iPad Airレビュー:軽いし速い、けど買い替え必須かどうかは…

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10インチが必要かってのもあるし。

iPad Air発売から1週間ほど経って、米Gizmodoでもライマー記者がレビューしてます。個人的には2012年モデルのNexus 7を毎日使っているというライマー記者、iPad Airをどう評価したんでしょうか?

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初代iPadが登場してからまだ4年弱ですが、タブレットは僕らの生活の少なくとも一面を変えました。タブレットコンピューターはその前にもありましたが、iPadによって、我々が今「タブレット」と呼んでいるデバイスカテゴリが創り出されました。

そんな風に大きく我々の生活を変えたiPadですが、iPadそのものの形は大きく変わってきませんでした。でもiPad Airは、iPadにとって初めての大きな変化となりました。

iPad Airってどうすごいの?

iPadはその誕生以来、フルサイズタブレットの中で圧倒的なシェアを誇ってきました。もちろんNexus 10、Kindle Fire HD、Surfaceなどなど競合タブレットもありますが、鉄板タブレットとしての地位はゆるぎないものです。それが、4世代にわたってiPadがほとんど変わらずに来た背景にもあります。別に問題ないんだし、変えることないんじゃないか、と。

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10インチiPadにとって、真の競合はiPad miniも含めたミニタブレットです。7インチタブレットはより小さく、軽く、そして価格も安いんです。そこでiPad Airは、持ち運びやすさと軽さという意味で7インチ勢に対抗しようとしてるんです。

 

デザイン

これまで、iPadの強みはその機能性にあり、そこには優れたエコシステムと美しいディスプレイがありました。でも従来のiPadのデザインは、今から見るとベゼルも太いし、背面のカーブも気になります。アップルが中身の性能改善に力を入れて、外見をそのままにしてきたこの4年弱、時間とともにデザインには古さが感じられてきました。

iPad Airは、そんな長かった停滞期を破る大きな変化になりました。薄くすっきりしたサイドベゼル、シルバーの面取りなど、これまでアップルが作った中でもっとも美しいタブレットだと感じます。スクリーンもきれいです。

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よりシャープになった、でもまだ丸みの残る背面は、先代のカーブした形状よりも深く考えられているように見えます。iPad Airのボディは、単に部品が収まってればいいというのではない、美しさのために作られたもののようです。iPad Airは、今まではSurfaceくらいでしか見られなかった美しさを実現しています。

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その名前が示す通り、iPad Airは軽いです。とても、とても軽いです。ほとんどマジカルな軽さです。重量約1ポンド(469g)で先代iPadまたはSurface 2より180gほども軽く、Nexus 10と比べても130gくらい軽いんです。数字の上では大した違いに見えなくても、実際触ってみると大きな違いです。

iPad Airは、小さくもあります。ものすごく薄くて、スマートフォンみたいな薄さです。実際、iPhone 5sと比べても0.1mm薄いんです。さらにベゼルをiPad miniと同じくらいにそぎ落としたおかげで、大きいのに小さい、という状態を可能にしました。それによってiPad Airは持って、使って、眺めてうれしいものになりました。大きいのに小さい、このギャップは使う上では気にならず、気が向いたときにだけその驚きを反すうしては楽しめます。

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使ってみてどう?

でも、iPad Airは美しいだけじゃありません。デザイン自体としての完成度が高いだけじゃなく、あらゆるシナリオの中でより使いやすくなるデザインでもあります。

iPad Airを手に取るとき、「え、これしかないの?」と思います。アップル製品でこの感覚は初めてではありませんが、それでも感動してしまいます。しかもこれだけ大きなデバイスです。そしてもちろん、ただ持ってうれしいだけじゃなく、便利でもあります。

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長時間iPad Airを持っていても、それが片手であっても、これまでよりずっと持ちやすいです。片手でランドスケープモードで固定するのにはバランスを取るのが難しいですが、ベゼルをつかんでタッチスクリーンの雑誌を持つみたいに歩きまわっても、手首が疲れることはありません。

僕自身、iPad AirのKindleアプリでH・P・ラヴクラフトのアンソロジーを読みふけりながら、キッチンに行って夕食をチェックしてソファに戻るなんてことをしてました。僕はいつもNexus 7でそういう使い方をしてるんですが、フルサイズのiPad Airでそれができるのはある意味ぜいたくで、でもすごく自然にできてしまいました。意図的に試したんじゃなくて、無意識にそれをやってから気づいたくらいです。

でも屋外では、ちょっと事情が違います。iPad Airをそこそこ明るい日光の下で読むのは、明るさ設定が最大なら可能ですが、あまりお勧めはできません。

小さなベゼルをつかむのは、思ってたより簡単でした。iPad miniがそうだったように、iPad Air(iOS 7)は指が何かをクリックしようとしてるのか、単に画面に載っているだけなのかを適切に判別してくれます。Twitterチェック中とか動画視聴中に、持ち直そうとして画面部分をつかんでも動作に影響はしません。ただ、都合良くわざとエラーを起こしてくれたような、変な感覚にはなります。

ポートレートモードで親指2本でタイプするのがずっと楽になりました。サイドの余分なスペースがなくなったので、打ちやすいだけじゃなく快適でもあります。Facebookなんかもこれで楽になります。

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これだけでも十分なんですが、iPad AirのA7チップはものすごく速く、大きなスクリーンの大量のピクセルを動かしてもサクサクです。アプリは一瞬で読み込まれ、ホームスクリーンをスワイプしていくのも楽しいです。

マルチタスクのスワイプは、iOS 7のアイコンのズームでごまかされずにいると、ほんのちょっ…とだけ引っ掛かりを感じます。でもアプリが読み込まれさえすれば、その動作は夢のようです。Dead Triggerみたいなビジュアルの重いゲームでも、パフォーマンスの心配してたことを忘れるくらい滑らかな動きです。多分A7チップほどのパワーは今のところまだ必要ないんですが、このパフォーマンスの高さには贅沢感があります。

そんなサイズダウンやスピードアップにもかかわらず、バッテリーはちゃんと持っています。コンスタントに動画再生してても、10時間以上使い続けられました。それもすごいんですが、もっと現実的な場面でどうかっていうと、より頻繁にヘビーに、数日間充電しなくても使えるってことです。週末中ずっと、ライトなWebブラウジングとかYouTube動画閲覧は全部iPad Airでやってたんですが、バッテリーは45%残ってました。

軽くて薄いだけじゃなく、iPad Airにはステレオスピーカーがあり、これはフルサイズタブレットには初めてです。残念ながらステレオといってもふたつのスピーカーの間にはLightningポートがあるのみで、ステレオとしてはこれ以上ないくらい近接しています。

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従来よりも音がちょっと良くなっていますが、格段に変わったというほどじゃないです。否定するほどじゃないんですが、Kindle Fire HDXの「何この音どこから出てるの?」っていう、サラウンドライクな音には全く及びません。さらにランドスケープモードで見ていると片側からしか音が聞こえないのが残念だし、配置的に手がかぶってしまう位置なのもさらに残念です。

と、いろいろ進化してるんですが旧世代から変わらないものもあります。たとえばスクリーンは美しいですが、1年半以上前に出た第3世代から同じ、2048×1526、264PPIです。時代遅れとまでは言いませんが、かつてのようにピクセル密度におけるリーダーでもありません。新しいKindle Fire HDX 8.9みたいな安価な競合の新モデルがiPad Airのスクリーンを追い越そうとしています。でもiPadには、美しいデザインと、最強のエコシステムがあります。

エコシステムといえば、iOS 7は、…iOS 7です。古いデバイスではちょっともっさりすることがありますが、iPad Airでは全く問題ありません。新しいアイコンとかアプリ読み込みのときのズームのアニメーションとか、上スワイプで出すコントロールセンターとかに慣れていれば、iPad Airの使い心地はこれまでのiPadと全く同じように感じられるでしょう。

たしかに薄く軽くなったことで以前よりいろいろな持ち方ができるようになったとはいえ、使い方全体が変わるほどじゃありません。映画を見たり本を読んだりWebを見たりが大きな美しいスクリーンでできる、そんな使い方は同じです。ワクワクするってほどじゃないにしても、快適ではあります。

好きなところ

iPadがついに、これまでとは違う美しさを手に入れました。スクリーンは美しく、本体も持ちやすいです。iPad Airは今までよりずっと軽く、速く、小さくなりましたが、その分失ったものはほとんどありません。iPad Airはあらゆる意味で、単に今までより良くなったんです。

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iPad Airはこれまでで一番持ちやすく、使いやすいiPadです。

好きじゃないところ

iPad Airのありえないほどの薄さには、デメリットもないわけじゃありません。壊れそうとか弱々しいってことじゃないんですが、iPad Airには微妙に、今までのiPadよりも慎重に扱わなきゃいけない感覚があります。カバンにiPadを投げ込むとき、今までにないくらい不安でした。何かにぶつかったり、転んだりしたらどうしようという感覚です。

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気にし過ぎの部分もあるかもしれませんが、まったく根拠がないわけじゃありません。たとえばスピーカーの音で、iPad Airは旧iPadよりも激しく振動します。スクリーンをタップするときの音も他のタブレットとは全然違っていて、ほとんど何か空洞を叩いてるような感じがします。中身が今まで以上にぎっしり詰まっていることを考えると空洞っぽいのはおかしいんですが、とにかくその感覚はちょっと不安です。

iPad Airに関して最良の瞬間は「こんな薄いタブレットのどこに必要なものが全部入ってるの?」ってときですが、ある意味最悪なのは「あ、これやっとのことでできたのね…」って感じがするときです。

買うべき?

10インチタブレットを買うことが決まってて、iOSベースのものが良いのであれば、イエスです。iPad Airはアップルの中でも、市場全体でも最良の10インチタブレットです。価格は499ドル(国内5万1800円)からと割高ですが、その価値はあります。

ただ問題は、ここが大事ですが、10インチが必要かどうかってことです。RetinaになったiPad miniは100ドル(約1万円)も安くて、他のスペックは同等です。スクリーンは小さくなりますが、いろんな意味でその方が都合がよくもあります。つまり、より安くなって、さらなるメリットもあるんです。さらにAndroidでもいいなら、Nexus 7とかKindle Fire HDXといった安価な選択肢もあります。

それから、すでにiPad 4、またはiPad 3でも、持っている人は急いでアップグレードする必要はありません。iPad Airのスリムさやスピードは素晴らしいですが、どちらも買い替えなきゃいけないほどの違いじゃありません。

iPad Airには、驚くべきテクノロジーがあります。薄くて軽くて、同サイズのタブレットの中では最良です。そして、iPadは中身以外も改善できることを示しました。ただ、今はアップル自身にも他のプラットフォームにも、これ以上ないほど多くの選択肢があって、そのほとんどがより安くて小さくて、スピードも変わらないんです。

・iPad Air スペック

OS:iOS 7

CPU:A7プロセッサ

スクリーン:9.7インチ 2048×1526、264PPI

RAM:1GB

ストレージ:16/32/64/128GB

カメラ:前面120万画素 720p HD、背面500万画素

バッテリー:8827mAh

価格:国内5万1800円~


Eric Limer(原文/miho)