スポーツ薀蓄。冬季五輪を支える17つの特許

スポーツ薀蓄。冬季五輪を支える17つの特許 1

先代の発明があったからこそ、今の競技と感動がある。そんな気がする。

連日、大盛り上がりを見せるソチ五輪。その人気にあやかって、でしょうか? アメリカ合衆国特許商標庁(略称USPTO)が五輪競技に関連する特許についてのツイートを連投しています。そこで、冬季五輪やウィンタースポーツにまつわる17個の特許についてまとめてみました。観戦のお供に、どぞ!

スノーボード

数ある競技のなかでも比較的新しいスポーツだと思われているスノーボード。最初に登録されたボードは、Robert Weber(ロバート・ウェーバー)さんによる1973年のmono-skiだと多くの人に思われていました。

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ところがこの説に異を唱える声も。現在使われている形状のスノーボードが登場する何十年も前の1939年に、イリノイ州在住のBurgesonという名の2人のスウェーデン人がスノーボードの特許を出願していました。その書類の画像がこちら。

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これについて、スノーボード発明の親、Burgeson氏の息子さんは「まさか自分の父の発明が五輪競技になるとは思いも寄らなかった」とのコメントを寄せています。

アイスホッケーのスティック

かつてのホッケースティックはハンドメイドでした。しかし1900年代初頭、カナダはオンタリオ州のHespeler社が2ピースのホッケースティックを発明。しかも大量生産も可能になりました。1924年の特許出願書がこちら。

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大量生産が可能になったことで、多くの実業家たちが特許を得ようと奔走。下のゴールキーパー用スティックは、1922年にオンタリオ州の発明家Z.A. Smithさんが申請したもの。

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中には日の目を見なかったアイデアもありました。下の特許の画像は、ロープ付きホッケースティック。氷が割れ、その中に選手が落ちてしまった場合に取り外し可能なロープをハンドル部分につけたそうです。当時はアイスリンクなかったのかな…。

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ボブスレーのソリ

ボブスレー用のソリがいつ誕生したのかは定かではありません。今使われているソリは何世紀前からもあった、シンプルな昔ながらのソリを進化させたものなんだとか。こちらの特許は1884年にJ.H. Kirk(カーク)さんが申請したものです。

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スキー板

寒い地域では古くから使われていたスキー板。スポーツとしての現代のスキーが確立したのは19世紀後半頃だと言われています。そのパイオニアとなったのは、カービングスキーとして知られる「ディープサイドカット」を施したスキー板を発明したElan(エラン)さん。1980年後半、彼は複数のデザインで特許出願したそうです。

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業界も彼の成功に続けといわんばかりに、新しい形状のスキー板の特許を出願しました。こちらは1992年にRossignol(ロシニョール)さんが出願したもので、残念ながら97年にニューヨーク・タイムズ紙に「Caution Urged on New Shaped Skis(新しい形状のスキー板に注意喚起)」という見出しの記事になってしまいました。

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スケート周り

リンクに張られた氷の表面を滑らかにするため、スケート競技には欠かせない製氷車。ザンボニーの名称で知られる製氷車の特許は、1953年に同社のFrank J. Zamboni氏に与えられました。1960年代には車のシャシーを使ったモデルを発明したそうです。

製氷車よりも長い歴史を誇るのがスケート靴。現代のアイススケートの概念が出来たのは20世紀初めで、この特許は1901年のO.W. Everettさんによる、ブーツにアタッチできるスケートだそうです。

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カーリング

カーリングに関しては、USPTOが見つけた面白い特許がありましたのでご紹介! この特許は、1894年にマサチューセッツの発明家Joseph Hamilton(ジョゼフ・ハミルトン)さんが申請したもの。ごく普通のカーリングかと思いきや、なんと暖かい地域でカーリング競技をするためのデバイスなんだとか。だからこそ敢えてこんな文言を記載しているんですねぇ。「この競技はスキルを要求するもので、氷のある地域でとても人気のあるスポーツでした」。

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人工降雪機

今回の五輪のために雪乞いを呼び寄せたというニュースでも分かるように、冬季五輪開催の懸念事項となるのが雪不足。これを防いでくれる人工降雪機の歴史は長く、その始まりは1920年代だとか。…もっと最近のものだと思っていました! 下の複雑なデザインは、1926年の二酸化炭素の雪を作る方法と装置です。

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近代の人工降雪機の発明の父と言える、コネティカットの発明家Wayne Pierce(ウェイン・ピアース)さん。最初に人工降雪機の特許を出願した実業家としても広く知られています。1952年、彼と同僚の発明家たちはニューヨーク近郊のGrossinger's Catskill Resort Hotelで最初のモデルの試作運転を行いました。

1954年に彼が考案した降雪機は、山の地表をパイプが通るという複雑な仕組みのモデル。

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上の降雪機よりも今使われている技術により近づいたのが、1974年にミシガン州の男性が申請した雪を作り、散布するという方法を記した特許。背後に設置された水管から出る雪を回転するファンで撒くという仕組みになっています。

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スキーのリフト

スポーツではないと言われてしまうかもしれませんが、競技を行う上で必要なのが、スキーリフト。1930年代後半に、今のモデルに近い形のリフトがアメリカ各地のリゾートに広まりました。サンフランシスコのGeorge V. Donderoさんの「スキー牽引装置」に特許が与えられのは1939年のこと。

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こちらは、ニューヨークの発明家Alexander Mellvaineさんが1949年に申請した特許。その当時、フットレストを初めて搭載したモデルだそうです。

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聖火

USPTO曰く、近代五輪開始のちょうど3年前にあたる1893年、このトーチのデザインに特許が与えられたそうです。冬季や五輪と限らず活躍するトーチを発明したのはコネティカットの発明家Frederick Rockwell(フレデリック・ロックウェル)さん。

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こうやって見てみると、近代の五輪は人々の発明のうえに成り立っているんですね。しみじみ。

Kelsey Campbell-Dollaghan(米版/たもり)