熱狂するライブ観客の踊りが生み出したクラウド・ミュージック「Project Bootleg」(動画あり)

この電子音楽時代に生きていると、音楽が「上手く構成されたノイズの集合体」であることを時々忘れがちですよね。巷にあふれるポップアルバムは、概してパフォーマンスではなくコンピューターのソフトウェアで制作されています。だからこそ、型破りなミュージシャンが現れると、物事は面白くなるんです。

「Project Bootleg」は、ミュージシャンのダニエル・フライターグ(Daniel Freitag)さんとハンブルグの広告制作会社Ma-Maによるコラボ作品。これは、ライブ観客に焦点を当てたパフォーマンスアートであり、踊りを媒介した音楽そのものでもあります。

このプロジェクトの仕組みを解説しましょう。

まず、空のレコードを準備します。ここには何の音楽も音も入っていません。このレコードは、ダイ・アントワード(Die Antwoord)やザ・ルーツ(The Roots)、アパラット(Apparat)、デッドマウス(Deadmau5)といったビッグ・アーティストのライブ開始前に会場のフロアへ設置されます。事前には何も告知されていない観客たち。彼らはショータイムの間、知らず知らずのうちにこのレコードの上で踊っています。こうすることで、純粋なグルーヴがレコードの表面に傷として残されていきます。

熱狂するライブ観客の踊りが生み出したクラウド・ミュージック「Project Bootleg」(動画あり) 1

この傷をレコードプレイヤーで音として読み取り、フライターグさんによってまとめられた作品が冒頭の「Project Bootleg」。まるでエクスペリメンタルとアンビエントの間のような曲が仕上がっています。一般的なポップミュージックとは少し趣の違う曲ですが、文字通り「ライブ観客の踊りや動き」によって生み出された音楽、なかなか感慨深いものがありますよね。

PSFK

ADAM CLARK ESTES(Rumi /米版