忘れ去られたコカ・コーラ最大の黒歴史(動画あり)

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これは「Breakmate」。全米の中小企業にソフトドリンクを提供する画期的製品として1980年代に華々しくデビューしながら製造中止になって世の中に忘れ去られたコカ・コーラ製品です。

瓶入りソーダやファミレスのソーダファウンテン並みの革命になるはずだったのに…なぜ頓挫したのか? 振り返ってみましょう。

アメリカではコカ・コーラは放っといても売れます。というか世界中どこでもそうですが。コカ・コーラは企業価値1670億ドル(17兆円)弱。100年以上の長きに渡ってアメリカにおけるソフトドリンクのトップブランドとして君臨してきました。が、そんなコカ・コーラでもおんなじことばかり続けていてもよろしくないって思うんでしょう。1970年代半ばには、従来の自動販売機が不足気味の従業員5~50人の中小企業に新市場開拓の商機を見て、進出を目論むのでございます。

そこでつくった尖兵が「Breakmate」です。Breakmateはテーブル上に置けるミニサイズのカップ式清涼飲料自販機です。大きさは80年代の電子レンジぐらいで、ボタンを押すとコカ・コーラ特製シロップ3種(コーク、ダイエットコーク、スプライト)を伝統的なソーダ混合比5:1で割って出します。自販機はボッシュ・シーメンスと共同開発しました。今ファーストフード店の片隅で見かけるソーダファウンテン、あれの初期バージョンと考えてもらえれば。もしこれが成功していたら、アメリカ中どこでもコーヒーメーカーの隣にあれが置かれるはずだったのです。

コーヒーは朝の飲み物ですが、ソフトドリンクは1日中飲めます」―コカ・コーラ広報のイラ・L・グレーシャーさんは1988年当時LAタイムズにこう語っています。「ソフトドリンクは今やアメリカを代表する飲み物です。年間消費量は国民ひとり45ガロン(170リットル)で、水道水よりも多い」。どうりでコロコロするわけだ…。

こうして売りだしたわけですが、「Breakmate」も最初の頃はそこそこ反響があったんです。初年は全米2万ヶ所に設置。コカ・コーラではそこからの売上げが会社全体の売上げの2% ―濃縮液の容量で年間約2000万ガロン(75700立方メートル)相当― に届くものと見込んでいました。

ところが、そうはならなかった…。いざ実地で使ってみたら、Breakmateは1杯ごとに当たり外れは多いわ、フレーバーが混じってしまうこともあるわで、常時維持メンテしてやらないとまともに動かない糞製品でした。しかも清涼飲料水6.5オンス(192ml)つくるのに原価は平均25.6セントもかかる…。ドル箱どころかドル喰いマシンだったんです。

しょうがないので2007年には交換パーツの製造をやめ、2010年には1リットル入りシロップ缶の発売もやめ、Breakmateは闇に葬り去られます。こうしてコカ・コーラは今でも1899年以来ずっと変わらぬ手法(主に瓶詰め)で飲んで今に至るというわけですねーはい。

[Wiki - 日本版 - WSJ - Vending Market Watch - Eugene Register-Guard - LA Times]

Image: eBay

ANDREW TARANTOLA(原文/satomi)