「遺伝子上は親が3人」に。遺伝性疾患を防ぐための新しい体外受精技術

「遺伝子上は親が3人」に。遺伝性疾患を防ぐための新しい体外受精技術 1

英国の医学倫理委員会は、3人の人物(普通は2人ですよね)の遺伝子を使った体外受精技術に賛成であるという声明を発表しました。そして(当然ながら)生命の倫理に関する論争の引き金となっています。

不妊治療と人種改良実験との線引はどこにあるのでしょうか?

この治療法は遺伝性疾患が母親から胎児に受け継がれるのを防ぐ目的で開発されました。これは母親の卵子から採取した遺伝物質を、核DNAを除去したドナーの卵子に移植するもので、理論的にそこで誕生した子は父と母の核DNA、そしてドナーのミトコンドリアDNAを受け継ぐことになります。つまり、誕生した赤ちゃんは遺伝子的には「3人の親」を持つことになるのです。

当然、「もう1人のDNA」が必要であればその「もう1人」に対して、理想的な遺伝子の持ち主を望みたくなるのは自明の理。すなわち、この治療法は遺伝子差別に繋がりかねない可能性を持っているのです。さらに、実際に産まれた子供は「実は親がもう1人いる」と知ったらとても微妙な気持ちになりますよね。

このような倫理的な問題をはらんでおり、慎重に取り扱わなければならない新技術ではあるものの、イギリスでは6500人に1人の割合で、心臓や肝臓などの重い疾患につながるミトコンドリア病を持つ子どもが生まれているという事実もあります。

画期的な治療法か、または生命の倫理を脅かす危険な技術なのか…。何とも言いようがありません。

image by:Dabarti CGI/shutterstock.com

BBC via io9

mayumine(Andrew Tarantola/米版