リオ五輪の工事現場から奴隷の骨や埋蔵品が大量出土

リオ五輪の工事現場から奴隷の骨や埋蔵品が大量出土 1

カタールのW杯予定地では移民が奴隷のように酷使されているようですが、こちらは奴隷の骨

夏のワールドカップと2016年五輪開催に向けスタジアム、宿舎、道路の建設が急ピッチで進むリオ・デ・ジャネイロで、現場の地下から南北アメリカ最大の奴隷船入港先だった忌々しい過去の遺物がゴロゴロ出てきて困ったことになっています。

ブラジルと言えば、アメリカ大陸で奴隷制度廃止が一番最後だった国。

リオは「大西洋の奴隷取引きの中枢」(ニューヨーク・タイムズ)で、リオ・デ・ジャネイロに入港した奴隷は490万人にのぼり(北米は39万人弱なので10倍以上)、多くは当時成長中だったブラジルの砂糖貿易、金・ダイヤモンド鉱山の労働に駆り出されてゆきました。当時のものが今頃になって人骨から魔除けまで全部出土してきたんですね。

中には巨大共同墓地などというものもあります。これは数年前に路面電車建設予定地の家の下から出てきたもので、もともとは「新黒人墓地(Cemitério dos Pretos Novos)」、つまりアフリカ大陸から連れてこられた奴隷2万人以上の遺体を葬った「廃棄場」だったんです。

すっかり忘れ去られた過去だったのですが、その上に住んでいた女性は気の毒に思い、この墓地のことをもっと多くの人に知ってもらおうと、小さな非営利団体を結成しました。女性によると、あんまり政府からは応援もないそうですが。

そうかと思うと、地下鉄大幅拡張工事の現場からは埋蔵品20万点が出土。考古学者の見立てでは、年代は1600年代まで遡るもので、なんと奴隷制廃止に尽力して王位を追われた国民的英雄ペドロ2世の歯ブラシまであるのだとか。

開発側は五輪主催地として整備に全力投球ですが、考古学・都市計画の専門家からは過去も考古学的価値のある発掘現場も無視するのはどういうものか言われてるし、中には共同墓地は一般開放して博物館のひとつも建てるぐらいじゃなくてどうする、という声もあります。

過去の遺物を手厚く扱いながら、五輪主催地としての役割を果たす、このバランスをとるのはすごく難しいぞ。観光客が大量にくるXデーは刻々と迫ってます。

The New York Times

Image:港湾部では全長4kmの新しい地下道トンネル工事が続行中。Mario Tama/Getty Images.

KELSEY CAMPBELL-DOLLAGHAN(原文/satomi)