グーグル、モトローラ売却&Nexus廃止で、スマホ端末から順次退却?

グーグル、モトローラ売却&Nexus廃止で、スマホ端末から順次退却? 1

Android開発に専念と。

先週、ロシアのMobile-Review編集者Eldar MurtazinさんからグーグルがNexusを2015年に廃止するという説が伝わってきました。Nexus優秀なのになんで?…と半信半疑だったところ、グーグルがモトローラをレノボに売却ってニュースが飛び込んできました

Nexusの件はまだ噂段階ですが、もし本当だとしたら、グーグルが傘下のスマートフォン端末ブランドふたつを一気に切り離そうとしていることになります。グーグルが直接手がけるスマートフォン端末が、なくなるってことです。グーグルにとってハードウェアとはどんな意味があるんでしょうか? Nexusとモトローラにまつわる背景から考えてみます。

Google Play Editionの登場

Nexusに関して言えば、それはかつて唯一無二の存在でした。グーグルのピュアなAndroidが使えるフラッグシップ端末はNexusしかなく、他社のハイエンドAndroid端末には、醜くて使いにくいスキンと、ムダなプレインストールソフトウェアが必ずくっついてきました。だからNexusだけが、Androidのあるべき姿を示していたと言えます。

それにNexusには、ユーザーに対してのショーケースというだけじゃなく、Android端末メーカーにとってもメリットがありました。グーグルと協力して余計なものを取り除いた端末を作れば、グーグルがそれを特別な端末として掲げてくれるんです。Nexusは相対的に安価でキャリアにも多く取り扱われて、たくさんの人に買ってもらえるんです。

グーグルにとっても端末メーカーにとっても、Nexusに関しては妥協しなきゃいけない面もあったんですが、妥協の見返りは十分以上にありました。あまりに見返りがありすぎて、Androidの主要端末メーカーが入れ替わり立ち替わりNexusを作る役割を務めてきました。いつもはムダなソフトウェアとかスキンが大好きなメーカーでさえも、Nexusラインではそれを抑えてきました。

でもGoogle Play Editionが登場してから、状況が変わりました。グーグルは他社のAndroidのハイエンド端末の一部から余計なスキンやソフトウェアを除いたものを「Google Play Edition」として取り扱い始めたんです。アンロック版で契約の縛りがない分、価格は高くなってしまいますが、Google Play EditionデバイスはNexusと同等のAndroidのショーケースになりました。これで素のAndroidを使える端末の選択肢が広がって、Androidの弱みがひとつ克服されました。

でもGoogle Play Editionによって、Nexusの位置づけは微妙なものになってしまいました。だって「Google Play Edition」はみんなNexusと同じことであって、ただ名前が違ったり、値段が高かったりするだけだからです。

モトローラをめぐるしがらみ

一方、Androidの主要なハードウェアパートナーでありながらNexusを作っていない唯一の会社が、モトローラでした。グーグルがモトローラを買収したのは2011年なので、いい加減1世代くらいNexusを作ってもいい時期でした。買収当時はAndroidファンもテクノロジー系メディアもみんな、ついに全部自前のNexusが来るかと期待していました。グーグルのソフトウェアに、グーグルのハードウェアが合体するんだと。

でももしグーグルがモトローラでNexusを作っていたら、他のAndroid端末メーカーにとっては面白くなかったはずです。だってそれは他のメーカーから見れば身びいきに映るはずで、引いてはAndroid離れにつながってしまいます。といってもAndroidから離れて他のOSにすぐ移行できるかといえば行き先はWindows Phoneくらいなので、端末メーカーがすぐそちらに流れるかは疑問ですが、とにかく長期的には望ましくありません。そういえばAndroidどっぷりかと思われたサムスンがWindows Phoneベースでハイエンド端末を準備中というも最近流れてました。

だからグーグルとモトローラは、NexusじゃなくてMoto Xを作ったんです。使いやすくて美しくてお手頃で、でもOSは素のAndroidじゃないってものです。といっても他の「これじゃないAndroid」とは違ってて、いわば「Androidプラス」でした。Moto Xではスキンとか追加ソフトウェアも載せつつ、それらは楽しいアトラクションにとどめて、重荷にはしていませんでした。Moto XのOSはAndroidの進化形でした。でもこれによって、Nexusや他社のフラッグシップ端末が見劣りしてしまったってのもあるはずです。

だからハードウェアはもういい?

Androidの初期には、グーグル自らがハードウェアのショーケースを作り、Androidの可能性をユーザーや端末メーカーに示す必要がありました。そういう意味で、Nexusブランドの端末を作ったり、配下に端末メーカーを持つことは有意義だったと思われます。

でも今は、端末メーカー各社がAndroidの能力を活かせるハードウェアを世に出せるようになりました。さらに、それらの端末から余計なものを除いた、素のAndroidバージョンの端末もGoogle Play Editionとして出回っています。だから、グーグル自身がハード・ソフト両方作る必要性が薄れてきたのでしょう。モトローラ売却に関してラリー・ペイジCEOは「これでAndroidエコシステム全体のイノベーションに注力できる」公式ブログに書いていて、その方向性には腑に落ちるものがあります。

ただ冒頭にも書いたように、モトローラ売却に関しては正式発表されていますが、Nexus廃止に関してはまだ噂段階です。だから結局、グーグルがモトローラを切り離したことで端末メーカーとの食い合いがなくなってよかったね、っていうだけの話かもしれません。

ともあれ、Nexusが続くにしろなくなるにしろ、日本でも早くGoogle Play Edition買えるようになるといいですね…。

Eric Limer(原文/miho)