アップルの下請・フレクストロニクスへの職業あっせんがひどすぎる

アップルの下請・フレクストロニクスへの職業あっせんがひどすぎる 1

職紹介で年収相当の手数料ぼったくり、などなど。

Bloomberg Businessweekが、アップルの下請企業・フレクストロニクスにおける職業あっせんの理不尽な実態を詳細にレポートしています。フレクストロニクスのマレーシア工場の人員を集めるために職業あっせん業者が使われたのですが、その業者の取る手数料はあまりに法外なものでした。また彼らは、あっせんを受けて国外から来た人たちのパスポートを取り上げたり、受注停止を理由に解雇したり、それでも母国に帰らせるわけでもなく、食料もなしで従業員寮に放置、事実上軟禁したり…と、人を人とも思わない扱いをしていたことがわかりました。

フレクストロニクスはあまり知られてないかもしれませんが、アップルの下請けとしても、労働環境がとんでもない会社としても有名なフォックスコンに次いで世界2位のEMS企業(電子機器の受託生産をする会社)です。フレクストロニクスはiPhone 5のカメラパーツ製造を受託したのですが、そのためにマレーシアの工場では何が起きたのか、Bloomberg Businessweekが伝えています。

マレーシアでは昨年24社・28工場がアップルの生産ラインとなっていたが、そうした工場での人員を確保するため、以下のようなことが普通に行われている。工場を所有する企業はまず、数千人のリクルーターに打診するが、その多くは非公式で違法な業者だ。リクルーターの多くは、たいていはさらにサブリクルーターを雇いつつ、インドネシアやカンボジア、ミャンマーやネパールのヒマラヤ山地といった貧困地域や農村地域に出向いて行く。工場の仕事には非常に人気があるので、彼らは単に職業を紹介するだけではなく、その職業を売るのだ。彼らは応募者の家族から、給与1年分相当またはそれ以上の手数料を徴収する。その手数料の支払いのために借金が必要になることはざらで、その返済には何年もかかる。

その後フレクストロニクスの生産品に不良品が多いため、アップルからの発注が止まり、従業員には給与が支払われなくなりました。それでも国外から来た人たちは母国に返されもせず、パスポートも取り上げられたままビザの期限も切れて、不法移民状態になってしまいました。警察に見つかるのを恐れて外出もできなくなり、お金もない、食べ物もない状態で2ヵ月以上も寮に取り残されることになったんです。でも最終的には小規模な暴動のようになり、マレーシアの警察が踏み込んだことで、ようやくみんなが故郷に帰れることになりました。

フレクトロニクスとアップルは、就職の際に手数料を払った従業員にその分を払い戻し、今後同様の不当な事態が起こらないようルールを厳格化する、と言っています。またアップルは、こうした下請企業の労働条件を改善するための努力を積極的に続けています。

でもアップルは、フレクストロニクスの顧客のひとつに過ぎません。マイクロソフトにレノボ、ヒューレット・パッカード、シスコ、自動車メーカーのフォードなどなど、たくさんの企業がフレクストロニクスと取引しています。「アップルの下請け」ということで劣悪な労働環境が注目されるケースが多いですが、こんな例はまだまだ氷山の一角なのでしょうね…。

ガジェットメーカーとかそのサプライチェーンは、ビジネスとしてはまだ比較的新しいものです。みんなが望む製品を、みんなが望むような価格で作ること、製造に関わる人を人としてまともに扱いながらそれを実現することは、この業界にとって最大のチャレンジのひとつなのかもしれません。

Bloomberg Businessweek via AppleInsider

Robert Sorokanich(原文/miho)