米国版『100000年後の安全』は急成長ビジネス…低レベル放射性廃棄物処理を担う唯一の企業

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テキサスの僻地の空間を、1立法メートル3750万円で売る方法。

まず、大きな穴を掘ります。そしてその穴を粘土とコンクリート、鉄、プラスチックで補強します。そこに放射性廃棄物を詰め込んで、さらに深さ40フィート(約12m)ほどのコンクリートで埋めます。そんな放射性廃棄物処理場が、1立法フィート(約0.028立法メートル)あたり1万ドル(約105万円)の値をつけることもあります。1立法メートル換算で3750万円です。この放射性の金脈を掘り当てたのは、テキサスのとある企業です。

低レベル放射性物質の処理は、米国だけで300億ドル(約3.1兆円)の産業となっています。その対象は、急速に老化しつつある原子力発電所から来る放射能汚染された部品や、放射性関連の医療廃棄物といったものです。そしてこの産業は、テキサスにある「Waste Control Specialists」(以下WCS)という会社が独占しています。彼らは放射性レベルによっては、追加料金をチャージしたりもしています。

ニューヨーク・タイムズのマシュー・ウォルド記者は、あるピットを「米国でもっとも価値の高い地面の穴」と言います。その記事では、穴の掘削や保護、そして国中の企業から集まってくる汚染物質の詰まった箱を穴に埋め込むプロセスについて書いています。

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WCSはそのWebサイトで、自社設備について次のように説明しています。

厚さ1200フィート(約366m)の赤色岩層の土地にあるWaste Control Specialists(WCS)は、この天然の防御と、独自設計の7フィート(約2m)厚の鉄とコンクリートを敷いたシステムを組み合わせ、放射性廃棄物の安全で恒久的な廃棄を推進しています。この種の施設としては世界で最も頑強であり、米国の民間・公共の放射性廃棄物生産者に対する長期的ソリューションとなります。

放射性廃棄物の捨て場所をいち民間企業がコントロールしていて大丈夫なのか、ちょっと気になります。これについては専門家の意見も分かれていて、ある人たちは彼らの技術の方が政府の古い技術よりはるかに進んでいると言います。でも別の人たちは、民間企業がこんな風に危険性の高い物質の置き場所とかその保護方法を決めてしまっているのはきわめて問題だとしています。でも米国内に今ある廃棄方法としては、これがベストとしか言えないようです。

折しも『100000年後の安全』が2月10日まで無料配信されてます。原子力って、発電所の安全性だけじゃなく、あらゆる面で危うさがありますね…。

※当初『100000年後の安全』のリンクを公式HPにしておりましたが、配信ページ(特設サイト)に変更いたしました。

The New York Times、Image:Waste Control Specialists]

Kelsey Campbell-Dollaghan(原文/miho)