360°? いいえ、360°×360°! 投げて撮るカメラが製品化(動画あり)

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いよいよ実用化!

Panonoカメラ空中に投げて撮影するボール型パノラマカメラ。36個のレンズを持つ複合カメラを内蔵しており、空中に放り投げると、頂点に達した時に自動的に360°×360°のパノラマ写真を撮影してくれます。今から約2年前に、前身である投げられるパノラマ・ボールカメラのことを知った時にもかなり感激しましたが、あの時はまだプロトタイプ(上の写真右側)の段階でした。あれから2年、パワフルさはそのままに約半分のサイズになって製品版のお目見えです。さっそく米ギズでもハンズオンしてみましたが、自信を持って言えます。これ、すごいです。

パノラマ写真の従来の撮影方法は、広角レンズを使って撮影した写真をつぎはぎするというもの。素人がこの方法でパノラマ撮影すると、大抵ぶれてしまったり歪んでしまったりしますよね。でもPanonoカメラでは、36個のカメラが全方向を同時に撮影するので、こういったブレや歪みが回避できるんです。これは内部に加速度計を設置し、ボールが頂点に来る瞬間、つまりボールが一瞬だけほぼ静止状態になるポイントを検知することにより可能になっています。この一瞬に固定焦点カメラで同時撮影しているというわけ。

ちなみに加速度計が計測しているのはボールの高さではありません。Panonoが手から離れた瞬間に正確な加速度を測定し、頂点に達するまでの時間を計算しているんです。米ギズ本社の屋上で撮影した下の画像(インタラクティブ画像なのでぐりぐりしてみてください)を見ていただければ分かる通り、かなりきれいに撮影できます。さらにGoProと同じ、ごつごつした透明の耐水プラスチックカバーで保護されているので、多少の水滴にはびくともしないはず。

また投げることが難しい場所や自分の思い通りに撮りたいときは、スティックの先に固定して撮影することも可能です。もちろん普通に手に持って撮影することもできますよ。

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72メガピクセルという高解像度の写真が撮影できるPanono。でも気になるのは、撮影した写真をどうやって見るのかというところ。スマホやプレビュー画面付きのデジカメに慣れた私達にとって、撮影した写真をすぐに確認できるというのは重要なポイントですよね。Panonoの発案者であるベルリン工科大学のヨナス・プファイルさんは、もちろんその点もきっちり考えています。Panonoで撮影された写真は自動的にPanonoの無料モバイルアプリにダウンロードされ、各デバイスからすぐに閲覧できるんです。

ここに至るまでは長い道のりでした。Panonoの原点となったのは、コンピュータエンジニアリングを専攻していたヨナスさんの修士論文。その後、1年の開発期間を経て2011年にプロトタイプを公開。シーグラフ・アジア・2011でヨナスさんのプレゼンが拍手喝采され、写真界のトッププレイヤーたちの興味を引いて、今年製品化に至りました。

元ライカカメラ最高業務執行責任者でカール・ツァイス レンズ部門責任者を務めたこともあるラルフ・カーナさんも、Panonoに協力している1人。彼はこう言っています。

Panonoは革命的と言っても言い過ぎじゃないと思う。写真に360°×360°というかつてない次元をもたらした全く新しいカメラだから。これまでとはまったく違う形で思い出を保存できるし、もちろん撮影する時の楽しさもあるしね。

重さ約300gと軽量のPanonoカメラ。2014年半ばに発送予定ですが、お値段は600ドル(約6万円)とそれほどお手軽ではありません。うむむ。ただしIndiegogo.comで事前予約すると100ドル割引されます。それでもまだ高いですけどね...。

ちなみにAndroidかiOSでPanonoの無料アプリをダウンロードすれば、Panonoを持っていなくてもサンプル画像を楽しむことができます。訳者もさっそくダウンロードして見てみましたが、すごいです! デバイスを見たい方向に動かすだけで、その方向の風景がみられて、まるでそこにいるかのような気分になります。写真の中の空が見上げられちゃうなんて。あー、欲しくなってしまう。

ASHLEY FEINBERG(米版/mana yamaguchi)