ライゾマ真鍋大度さんに聞く、ライゾマ展 inspired by Perfumeの舞台裏

2013.11.02 21:00
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Perfumeのライブ演出も手掛けるクリエイター集団ライゾマティクス(以下ライゾマ)。

そのライゾマがNTT ICCにて開催した「ライゾマ展 inspired by Perfume」の舞台裏から真鍋さん自身について、真鍋大度さんにお話を伺いましたよ。以下取材をもとに再構成しています。

ライゾマ展 inspired by Perfumeの舞台裏

ライゾマ展inspired by Perfumeと銘打たれているように、Perfumeの Spring of Lifeの衣装3バージョンの展示、ホログラム映像展示、そしてカンヌ国際広告祭で銀賞を受賞した衣装と映像展示に3Dスキャンなど、 Perfumeのライブ演出に的を絞った展示が行われていました。この展示の裏側はどのようになっているのでしょうか。


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衣装はLEDが音楽に合わせて光ったり、袖やスカートが広がったりと多彩な動きを見せます。これらはサーバー1台、クライアント9台で衣装だけではなく会場の照明、楽曲再生の制御まで同期させています。通常こういった音楽を流す展示は各展示で音楽が一緒に鳴ってよく聞き取れないということがあるのですが、被らないようにきちんと配慮。


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展示はビジュアルプログラミングソフトMaxopenFrameworksですべてコントロールしており、さらにiPadでMaxが動作するソフトMiraを使って iPadからも手動で操作可能。カンヌ用衣装は中にサーボモーターが組み込まれており、折り紙のように開いたり元に戻すことができ、開いた様子はまるで蝶のよう。衣装を変形させるは小林幸子の紅白衣装でもわかるようにさほど技術的困難はないのですが、元の状態に正確に戻すのは大変で、相当数のプロトタイプを作ってようやく最終形に辿り着いたとのこと。衣装の表面はプロジェクタの映像が綺麗に映るような素材が使われています。


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ライゾマとは


ライゾマティクスとは真鍋さんが大学時代の友人と共に立ち上げた様々なバックグラウンドを持つメンバーから成り立つ株式会社。主に広告エンターテインメント、研究開発に関わる仕事が多いそうで、ホンダdots labSound of Honda - Ayrton Senna 1989 - も真鍋さんが参加したプロジェクトの一つ。

これは1989年にアイルトン・セナが予選でコースレコードを樹立したときのログデータから音と光を使って再現をしたプロジェクト。全長5.8kmのコース全周にLEDとスピーカーを配置するため、DMXコード6km分!手作りしたのだとか。

Perfumeの仕事に関わる前から社内には Perfume好きが多く、プロジェクトの打ち上げ時には


いつかPerfumeの演出をやりたい!


と盛り上がっていたとのこと。そして2010年のPerfume 東京ドーム公演の時からライブ演出等で参加。3rdツアー「JPN」演出、Perfume Global Site(ウェブサイト)、WORLD TOUR1st、2nd演出等を経て現在に至ります。最新作はアルバムLEVEL3、そして年末のドームライブ演出です。


ライゾマの凄いところ


元メーカーのエース級エンジニアなど優秀な人材が揃っているところ。例えば世界的に有名な工科大学は優秀な人材がいて技術もあるけど実装速度が遅い、ライゾマのメンバーであれば数日でできるのになあ、と感じたそうです。

その実装速度を実現するのはハッカソン、チームで集まって短期間で集中して作りあげる方式で訓練されているのだとか。真鍋さんは色々考えている暇があれば、ぱぱっとつくって、youtubeにアップしたい派だそう。それを見てくれた人の反応をみて、また新しいものに挑戦していくのです。


「真鍋大度」になるためには


カンヌ国際広告祭で見せた衣装にプロジェクションマッピングする映像は実は投影するだけではなく、30fpsでリアルタイムに画像解析を行い人の動きに合わせて映像調整を適宜行っています。この物の動きに合わせてプロジェクションマッピングする技術は世界最先端といっていいでしょう。

これを実現するために画像解析用のカメラを使うわけですが、プロジェクター用のレンズと画像解析用カメラレンズでは歪み方など光学特性が違うため複雑なキャリブレーションが必要だそう。メディアアーティストのカイルマクドナルドYCAMで行ったプロジェクトを参考にしてライゾマティクスのプログラマー比嘉了さんが実装したそうです。

これからライゾマに入りたい、真鍋氏のように活躍したいなら何を勉強した方がいいか聞いたところ、


「ずばり便利なのは数学と英語ですがチーム作りも重要な要素ですね。感性を磨くために色んなものを観たり聴いたりするのも大切です。」


とのこと。画像解析がキーテクノロジーとなっているので、そのために数学は必須だそうです。ちなみに真鍋さんが主に使っている言語はC++とのことでバリバリのプログラマーということが伺えます。


まとめ


世界的に活躍するライゾマ真鍋さんですが、その内面は普通の技術・芸術肌お兄さん。Perfumeのことが好きで、仕事も一緒にやっているのに直接3人と話す機会は少なく、遠くからそっと眺めていることが多いそうです。Perfumeのウィンドブレーカー(通称シャカシャカ)を普段使いしていたことからPerfumeファンから「シャカ兄」と慕われ、向こう側の世界の人のはずなのに、ファンと同じくPerfumeグッズをもらいにCDショップに並びに行くという謙虚なところに人柄があらわれています。


真鍋さんはとにかく休みなくよく働いていますが、働くといっても仕方なくやっている、残業しているという感は皆無で、サークル活動的、学園祭的とでも言えばいいでしょうか。仲間と一緒に集中的に、素晴らしいものを作りあげようという高い意識が感じられます。久々にとれた休みはどうするのかと聞いたところ、ラジコンボートでもやろうかなということで、このラジコンボートもインスタレーションのヒントになるそうです。


ただ最近はちょっとしたことでも「それいいね!」とすぐにプロジェクト化(仕事化)してしまうことが多いので、たまにはプロジェクトから遠いこともやりたいなあと言っていました。そうはいっても世界がほっておかないと思いますけどね。

なお、11月3日放送の「情熱大陸」に真鍋大度さんが出演されます。こちらもぜひどうぞ。

ライゾマ真鍋さんが次にどんなことで驚かせてくれるのか、今後が楽しみです!


RhizomatiksDaito Manabe

(野間恒毅)

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