『ゼロ・グラビティ』は現実には起こり得ない。ハッブル修理の宇宙飛行士語る(動画あり)

『ゼロ・グラビティ』は現実には起こり得ない。ハッブル修理の宇宙飛行士語る(動画あり) 1

人間の心の奥深く埋もれた実在の恐怖を呼び起こさなければ、骨の髄まで恐怖が沁みる映画はつくれない、とは申しますが…

宇宙の無に取り残される恐怖を描いた傑作として批評家絶賛のアルフォンソ・キュアロン監督映画『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』は、まさにその哲学を地でいく実録…と思いきや。

あれは現実じゃ考えられない展開だぞ~と、あの状況に一番近いところまで行った人類であられる宇宙飛行士のマイケル・マッシミノ(Michael Massimino)さんがNYタイムズに話しています。

<<<<<<以下の文章には物語の核心部分が含まれています。10月4日(米国)/12月13日(日本)の劇場公開前に読みたくない方はここで回れ右しましょう>>>>>

NYタイムズが試写会に同伴しマッシミノさんは、『ゼロ・グラビティ』でジョージ・クルーニーとサンドラ・ブルック扮する主人公と同じように、あのリスキーなハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッションで宇宙に行った御方ですよ。

公式のトレーラー(動画下)がもう出てるので、あれを観ればわかるように、映画では宇宙遊泳中に何か手違いが起こって、主人公のふたりが宇宙に投げ出され…

<<<<<<再掲:以下の文章には物語の核心部分が含まれています。10月4日(米国)/12月13日(日本)の劇場公開前に読みたくない方はここで回れ右しましょう>>>>>

…絶望と恐怖で途方に暮れる中、国際宇宙ステーション(ISS)までジェットパックで戻る道に最後の望みを託します。で、ここが無理筋らしいのですね。ジェットパックだけじゃなく、スペースシャトル的にも。

これには苦い思い出があって覚えているのだけど、ハッブルと宇宙ステーションは軌道がだいぶ離れてるんだ。片方から他方に行くには膨大なエネルギーが必要で、スペースシャトルと言えども燃料補給なしで移動は無理だった。

望遠鏡は赤道付近の上空353マイル(568km)の軌道を周回してて、宇宙ステーションはそれより100マイル(160km)低く、ずっと北、ロシア上空の軌道だ。

映画ではマット・コワルスキー(Matt Kowalski:ジョージ・クルーニー)とライアン・ストーン(Ryan Stone:サンドラ・ブルック)が宇宙ステーションまでビューッと飛ぶけど、あれはさしずめカリブ海に海賊放り出したらロンドンまで泳いできました、というぐらいの話だ。

以上、リアルの宇宙飛行士の見解でした。ジュラシック・パークの昆虫学者さんといい、マッシミノさんといい、ついつい言っちゃうのがプロってものですね。でも大丈夫。映画はものすごくいいって評判なので、少々プロットに粗があってもきっと楽しめますよ!

NYTimes

ARIO AGUILAR(原文/satomi)