自然治癒する電池! 未来のリチウムイオン電池は取り替え不要になるかも。

2013.11.20 21:00
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まるで生きているみたい。

繰り返し充電して使用できるリチウムイオン電池。携帯電話やノートパソコンなどのバッテリーに使用されていますよね。このリチウムイオン電池の弱点は、充放電サイクルが多くなればなるほど、負極が電子を保持する効率が下がっていくこと。これは今後ますますモバイル化が進んで行くにあたり、是非とも改善が望まれる点です。そこで、スタンフォード大学の研究者たちが開発したのは、なんと自然治癒力を持つ電池! 電池が自然治癒力を持つって一体どういうことなんでしょう?

これまで何年にも渡り、多くの研究者たちが、リチウムイオン電池の重量を削減しつつエネルギー密度を向上することに取り組んできました。その結果はさまざまですが、最も将来性がありそうなのは、負極にシリコンを使うというもの。これにより混合酸化物を使用した現在の電極と比べて、貯められる電子の量が大幅に向上します。ただ、シリコンは電子で満たすと物理的に最大300%まで膨張し、電子が放出されると収縮するという性質があります。このため数回の放充電サイクルで材質にヒビが入ったり裂けたりしてしまいます。

そこで登場するのが、スタンフォード大学のチャオ・ワンさんと北京の清華大学のフイ・ウーさんにより開発されたポリマー。このポリマーは、ヒビが入らないわけではありません。むしろすぐにヒビが入ります。ただヒビが入ると自己修復するのです。開発チームは、意図的にポリマー内の一部の結合を弱め、簡単に壊れるようにしています。こうすることでポリマーにはたやすくヒビが入りますが、その部分は化学作用でお互いを引き寄せ合うので、すぐ修復できるという仕組みだそう。


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スタンフォード大学教授のジェナン・バオさんによると「あらゆるヒビを数時間以内に修復する自然治癒ポリマーでシリコン電極をコーティングすると、電極が10倍長持ちすることが分かりました」とのこと。今回のポリマー、そもそもバオさんの研究室で研究されているロボット用電気スキンのために開発されたものだそう。

「自然治癒力は生存および動物や植物の長い寿命にとって非常に重要なもの」とNature Chemistry誌の第19号でワン氏は語っています。「この特性をリチウムイオン電池に応用し、電池の寿命を延ばしたいと考えています」

開発中の電極が壊れることなく動作する充放電サイクルは、現時点では100サイクル程度。開発チームは、今後、携帯電話で500サイクル、電気自動車で3000サイクル程度を実現したいと考えているそうです。

バッテリーの寿命が延びるのはうれしいですよね。今後に期待大です。


Stanford University

ANDREW TARANTOLA(米版/mana yamaguchi)

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