医療用3Dプリンターのテクノロジーのいま、どうやって目や骨や血管をプリントしているの?(動画あり)

2013.12.05 23:00
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ラピッド・プロトタイピングの夜明け。

3Dプリンターがさらに進化すれば、製造業はもちろん、一家に一台3Dプリンターが置かれるようなことになって消費者革命が起こる…なんて言われていますが、現在そこまででは無い。でも医療分野での躍進がすごい。

コンピューターでマシンを制御して、オーガニックインクと強度の高い熱可塑性物質を利用し、生体物質を組み集める「バイオプリンティング」分野の研究やプロジェクトの例はどれも驚くものばかりです。

幹細胞から新しい骨に成長させる「土台」をプリンティングし、頭蓋骨の主要な部分を復元するなんてこともできるのですね…。ということで、医療分野での3Dプリンター活用研究最新例の一部を紹介していきます! 


頭蓋骨


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「Osteofab」は、イギリスの「Oxford Performance Materials」という会社の製品です。同社は、医療用インプラント(ポリエーテルケトンケトンと呼ばれる熱可塑性物質)で利用される、高性能ポリマーを販売するビジネスをしていますが、過去数年で主に添加剤の製造を通して、原料の適用について開拓しています。

2月にアメリカ人男性患者が、アメリカ食品医薬品局が承認済の、彼のユニークな頭蓋骨の形状に75%フィットするよう慎重にモデリングし、3Dプリントして作られた頭蓋骨のパッチを受け取りました。

Osteofab


皮膚


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新しい皮膚を「プリンティング」するという発想の大きな問題として、人それぞれ異なる皮膚のトーン、明るさを再現するのがかなり困難である…ということです。なぜなら我々の肌はとてもユニーク、薄くて変わりやすく、完璧なレプリカを生成するのがとても難しいようですね。様々な研究で興味深い議論が成されていますが、ハイライトは2つ。

ウェイクフォレスト大学で研究しているJames Yoo氏は、火傷の患者の肌に直接プリントできるマシンを国防総省の資金助成を受けながら研究しています。

一方リバプール大学では、慎重にキャリブレーションできる3Dスキャナーを用いて、各被験者の肌のサンプルを取得し、より正確なパッチをプリントできる、という研究を進めています。この研究チームの計画は取得したサンプルから「スキンデータベース」を作ることです。

GizmodoPhysOrg
 

 

鼻や耳


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現在プラスチックで目、鼻、顎を作るのは、大体の場合において痛みを伴い、高価で、そして患者も医者も双方にとって困難な時間を耐えないといけません。

イギリスのデザイナー、トム・フリップ氏はここ数年、シェフィールド大学の研究者とコラボレーションをしながら、顔用プラスチックをより簡単に、安価に3Dプリントできる方法を模索しています。

プロセスとしては、患者の顔を3Dスキャンし、リプレイスするパーツをモデリングし、顔料、スターチ、および医療レベルのシリコンを使用してプリンティングします。また、プリンティングした顔の部品が摩耗したら、安価に再プリンティングできるらしいですよ。


The Guardian


眼球


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つい先日、前述のフリップ氏とシェフィールド大学チームは、同じプロセスで眼球を作るというテストの結果を公表しました。これまでは、プラスチックで眼球をつくるにも、手で着色するなど、完成するまで数ヶ月かかる上に当然お金もかかります。

フリップ氏のプリンターは、1時間で150の目を出力します。例えば眼球の虹彩の色、サイズ、血管などのディテールを、患者の要望に応じてそれぞれ簡単にカスタマイズできるというものです。


PhysOrg


医療用インプラント


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ドローンや医療インプラントのような電子機器はどんどん小型化していますが、研究者はそれらにふさわしい、小さくても充分に電源を供給できるようなバッテリーを製造するのに頭を抱えています。

そこでハーバード大学のエンジニアチームは、砂と同じくらい小さい超小型なバッテリーを3Dプリンティングしたそうです。

研究チームは、リチウム化合物からなるナノ粒子のインクを層状に重ねて、バッテリーの電極を印刷した。絞り出されるインクの幅は、髪の毛よりも細い30マイクロメートル。インクを16層ほど重ねて、2本の櫛が組み合わさった形をした電極が作られる。できあがった電極の各辺は1mm以下、重量も100マイクログラム以下に収まっている。こうした作られた電極を、小型のプラスチック容器に入れて電解液を満たすと、リチウムイオンバッテリーとして動作することが確認された。

最終的に医療用インプラントに電気を供給できたそうです。


HarvardTELESCOPE Magazine



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3Dプリンティングのインプラント、例えば下あごの骨はここ数年間研究されています。しかしながら、実際の骨に置き換えるという実験をしているのは一握りの研究者のみ。

ノッティンガム大学で研究しているKevin Shakeshaff氏は、成体幹細胞をコーティングするポリ乳酸とゼラチン状のアルギン酸塩を生成するバイオプリンターを開発しました。Forbesによれば、骨組みを分解し、およそ3カ月以内に新しい骨の成長に置き換えられるものだそうです。


Forbes


血管と細胞


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恐らく内臓をプリントすることはできますが、これらの製造された生理組織の問題のひとつとして、適合して機能する循環系が作れるかどうかです。

ドイツのフラウンホーファー研究機構のGünter Tovar氏は、合成ポリマーおよび生体分子の混合物を使用して3Dプリントされた血管をつくる「BioRap」というプロジェクトを指揮しています。このプリントされたシステムは、現在動物実験中で、人体実験はまだ行っていませんが、いずれ臓器移植も3Dプリンターで実現する予定だそうです。


Fraunhofer Institute


mayumine(KELSEY CAMPBELL-DOLLAGHAN/米版

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