人間は車の奴隷。世界史上最悪の渋滞ワースト5

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毎日渋滞ご苦労様です…

アメリカではニュージャージー州知事の側近が政敵いじめで交通量世界一のジョージ・ワシントン橋の車線を「調査」名目で昨秋4日間に渡って閉鎖していたことがわかって大問題になってますよね。

新学期早々スクールバスが橋で立ち往生し、救急車の到着が遅れて94歳のおばあちゃんが死亡4歳女児の行方不明の捜索にも遅れが生じました。

自然渋滞ならいざ知らず「報復渋滞」なんてドライバーが知ったら暴動モノだよなぁ…と思ったら、上には上がいるようで…世界史上最悪の渋滞記録から5つピックしてみましたよ。

因みに米旅行産業協会が昨夏まとめた調査報告によれば、今のペースで渋滞悪化が続けば全米主要高速道は20年後には毎日がレイバーデイの帰省ラッシュ状態となり、それで20万人以上の人が職を失うのだとか…。アメリカ人の車好きの先には東から西まで「車の海」の未来が待っているようです。

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Image: 米旅行産業協会

怒鳴ったり割り込んだりのイライラ運転も怖いけど、都市部と近郊の暮らしがこれだけ道路に依存していること自体、空恐ろしいものが。クリス・クリスティ知事の橋のスキャンダルでも明らかなように、高速道は時として人と人を結ぶライフラインの機能も担うわけですが、渋滞で詰まるとその役割も満足に果たせなくなってしまいます…あー考えるだけで息が詰まる!


サンパウロ、ブラジル—2013年11月


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午後6時の市内。「129km渋滞」のサインが日常。Mariordo Mario Roberto Duran Ortiz/Leticia Ferreira/Wikimedia Commons


世界一渋滞がひどい都市」と言われるサンパウロ。わけても過去最悪だったのは昨年11月の渋滞で、ノロノロ運転はなななんと309km以上にも及びました。東京から名古屋まで車でビッシリという状態。金曜夕方ともなると160km越えの渋滞は日常なのですが、この時は連休前の木曜に渋滞が集中しました。

サンパウロ市民にとって渋滞はもはやカルチャーです。カリカリしても始まらないので車の中で本を広げ、ひげを剃り、メイクを直し、映画鑑賞。渋滞中に未来の夫に出会った女性なんてのもいます。「私はマイカーで友だちと一緒、彼も友だちの車に乗ってました。発進・停止を繰り返すノロノロ運転を続けてたら隣になって、彼、私の方をジッと見てきたんです」とBBCに語るファビアナ・クレスポさん。未来の夫は窓越しにヒューヒュー言って電話番号をゲットし、電話から交際に発展して結婚、今では2人の子宝にも恵まる日々――毎日片道2時間のマイカー通勤で唯一うれしかった出来事です。

サンパウロには迂回ルートを24時間ひたすら紹介し続ける専用ラジオ局もあり、ヘリ・タクシーは16機フル回転でホ~クホク。高速道にはなんとノロノロ運転しながら商売する移動バー、移動コーヒーショップもあるそうです。


シカゴ、米イリノイ州—2011年2月




ただでさえ嫌な渋滞が、猛吹雪のホワイトアウトと低温の中で起こった日にゃ、しんしんとワイパーに降り積む雪見ながら、「もうクルマここに置き去りにするしかないよな」ってなりますよね…。2011年冬、シカゴのブリザードでまさにそれが起こりました。

50cmの積雪に埋まって車を乗り捨てる人が続出、車1500台の墓場と化したのはレイクショアドライブです。市では車をレッカー移動して道路を開通しましたが、これが新たな悪夢の始まりで、オーナーは車の置き場所がわからなくて窓口をたらい回しにされて散々だったようです


北京、中国—2010年8月




北京-チベットを結ぶ高速道では100kmの渋滞が11日間続く記録的渋滞が発生しました。原因は道路工事。工事に向かうトラック自体、渋滞で動けなくなったという…。

この時は空腹で喉が乾いたドライバー目当てにインスタントラーメンを市価の4倍、水を10倍で売りつける商売人が現れ話題になりました。

「売り子が水を売りにくるんだけど、値段がとんでもねえんだ。しかも『要らない』って言ったり値段に文句つけようものなら、ワイバー壊すって脅してくるんだぜ」と、英テレグラフに怒りをぶちまける貨物トラック運転手さん。幸いこの運ちゃんは市内の道路で3日寝泊まりしたんですが食料を大量にストックしていたのでカモにならずに済んだそうですよ? 

ドライバーから金を巻き上げる西部劇のような強盗、ドライバーが寝落ちた隙にガソリンを盗む泥棒の被害報告も出た渋滞。


東西ドイツ国境—1990年4月

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東ドイツの国境検問所 via G. Mach/Wikimedia Commons

ベルリンの壁崩壊後、初の復活祭の休暇で東西ドイツ間を行き交う車が1800万台集結、国境検問所付近は大変なことになりました。

ドイツでは春一番の連休を実家で過ごす人の波で例年帰省ラッシュになるのですが、40年間ずっと帰れなかった人も大勢いたんですね。「2世代に渡って政治的に分断されたにも関わらず国民レベルではずっとふたつのドイツが強固な結びつきを保ってきたことを金曜の大渋滞は改めて示すかたちとなった」と、1990年4月14日付けLAタイムズは書いてます。

国境の検問は形式だけのものでしたが、それでも渋滞は30マイル(48km)にも及び、ガソリンスタンドは4時間待ちでした。東西分断の40年、待ちに待った春。


ウッドストック―1969年8月

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ウッドストック参加のファン via Ric Manning/Wikimedia Commons

NYアップステートに予想の10倍のファン50万人が集結、道路はカオスに! 主催者側が推奨した迂回ルート設営計画をニューヨーク州警察が実行していなかったことも災いしました。

にっちもさっちも動かないのでファンは車を乗り捨てて歩き、バンドはヘリでコンサート会場に飛びました。


みなさまの人生最悪の渋滞体験もぜひコメントで教えてくださいね。

Sources: TimeBBCYahooLA TimesForeign PolicyThe TelegraphHuffPoForbes

関連:90年8月の名神高速の渋滞もランクイン! 世界最悪の渋滞ワースト10交通渋滞に悩まされる都市の道路を写した画像。

Top image via chungking/Shutterstock

SARAH ZHANG(原文/satomi)