共食いねずみとともに大西洋に消えた幽霊船の謎

共食いねずみとともに大西洋に消えた幽霊船の謎 1

昨年2月4日に行方不明になった巨大な幽霊船が「病原の共喰いねずみをわんさか積んでイギリスに接近中だ」とBBC Futureなど英現地メディアが騒いでますよ。

この船は重量1400トン、全長100m、収容180人の「リュボーフィ・オルロワ(Lyubov Orlova)」号。1976年ユーゴで製造され、行方不明になる数年前まではロシアのエリート階級相手に北極観光クルーズとして活躍した船なのですが、運営会社が赤字で首が回らなくなり給与が支払われなくなったため、乗組員がカナダの港に大量のネズミと一緒に棄ていったいわくつきの船です。

しょうがないのでカナダ政府はニューファンドランド島の港からドミニカ共和国まで運んでいって、そこでくず鉄として売りさばこうとしたのですが、途中で海が荒れ、曳いていたロープがブッチーン。

こんなに大きなものが海底油田のある辺りを漂流すると危ないので、政府は別の船を派遣してけん引したのですが、時化(しけ)が強かったこともあり安全圏まで曳いていったところでロープを切って東にドンブラコ放してしまったんですね。

それにしても不思議ですよね。日本の津波で漂流した漁船だって北米沖で見つかったのに、Google Earthがある時代にこんな大きなものが見つからないなんて…。

その辺の難しさについては、ニュー・サイエンティストにリチャード・フィッシャー(Richard Fisher)記者が先月良記事を書いてます。捜索範囲は広がる一方で、海に沈んだ可能性もあるので、そうだとすると発見はほぼ不可能に近いのだそうな…。

あわや発見…というところまできたのは、10ヶ月前に船から発信された緊急救助要請の無線シグナルを受信したのが最後です。その時は「アイルランドの約700マイル(1127km)沖合い」というところまで掴めたのに、こんな詳しい手がかりがあっても見つからなかったんです。海って広い

あとこの記事でへーと思ったのは、海事法では遺棄船を見つけて最初に船にロープ投げた人が所有権をもてるそうですよ。ひゃーそんな簡単なんか! ロープ投げの練習しなくっちゃ! 

BBC Futureは、船舶自動識別装置Automatic Identification system:AIS)を使えば居場所が特定できるんじゃないかって書いてます。遭難船のビーコン(救難信号)はもうオフになっているので、信号が出ている船の中に出てない船があればそれが遭難船、というわけですね。

まあ、色めき立っているのはマスコミだけで、イギリス沿岸警備隊は心配ないって言ってますよ。むぅ…どこに消えたものやら…。

New ScientistBBC Future

JORDAN KUSHINS(原文/satomi)