新CEO就任でマイクロソフトはどう変わる?

クリケットと詩が大好きなインド生まれの46歳。3児の父。

バルマー後任はサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏に決まって、マイクロソフトの3代目CEO探しもやっと幕を閉じましたね。社員10万人にとっては久々のボス交代ですが、一般の我々にはどんなチェンジがあるんでしょ?

マイクロソフトの公式発表(英語版)を見ても、エール送る普通のプレスリリースで、それ以上のことは書かれていません。そりゃそうだ、役員会がこの人と見込んで一国一城の鍵を託した相手なんですから悪い人なわけないよね。ここは想像たくましく行間を読んで参りましょう。

チェンジ1:CEOのキャラ

バルマー氏は大汗かきながら大声でガンガン製品を売り込むブルドーザーのような営業マンでした。対するナデラ氏は声も小さくて控え目で、粛々と帝国の出世レースを勝ち抜いたエンジニア。動画を見るとエッジーな感じですが、GIFにして面白い事件も前職CEOほどにはなさそうです。

しかし社内では一緒に仕事がし易い「コラボレーター」として人に好かれるタイプで、ストレスの多い環境でも安定した存在感を保っている方ですから、優秀な人材流出を防ぎながら移行期を乗り切る面では才覚を発揮しそうです。また、ノキア統合をなるべく円滑に進める面(より重要)でも吉でしょう。

チェンジ2:クラウドが進む

毎日使うマイクロソフト製品にはそんなに大きな変化はないものと思われます。ナデラ氏は社内では「ネゴシエーター」としても高く評価されています。理由は、大企業内部の様々な部門(競合することも多い)間の調整役に長けているから。なので就任後すぐバッサバッサと部門斬り・製品斬り…なーんてことは起こりそうにありません。むしろマイクロソフトが掲げる「One Device」の統合化戦略を今以上にアグレッシブに進めていくこと必定です。

その実現に必要なスキルも氏にはひと通り揃ってます。ナデラ氏の専門分野はクラウドパワーで、異種製品をひとつにまとめる上で役立つ基礎技術。クラウドはXbox Oneが実現を約束している最大の(まだ実現されていない)機能でもあります。クラウドの馬力が確保できればWindows Phoneの超処理パワーも今以上に生かせるし、Surfaceもスパコン並みになれます。「デバイス&サービス」で言うと、マイクロソフトのクラウドのパワーは明らかにサービスなのです。

ナデラ氏は勤続22年で、そのすべてを再編後Azureとなった子会社でサーバー担当として過ごしてきました。クラウドはナデラ氏にとっては子どもみたいなもの。それでCEOの白羽の矢が立ったのかと。

チェンジ3:路線はノーチェンジ

これからも氏の主力はエンタープライズ・サイドと思われます。そっちサイドのことは成功も失敗も一般消費者・ファンからはよく見えないところですが、ナデラ氏が抜擢されたということはマイクロソフトとしてもこれまで選んだ路線で満足していて、まだ結果は出せていないものの今後も今の方戦略をプッシュしていくという意思表示の現れかと。ある意味、外部から人を入れて抜本改革をやらせるより、もっとリスクは大きいかもしれませんね。

以上ざっと思いつくまま述べて参りましたが、向こう数年は大きな変化はなさそうです。大筋は現状のままで、それをもっと均質で統合化されたものに練り上げていって、製品間のコミュニケーションもシームレスにして、家を携帯につなぎ、携帯をPCにつなぎ、PCをXboxにつなぎ、なんでもいいけどこれから出る新製品もそこにつなげていく――マイクロソフト製品が複雑に絡まり合ってクラウドにぴょこんと上がるイメージ、ですねー。

ERIC LIMER(原文/satomi)