ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 1

ゴミ処理場の上は公園で、一石二鳥!って提案。

ニューヨーカーは平均で1日3ポンド(約1.4㎏)のゴミを出していますが、そのうち多くは食べ物です。食べ物の大半は、時間とスペースと手間をかければコンポスト(堆肥)にできます。そこで、ニューヨーク市内の川の上に、ゴミをコンポストに変える島を作っては?と提案されています。名づけて「Green Loop」です。

「我々は毎年何百万マイルもトラックを走らせ、渋滞を引き起こし、騒音や温室効果ガスを撒き散らしています。トラックが行き着く先のゴミ処分場ではゴミをただ埋め立てるだけで(訳注:米国では基本的にゴミを焼却処分しない)、腐敗したゴミからさらに温室効果ガスが発生します。」こう話すのは、Green Loopを提案しているニューヨークの設計会社、PRESENT Architectureのデザイナーです。

PRESENT Architectureの提案は、ゴミを遠くに運ばずにニューヨーク市のそばにとどめて処理しようというものです。ゴミ収集車はコンポスト用の有機ゴミを普通ゴミと同様に収集し、従来の埋立地ではなくニューヨーク周辺のコンポスト島に運ぶのです。

これによって、現在のニューヨーク市のゴミの少なくとも30%は処理できると試算されています。ニューヨーカーが毎年1400万トンのゴミを排出していることを考えれば、決して小さくありません。

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 2

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 3

コンポスト島に有機ゴミが届いてからの流れは、ただ規模が大きいだけで、一般的なコンポストと同じです。ゴミは堆肥に生まれ変わり、再び島から運びだされて役に立つというわけです。

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 4

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 5

コンポスト島の上部は公園になっていて、ひとつの島に12エーカー(約4万9000平方メートル、ほぼ東京ドームの大きさ)もあります。つまりGreen Loopではニューヨーカーが水辺に親しめる緑の空間も広げられて、一石二鳥なんです。

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 6

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 7

PRESENT Architectureは2年ほど前、マンハッタンとブルックリンの間にプールの島を作る「Plus Pool」という提案もしています。これも一粒で二度おいしい系のアイデアで、プールの下はイーストリバーの水の浄化装置になってました。

どちらのアイデアも、ブルームバーグ前ニューヨーク市長が掲げたVision 2020から派生したものです。Vision 2020は、ニューヨークの荒んでいたウォーターフロント地域を立て直すための計画です。

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 8

ただ過去を振り返ると、同じようなアイデアは今までにもあったことがわかります。1924年、Popular Scienceに掲載されたイーストリバーの新たな使い道の案では、そこは新たな巨大道路になっていました。マンハッタン東側の川にダムをふたつ作ってダム同士の間を陸地にしてしまい、そこに車を通せばマンハッタンの渋滞が解消!というアイデアでした。

ニューヨーク版夢の島? ゴミを堆肥に変える「Green Loop」 9

これはちょっと、景観という意味では実現しなくてラッキーだったかもしれません。でも、自然資源の大事さとか、環境負荷についての考え方が時代とともに変わっていったんだなってわかって、興味深いですね。

PRESENT Architecture

Kelsey Campbell-Dollaghan(原文/miho)