Nexus 5レビュー:この価格でベストAndroidスマートフォンなんて、アリ?(動画あり)

2013.11.06 23:00
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数々のリーク情報で期待をあおってくれたNexus 5が、Android 4.4 KitKatを引っさげて登場しました。米Gizmodoのローズ記者がさっそくレビューしてますので、見てみましょう!


Nexus 5って?

新しい、Nexusです。グーグル発・LG製のスマートフォンで、Androidの最新バージョン、Android 4.4 KitKatのショーケースでもあります。

5インチ1080p、441PPIのIPS Plusスクリーンを搭載、クアルコムの最新フラッグシップ、クアッドコア2.3GHzのSnapdragon 800と、2GBのRAM、2300mAhのバッテリーを積んでいます。背面カメラは800万画素。そして先代のNexus 4と違い、裏技を使わなくてもLTEに対応しています。

多分もっともすごい点は、アンロック版の端末を350ドル(国内3万9800円)、400ドル(国内4万4800円)というリーズナブルな価格で買えるってことでしょう。米国では大手キャリアもほとんど取り扱っていて、契約条件付きならもっと安く、150ドル(約1万5000円)くらいから買えます。


どこがすごいの?


Nexus 5は、「Androidフォンはかくあるべし」というグーグルのピュアな理想を体現したものです。先代のNexus 4も、市場全体で見てもベストフォンのひとつでした。

Nexusのもっとの重要な機能は、素のAndroidを体験できるってことです。サムスンやLGといったメーカーの端末はどうしても各社独自のスキンに邪魔されて、ほぼ必ず素のAndroidよりもデグレードされています。独自スキン使ってても問題ない場合もありますが、独自スキンのせいで発狂しそうになる場合もあります。

大事なのはソフトウェアだけじゃありません。Nexusのハードウェアは、少なくとも考え方としては、グーグルのプラットフォームのすごさをフルに示すべく設計されています。去年発売のNexus 4と同様、グーグルはLGにそのAndroid KitKatの魂にふさわしい体を作らせました。グーグルがソフト・ハード両面を完全にコントロールできる端末という意味で、それはAndroidエコシステムにおけるiPhone的な存在です。

さらにNexusのプログラムは携帯キャリアのコントロール外にあるものなので、OSがアップデートするときも通常の端末よりずっと先に入手できます。
 


デザイン


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外見的には、Nexus 5には特筆すべきことがありません。それ自体別に悪いことじゃないんですが、何も目立つ特徴がないってことです。若干丸みを帯びた直方体で、大体はGalaxy S4に似ています。寸法もGalaxy S4が136.6mm x 69.8mm x 7.9mmに対しNexus 5が137.84mm x 69.17mm x 8.59mmと非常に近いです。

背面はプラスティックで、滑らかさとグリップ感の良さのバランスが取れています。物理ボタンは電源ボタンとボリュームロッカーのみで、どちらも十分見やすく、押したときのクリック感も十分です。

デザインで唯一特徴的なものといえば、大きなカメラレンズで、これは新たに内蔵した光学手ブレ補正機能のために必要なものです。それから、大きく明るいIPS Plusディスプレイは直射日光下でもシャープでとても明るいです。AMOLEDディスプレイと比べると、白にちょっとだけ赤みが見えます(AMOLEDの方はちょっと緑っぽくなりがちなんですが)。

ただ黒に関しては、AMOLEDにかなうIPSディスプレイはありません。Nexus 5もそれなりに評価できる非常に暗いグレーでしたが、AMOLEDの真空みたいな黒さには及びませんでした。

バッテリーの取り外しやメモリ拡張はできず、赤外線発信機能もありません。でもワイヤレス充電は可能で、実際とても便利です。


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左から右へ、Moto X、Nexus 5、HTC One、Galaxy S4です。


使ってみてどう?


Nexus 5は高速です。多分速いとは思ってましたが、本当に今まで使った中で最速のAndroidフォンです。速い速いと言われるHTC Oneをも若干ながら上回っています。ただ、Snapdragon 800で素のAndroid動かしたら速すぎてもう逆タイムトラベルしちゃうんじゃないかって妄想は…そこまでじゃありません。でもとにかく今まで見た中で、一番それに近いです。

でも、スピードは常にはっきり感じられるわけじゃありません。というのは、実際電話を普段使うときって、そんなに性能が必要なことをしてないからです。なので、米Gizでミッドレンジの佳作と絶賛しているMoto XとNexus 5でDead Trigger 2みたいな重いアプリを開く競争しても、1.25秒くらいの差しかありません。モバイル用ゲームとか動画編集アプリが進化して今よりもっと馬力を必要とするようにならない限り、処理の速さはちょっとしたオマケみたいなもので、人生が変わるほどのインパクトはありません。でも、今最速であれば、ちょっと先になっても他の新しい端末と互角でありえることはある程度期待できます。

Nexus 5はサイズの割に軽く感じられ、LGによるビルドのクオリティも高いです。全体的にしっかりした感覚があり、傷にも耐性があります。ただ、すげえええ!ってなる要素もありません。たとえばHTC Oneならあの美しくもしっかりとした感触、Moto Xなら4.7インチなのに小さ!っていう驚き、そんな瞬間があったんですが、そういうのはNexus 5にはありません。普通に快適だけど、うわ気持ちいいこれ!っていう何かが足りない、そんな感じです。

まだ数日しか使ってませんが、バッテリーライフはこれまでのところ安定してます。Droid Maxxにはもちろん及びませんが、かなりヘビーに使っていても、午前1時に15%残っているのが普通でした。受信感度も(ロサンゼルス周辺でのテストでは)良好、通話品質もこちら側、相手側両方でしっかりしてました。


Android 4.4 KitKat


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Android 4.4 KitKatがAndroidのベストバージョンかっていえば、もちろんそうです。でも、Android 4.3とか4.2との違いにすぐ気づけるかっていうと、そんなことはなさそうです。Androidにとっては、Jelly Bean(Android 4.1~4.3)が大きな飛躍の段階で、そこで動作が早くスムースに、洗練されたんです。

Android 4.4 KitKatは、4.2から4.3への成長ほど大きくは感じられず、ほとんどJelly Beanって名乗ってもよさそうに感じます。でも察するにグーグル的には、もうJelly Beanにしてから1年以上経ってるから名前変えとこうかってことなんじゃないでしょうか。Android 5.0にならなかったのは当然だと思われます。

とはいえ、改善された点はいろいろあり、それはウェルカムです。特に大きいのは、通話アプリがぐっと使いやすくなったことです。今まではAndroidの素の通話アプリがあまりにイマイチなので、この点だけはサードパーティのスキンがむしろいいやって思えたところです。今回のアップデートで、連絡先の名前をダイヤルパッドに入力すればショートカットしてくれるようになりました。


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それほど良くなかったのは、名前で「近くの場所を探す」機能でした。たとえば、Ralph'sっていうスーパーを探してたとき、2~4マイル(約3.2~6.4km)先にあるものが3つ選択肢に出てきたんですが、半マイル(約800m)の距離にある店舗は全く出てきませんでした。米国西海岸にいるのに、東海岸のコネチカットにワッフルを食べに行けと言われたこともありました。そんな感じです。

メッセージアプリも大きく刷新されました。というか、グーグルのチャットアプリ、Hangoutsに吸収された形です。SMSもIMも、この同じアプリ内でやるようになってます。連絡先を会話の中に入れると、アプリがその相手にSMSできるかチャットできるか、両方可能かを教えてくれます。オンラインかどうかもわかります。アプリ内で現在位置を共有するのもとても簡単になりました。

でも、まだまだな点もたくさんあります。たとえば、Google Voiceとは全然連携してません。さらにUI全体もちょっとわかりにくく、ごちゃごちゃしていて、うっかり会話をアーカイブしてしまったりします。そして、誰が実際オンラインでチャットできるのかとか、電話はオンだけど実は寝てるのかとかがよくわかりません。


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それから、Google NowがOSの中により深く組み込まれました。デスクトップに専用パネルができたので、そこに行けば使えます。アプリドロワーからスライドする方がよりシンプルではありますが、多分たいていの人はこの機能に気付いてなかったんじゃないでしょうか。このパネルによって、もっと多くの人にその存在がわかりやすくなるはずです。デスクトップ(または検索アプリ)のどこからでも「OK、グーグル」って言うだけで音声検索やコマンドを立ち上げられて、あとはしてほしいことを言うだけです。ただ、Moto Xだとどんなアプリからでも、スクリーンがオフのときにも「OK Google Now」って言えるので、その方がさらに便利ですね。

Quickofficeは、便利だけどちょっと謎のアプリです。Google Driveとか他のクラウドストレージサービスでファイルを開いたり保存したりするときに使えて、Word文書とかPDFとかを扱うのに便利です。ただ、Google Driveに入ってるものがGoogle製品で作ったものだと、それほど便利じゃありません。

グーグルは携帯キャリアを待つのをやめて、ウォレットアプリをOSにより深く統合しました。プロセスもちょっと整理されて、Googleアカウントにひも付いたクレジットカードを持っていれば、大体使えます。最近米国でもGoogleウォレットが使えるお店が増えつつあり、お財布を忘れたときとか、カバンから出すのが面倒なとき、スマートフォンで簡単に支払いができます。

さらにマルチタスキングが速くなったり、メモリの使い方が改善したりもしています。読書とか動画閲覧のときにはオンスクリーンのコントロールをなくす「没入モード(immersive mode)」ってのがあって、スクリーンをいっぱいに使えます。電話を歩数計として使うこともでき、しかも省電力で可能です。クラウドプリンティングのサポートもビルトインされてます。そしてもちろんOS全体のリソース消費も押さえられていて、ローエンドなハードウェアでも大丈夫です。ただ、全体的にはまだ荒削りなところがあります。


カメラ


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正直、Nexus 4もGalaxy Nexusも、カメラはイマイチでした。でもNexus 5に関しては、もう大丈夫です。LGのG2は1300万画素なのに、Nexus 5は800万画素…ってがっかりしたんですが、その分ソフトウェアで埋め合わせされてます。

通常の撮影モードではカメラは速いんですが、撮れる写真は残念です。でもAndroid KitKatの新しいHDR+モードを使うと、全てが変わります。ダイナミックレンジになって白飛び、黒つぶれがなくなるだけじゃなく、色が豊かになってディテールがよりきれいに撮れるんです。普通、HDR撮影するとぼけやすくなるので、ディテールが撮れるのは驚きなんですが、論より証拠、実際の写真を見てください。


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HDR+で撮った画像は、ライティングや距離に関係なくほぼあらゆる場面でHDR+オフの画像より良くなっていました。Galaxy S4(素のAndroid 4.3搭載のもの)とも詳細に比較してみたんですが、予想以上に近いクオリティでした。比較した写真はこちらにあります。

もうひとつNexus 5のカメラでアピールされてるポイントは光学手ブレ補正です。実際下の動画でわかるように、効果てきめんです。3端末で同じ動画3本ずつ、同じように構えて撮りましたが、特に最初のアリの動画なんてNexus 5だけが三脚に載ってるみたいです。



そしてご覧の通り、動画クオリティも素晴らしいです。ノキアのLumia 1020ほどじゃないかもしれませんが、スマートフォンカメラの基準においては十分じゃないでしょうか。

カメラに関して若干残念だったのは、暗いところで撮ったときです。ひどいってほどじゃないんですが、あんまり良いとも思えない撮れ方で、焦点を合わせるのが大変でした。カメラアプリもAndroid 4.3のときよりフォーカスとかメニュー表示が遅くなってました。プロセッサの能力を考えると、これは謎のレベルです。あとは、1080pで60FPS、または720pで120FPSのスーパースローモーションなんかがあっても良かったかなと思います。


好きなところ


スクリーンは直射日光下でもすごく明るく、きれいです。動作も速いです。ソフトウェアはグーグルの最新・最良のもので、今後のアップデートも早くもらえるはずです。Google Nowとの連携が深まってるのも良いし、モバイル決済とか、通話アプリの改善もありました。カメラは静止画・動画ともに良いものが撮れました。そしてなんといっても、アンロック版の端末としては価格が本当に手ごろです。


好きじゃないところ


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Nexus 5に関して、本当に残念なところはただ1点、スピーカーです。上の画像を見るとステレオのように見えるかもしれませんが、違うんです。左のグリルだけがスピーカーで、右のグリルはマイクなんです。全然クリアじゃないわけじゃないんですが、音がとにかく小さいんです。電話からほんのちょっと離れてるとき、またはポケットに入ってるときにも、着信とかメッセージに気づかないことがときどきありました。

それからスピーカーの配置が、ゲームをプレイしているとふさがずにはいられないようになってます。ランドスケープモードで動画を見るときも同じで、しかもグリルをふさいでしまうと、音は完全に聞こえなくなります。

それ以外は、ほとんどAndroid KitKatの問題です。たとえばGoogle VoiceとHangoutsの統合は、もういい加減してもいいと思います。それから、ギャラリーアプリと写真アプリが分かれてることとか。何か場所を探すと、Google Nowが遠くの場所の結果ばかり返すことも、なんでかなと思います。

ハードウェアに関しては、バッテリーがもっと大きくてもよかったと思います。


買うべき?


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多分、イエスです。素晴らしい端末だし、これから先しばらくは性能で追い越される心配も少ないし、OSアップデートもいち早く受け取れるはずです。さらに、契約縛りなしで350ドル(国内3万9800円)は、このクラスのスマートフォンでは破格です。

ただ、これがAndroidスマートフォンの中で一番すごいのかっていうと、それは答えにくいです。というのは、決して超ハイエンドじゃないMoto Xと比べてしまうんです。あの720pスクリーンにデュアルコア1.7GHzのMoto Xが、最新のNexus 5を脅かしてます。

形状もさることながら、タッチレスコントロールやアクティブディスプレイといった機能に未来感があり、実際Nexus 5を使っている間、そういった機能を使えないのが寂しいくらいでした。それにMoto XもOSの他の部分は素のAndroidにごく近いし、あとは本体のカスタマイズだってできるし…。でも先々必要な性能がそこまでないこととか、アップデートのタイミングが多分Nexusより遅くなることとか、契約縛りなしでカスタマイズすると価格が480ドル(約4万7000円)だとか、比べると問題点もあります。

そんなわけでMoto Xより良いかどうかってことは置いておくと、Nexus 5はHTC Oneより、Galaxy S4より、Droid Maxxよりもオススメできる端末です。特にスペックを求める人、Android純正を求める人なら、もう絶対これしかない!ってスマートフォンです。


・Nexus 5 スペック
OS:Android 4.4 KitKat
CPU:2.3GHz クアッドコア Snapdragon 800
スクリーン:4.95インチ 1920 x 1080 IPS液晶(445PPI)
RAM:2GB
ストレージ:16GBまたは32GB
カメラ:背面800万画素・前面130万画素
バッテリー:2300mAh
寸法:137.84mm x 69.17mm x 8.59mm
重量:130g
価格:アンロック版 16GB 3万9800円、32GB 4万4800円


Google

Brent Rose(原文/miho)

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