでした。たとえば道路を走っていてマクドナルドを探すとき、店頭でコーラを買うとき、人は記憶の中にあるそれぞれのロゴを見つけようとしていました。でもインターネットでは違います。ロゴは情報の詰まったページの素材の一部に過ぎなくて、そのページはつねに変化しています。そこで大事なのは意味のある情報、つまりブランド名そのものだけになります。

なのでヤフーにとっての新ロゴは、ヤフーの抱える問題への解決策というよりは、時代の変化を反映したものなのでしょう。ということは、ヤフーの今後を占うには、ロゴよりもサイト全体を見た方が良さそうです。

それにヤフーはこれまでも、ユーザーテストに基きつつ、でも告知はせずにロゴを微妙に変えていました。なので今回のロゴも、たとえば3Dの影とかは、いつの間にか消えているかもしれません。

最後に、新ヤフーロゴの動画です。ヨーデルは無事、残されました。



Kelsey Campbell-Dollaghan(原文/miho)

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