「飛び抜けていいから」。未経験の正社員エンジニア志望にとって、スタッフサービス・エンジニアリングの人事制度は神かもしれない

2014.03.31 11:00
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飛び抜けていいから。

ものづくりがしたい。何かものをつくる仕事に就きたい。目指すのはエンジニア。

エンジニアになる方法はいろいろありますが、できることならメーカーの正社員エンジニアとして働きたい。そう思ったらスキルが必要、現場の経験が必要、そして一人前のエンジニアになって、さらに正社員で雇用してくれるメーカーを探す必要があります。

というように、未経験からメーカー正社員のエンジニアになるのは、そうそう簡単なことではありません。ですが道はあります。人材派遣大手のスタッフサービス・エンジニアリングがこの春から新しい人事制度を取り入れて大きく舵取りをしました。

その新しい人事制度とは、本人がスタッフサービス・エンジニアリングに在籍している期間のキャリア支援と合わせて、卒業したあとのネクストキャリアまで支援、応援するというもの。つまり正社員として勤務する転職先メーカーへの面倒まで見てくれるってことです!

いわゆる登録型の派遣とは違い、派遣元(スタッフサービス・エンジニアリング)の社員になって長期的にメーカーなどに配属・勤務して働く常用型派遣の業態であるスタッフサービス・エンジニアリングとしては、自らが抱える社員がネクストキャリアを目指して離れてしまう、その促進にもつながる大英断

エンジニアになりたい未経験の若い人には、メーカーの正社員エンジニアを目指すにあたって魅力的な道が登場したことになりますが、当のスタッフサービス・エンジニアリングは今回の舵取りをどんな考えで行ったのか、今回の新人事制度に基いて採用を担当している方に直接話を聞いてきましたよ。


一緒に過ごす時間を違うものにしたい。振りきってキャリア支援する!


ギズ:なぜいまこれまでのやり方から大きく舵を切るような、新しい人事制度をはじめようとしたのか、現状からお話いただけますか。


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株式会社スタッフサービス エンジニアリング事業本部 福田真人さん


福田さん:まず、派遣会社って平たく言うとAさんの仕事に50万、Bさんの仕事に80万という風に人に対して売り上げがついていきます。なので、人が増えれば売り上げ上がるし、人が減れば売り上げも減るという業態があります。

なので、どこの派遣会社もそうだと思うんですけど、人が入ったら「辞めるな辞めるな」なんですよ。「辞めたら売り上げ下がるから辞めんといてくれ」っていう…もちろん直接こうは言いませんよ(笑)言いませんけど、雇用する側の思いの中としてはそういう要素が多分にあるんです。

でも結局のところ、会社が辞めるなと言っても、ご本人が次こういう仕事したいとか、実家に帰りたいと思ったら、どんなに止めたって辞めるじゃないですか。うちもやっぱり辞める人すごく多いんです。というのが話の入り口です。

でも逆に、年間5、60人くらいうちにまた戻りたいっていう人がいるんです。だいたいの理由が「転職失敗した。うちのほうがよかった」。このことお話するとみなさんに多いって言われるんですけど。

ギズ:そんなにいるんですね。

福田さん:要は問題はここにあると思ってるんです。派遣会社って辞めるな辞めるなっていうスタンスでいきますから、ご本人たちも自分が辞めたいとか、転職活動したいとか、そういう相談って会社の中でできない、言い出しにくいんですよ。

会社としても当然の話ながら、ご本人たちが次のキャリア積みたいとか、実家帰りたいと思うのは当然だなとは思ってるんです。思ってるんだけど、辞められたら困るから、そこに対してこちらから働きかけできない、だからお互いに言わない…で、いつのまにか辞める…という関係が良くも悪くもどこの派遣会社でもあります。

でも、次のキャリア積みたいとか、地元に帰って親の面倒見ながら働きたいとか思うのって全然悪いことじゃないのに、僕らから応援してあげられないことだったり、水面下で自分たちの力だけでコソコソと転職活動してとりあえず内定もらったからもう辞めちゃえってなったあとに、失敗したってなった人たちがいるとなると「うちで一緒に過ごした期間ってなんやったんや…」っていう感じになるんです。うちの為にもならないですし、ご本人の為にもならない。


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なら、うちに在籍している時間をもっと別のものにしたほうがいいんじゃないかなぁって思ったんです。

それから、厚労省も人材派遣の会社にキャリア支援をしてほしいってことを公に言っていますので、我々もしっかりと形として実現をさせていくほうがいいんじゃないかと思って。

なら振り切ってキャリア支援をする! その人がうちを卒業したあとに、行きたいなと思うネクストキャリアを応援する! そういう路線に軸足を変えたんです。

ギズ:なるほど。でも正直スタッフサービス・エンジニアリングさん側では、これまでせっかく現場でキャリアを積んできた社員さんが、ネクストキャリアを目指して離れることは正直痛いところだと思うんですが、どのように考えていますか?

福田さん:そこのリスクは一定はらみつつも、逆に今度新しくやろうとしていることのメリットを取りました。リスクは十分認識したうえで、それよりも卒業していく人がいる分、新たにエンジニアとしてデビューしたいという人を、今まで以上にもっとたくさん採用して、新たな人をまた育てていく、回転させていく事業のほうにシフトしようということですね。


個々人によってツールの使い方を決めていく


ギズ:ありがとうございます。次は中身の話を聞かせてください。キャリア支援を行うなかで、エンジニアとしてのステップアップを支援する部分は、どんな仕組みがあるんでしょうか?

福田さん:うちは本当に規定の枠組みしか持っていなくて、勉強したい人向けにってことで、Eラーニングあります、通信教育あります、提携しているスクールもあります、全国にいるカウンセラーさんたちが支援をする土壌もありますし、現場の配属先には7割くらいのところに、うちの社員さんたちで作られるユニットというものがあって、自分たちでスキルアップをしようということで勉強会があったり、ツールはいっぱいあります。

ツールはいっぱいあるんですけど、そういうツールを「こういう風に使いなさい」という使い方に関しては枠組みないです。こういう枠組みがあってここに入りなさいということじゃなくて、使い方に関しては個々人によって決めていきます

例えばある人と面談をして、将来こうなりたい、地元に帰りたい、地元に帰ったらこのメーカーに行きたい、そのためにはこのスキルを身につけないといけない、っていう話になったときに、じゃあそれをやるんだったら、今うちが用意できるツールだったらこれを使おうか、というふうに、個々人がうちにいる期間のなかで、何年でこのスキルまで行くんだっていうプランに合わせて必要なものを使うという内容です。

なので、うちに入社して最初にやることは、カウンセラーとどのスキルまで自分を上げていきますか? 将来どういう働き方をしたいですか?ということを何回も面談して決めていくということですね。あとは実務を積む、という流れです。


iPhoneを超えるスマホが作りたくても、あかんとこはあかんって言ってあげる


140324_iphone.jpgギズ:ちょっと具体的なお話をさせてください。もし、未経験の状態で「僕はスマートフォンが作りたいんです、5年で正社員になってiPhoneを超えるスマートフォンが作りたいんです」という人が来たとしたらどんなお話をされますか?

福田さん:作りたいものがあって来られる方の場合はまず、作りたいもの、スマートフォンが市場性として活況で、今後もそれを作る技術、スマートフォンを作る技術が汎用性のあるものなのであれば、それは当然推奨すると思います。ですが、ないのであれば止めたほうがいいという話をすると思います。

ギズ:そこまで考えてもらえるんですね。ちょっとびっくりしました。

福田さん:はい。そのうえで、自身の現状を確認するキャリアマップとスキルマップというツールを使い「今の君のスキルでは5年では無理だ。」という判断をするケースも当然あります。

ここは冷静に考えてあげなくちゃいけないと思っていて、なぜ5年では無理なのかということを、しっかり示さないと説得力がないので「君は今このレベル、でもこのレベルに行こうと思ったら、今のスキルをここまで上げないといけないから、その期間として2年は短すぎる、だから5年にしよう。」というようにご本人の考えは尊重しつつも、修正してあげることも必要だと思っています。

なので、ご本人の希望プラス、世の中の市場を見たうえで、カウンセラーがしっかり見てやっていこうと。それも勝手にやれじゃなくて、俺ら一緒にやるからとがんばろうと、そういう話になりますね、正直なところ。

ギズ:サポートというより、コーディネートするくらい深く関わるんですね。


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福田さん:そうですね、本当に一緒にやる感じなので、ご本人の希望が素通りするのではもちろんなくて、あかんところはあかんとしっかり指摘してあげて、何回も相談しながら進めていくんです。

例えば今のスマートフォンの話でも、どうしてもその製品が作りたいっていう想いがある場合は、そこの落としどころって難しいじゃないですか。その製品を作る技術が今後汎用性がなかったとしても、なんとしてもこの業界に足を踏み入れたいっていう強い想いがある方もいらっしゃいますので、ご本人の意思を尊重する場合もあると思います。

だけど、なんていうのかな…(少し考えて)、ご本人の希望を100%叶えてあげるというのも違って、うちがやりたいのって、うちが介在するときとしないときに仮に同じ5年間だとしても、うちが介在するときのほうがスキル伸びるよねってことと、うちが持ってる大手メーカーさんとのパイプの部分にメリットを感じてもらうことなんです。


世の中にいいエンジニアが増える、いい回転の仕組み


ギズ:業界に与えるインパクトも大きそうですね。

福田さん:いま同じことをやっている会社さんはいないですからね。キャリア支援って言葉を使っている同業さんはいますけど、そのキャリア支援って、自分とこの社員としてのキャリアを上げましょう、スキルを上げましょう、っていう感じなんです。


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うちはそうじゃなくて、いまここで10年後ここでっていう目標ラインがあるときに、うちでできることが、もしかしたら途中までかもしれないじゃないですか。それを超えたところまでやりたいってなったときは、うちを飛び抜けてしまうと。

今までは、飛び抜けて辞めてしまったら派遣会社として売り上げ落ちてしまうので、飛び抜けないでうちの社員として優秀なエンジニアを目指しなさいっていう話だったんですけど、これからはそうじゃなくて、飛び抜けていいから世の中的に優秀なエンジニアになりなさいっていうのが、いまの考えです。

なので、そういう意味では、ほかの会社さんとはだいぶ違うかもしれないですよね。

同じ人に長く働いてもらって利益を上げましょうっていう方面から、回転はするんだけど、卒業してった人を今度うちに入ろうか迷ってる人が見て「あ、そういう卒業した人いるんだ。じゃあ僕もうまく卒業できるかも、成長できるかも」っていう、出た分入ってくるっていういい回転で、数とか売り上げの担保はしていきつつ、成長した人はメーカーに行く、メーカーに行って「俺、未経験からスタッフサービス・エンジニアリングに育ててもらったわ」って言ってもらう、そうしたらメーカーの人はスタッフサービス・エンジニアリングで育ててもらった人っていいんじゃないのってなる、こういういい回転にしたいと思ってます。

ギズ:こう聞いていると世の中にいいエンジニアが増える仕組みにも聞こえてきました。

140323_staffservice_034_2.jpg福田さん:そうなんです。日本はものづくりが支えてきた国だと思うので、理系離れだったり少子化だったりで、エンジニアさんが不足していくと日本の元気がなくなる元になってしまうと思ってるんです。

いま未経験だけど今まではハードル高くて入れなかった人や、大学は工学部出たけど5年別業種やってなかなかエンジニアの業界入れなくなっちゃったっていう人とかに、ちゃんとデビューする機会を与えてあげたいなと。

うちで過ごしていくことで明確なビジョンが見えていって、キャリアビジョンちゃんと決めた人に関しては、いま働いているメーカーのほうにも「5年後、御社の正社員目指します」と、そういう話も当然します。

ギズ:未経験の方の正社員への間口が本当に広がりますね。

福田さん:そうですね、可能性は広がると思ってます。

これまでは未経験なら未経験なりのお給与しかもらえないし、かつ、それなりの評価なので、顧客から得られる請求売上も当然低いものだし、これまでの昇級制度だと一定の売り上げの要素を含んだ昇級の評価だったりで、モチベーションを上げるのが難しかった部分があったんです。

でも今度の新しい制度は、卒業するまでにどれだけスキルを上げるか、ここに本気を出さないとダメな制度なので、売り上げの要素とか利益の要素は一旦捨てて、ご本人のスキルが0から1になったら必ず給与が上がる、1から2に上がったら必ず給与が上がるという人事制度にしているんです。

ギズ:それならモチベーション保てそうですね。

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お話を聞いていると今回の新制度には、これまでネクストキャリアを目指す社員側と、応援したくてもできない派遣会社側の双方にあったつっかえが取れることで、スッと心に風が通るようになってうまくいく、そんな印象を受けました。

未経験からでもカウンセラーの方とがっちり組んでキャリアビジョンを見据えることができるし、いきなり現場で経験が積める。そのあとにメーカーの正社員になるサポートまでしてくれる今回のスタッフサービス・エンジニアリングの取り組み、正社員エンジニアを目指している方は有力なルート・手段として検討してみるべきですよ。


スタッフサービス・エンジニアリング

(執筆・インタビュー:鈴木康太 撮影:木村和平

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