火災報知機が本気出すとこうなる。「Protect」は平常時もさりげなくフル稼働

火災報知機が本気出すとこうなる。「Protect」は平常時もさりげなくフル稼働 1

火災報知機に食指が動くなんて!

家にあるデバイスでもっとも軽視されがちなものといえば、火災報知機(厳密には住宅用火災警報器って言うみたいですが)じゃないでしょうか。「軽視されがちなデバイス」を挙げようとするときに、思い浮かびもしないくらいです。しかもその存在を思い出すときといえばたいていは誤作動でピーピー言ってるときで、本当に火事になったとき役立ってくれるのか、不安になるばかりです。

でもそんな状況は変わっていくかもしれません。今週、「家にある愛されない製品を、シンプルで美しく配慮に満ちたものに生まれ変わらせる」をモットーとするNest社がニュータイプの火災報知機Protectを発表しました。それは、火災以外のことにまで気を配ってくれる、まさに配慮に満ちたデバイスなんです。

まず、火災報知機がそんなに軽視されているのはなぜでしょう? Nest社の人たちが2、3週間前に米Gizmodoに来てProtectのプレビューをしてくれたとき、一般的な火災報知機のおかしいところを説明してくれました。

まず、電池不足になりかけた火災報知機は、夜中に誤作動で鳴り出すことがよくあります。経験された方もいるでしょうか? Nest社によれば、これはシンプルな設計ミスのせいです。気温が下がると電池の温度も下がり、電池不足を感知するセンサーにひっかかるんです。誤作動自体はうっとうしいだけの問題ですが、だからって電池を抜いてしまったりすると、深刻な影響を及ぼします。実際、火災による死亡事故のうち約3分の2のケースで、火災報知機の電池が抜かれているか、電池切れのままになっています。

Nest社がProtectによって解決しようとしている問題は、他にもたくさんあります。この小さなデバイスは、家庭のハブとなって、家の中に何か異常があるかないかをつねに知らせようとしてくれるんです。

物事をシンプルにするセンサー

Protectはその体にセンサーをいっぱい詰め込んでいます。一酸化炭素を感知するのはもちろんのこと、熱、光、人の動き、そして超音波までセンサーが受け取っています。これらのセンサーはただ見栄えを良くするための飾りでもなければ、ムダに家庭内ビッグデータ実験をしようとしているものでもありません。そうじゃなく、これらはProtectのユースケースの中で必要なものをちゃんと付けているんです。

たとえば、キッチンでホットサンドを焦がしてしまったとします。Protectが煙を感知すると、最初はピーピーうるさい音では鳴らず、音声で警告メッセージを伝えてくれます(声は女性の声で、それはNest社によれば、小さな子供はアラームよりも女性の声により良く反応するという研究結果があるからです)。人が他の部屋にいればモーションセンサーがそれを感知して、その場所に一番近いProtect端末に警告メッセージをWi-Fi経由でリレーします。スマートフォンアプリもあって、プッシュ通知でメッセージを送ったり、オプションで緊急電話にかけたりもします。Protectの中央にあるLEDライトのリングは、異常を知らせるために鮮やかな黄色に光ります。

で、ホットサンドを焦がしただけなら警報は必要ないので、Protectに向かって手を振ったり、プッシュ通知を消したりすれば、警告音声も消せます。でも煙が残ったままだと、警告は大きなアラーム音になり、LEDライトが赤く点滅します。危険な状況が収束すれば、Protectは音声で全てが元に戻ったと言って、LEDは緑に光ります。

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でもそれだけじゃ、他の「スマート」なアラームと大して変わりません。たとえば煙感知器のCanaryだって、プッシュ通知を送ってくれます。でもProtectが普通じゃないのは、火事も何もないときにも働いてくれることです。

たとえばProtectの電池残量が少なくなると、LEDライトが黄色になって音声メッセージとプッシュ通知が知らせてくれます。さらにたとえば夜に電気を消すと、LEDライトが緑に光って、異常なしの合図をします。Nestではこれを「夜の約束(the nightly promise)」と呼んでいます。大丈夫、安心しておやすみなさいというメッセージです。夜に起きだした場合は、モーションセンサーがそれに気付いて、LEDリングを白く光らせてトイレへの(またはもうひとつホットサンドを作るべく、キッチンへの)通り道を明るくしてくれたりもします。

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非常事態の働きも気が利いています。Protectが一酸化炭素を感知すると、Nest社製のサーモスタットにガスの大元を遮断するよう伝えて、ガス漏れからの大惨事を防ぎます。そんなこんなで、今までの火災報知機にない機能がいろいろありますが、全ては生活を面倒にするためでなく、逆にシンプルにするためのものです。

家庭版「モノのインターネット」

Protectを作ったNest社のCEOトニー・ファデル氏は、iPodiPhoneの立ち上げにも携わった人物です。そしてNest社の最初の製品は、ユーザーが家にいる時間を学習してオンオフする、スマートなサーモスタットでした。いずれも当初は誰もその必要性を感じていなかった製品でありながら、大きな成功を収めています。

でもNest社が作ろうとしているのは、「家庭版iPhone」ではありません。Protectは全く新しいジャンルのデバイスで、そこにはタッチスクリーンとか今まで使われてきたようなインターフェースがありません。Protectのインターフェースは、環境です。柔らかな光、ボイスコントロール、ジェスチャーベースのコマンドで、日常生活に溶け込んでいるんです。

Protectは今月末に米国で発売され、価格は120V版と単3電池版がどちらも129ドル(約1万2600円)です。それはNest社のサーモスタットより低価格だし、設置も簡単で、市場もはるかに大きいです。米国では、火災報知機はサーモスタットの3~4倍の台数が販売されています。全てがシナリオ通りに行けば、Protectは「モノのインターネット」を家庭で実現するデバイスになるはずです。

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Kelsey Campbell-Dollaghan(原文/miho)