まるで深海の密室。有人潜水調査船「しんかい6500」潜入レポ

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    直径2メートルの空間に入り、それが水深6500メートルの海底に沈んでいく。想像しただけで鳥肌が立ちます…!

    現在、幕張メッセで開催中のニコニコ超会議3の超深海ブースに展示されている有人潜水調査船「しんかい6500」。そのコックピットに潜入してきました。

    いざ船内へ…

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    コックピットに入るため、ハッチをくぐったのですが、身長160cmの筆者でも小さく動かないとハシゴを降りるときにつっかえるくらい、幅が狭かったです。大柄な人は入る時点で難易度高そう。

    船内は定員3名の乗員がギリギリ乗り込めるくらいの狭い空間。コックピットは直径2mの耐圧殻内に存在するんですが、床にはマットレスなどが敷かれているので、まっすぐ立つとなると筆者ですら壁に頭をぶつけるぐらいの高さしかありませんでした。

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    室内を見渡すと、壁のパネル一面にボタンやらスイッチやらがついています。どれでこの船を操縦するのでしょうか。飛行機のコックピットにあるような操縦桿らしきものは見当たりませんが…? 

    まるで深海の密室。有人潜水調査船「しんかい6500」潜入レポ 1

    これがしんかい6500の操縦桿。想像していたよりずっともシンプルです。スラスタだけでなく、海底の調査を行う際に必要な下降、上昇といったコマンドも行えます。

    ちなみに下画像がコントローラーは船の先頭にあるマニピュレータの操作をするためのもの。

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    船外に設置されたマニピュレータ。クレーンのような部分ですが、クレーンゲームのそれとは違って7関節もあります。つ、強い。

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    こちらは船外に設置されたTVカメラ用のコントローラー。

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    これ以外にも、パイロットの方に教えていただいたお話によると…

    ・冒頭のパネルは約20年前のデザインから変わらないので、時期は未定ですが、もっとスッキリしたパネルにリニューアルするため、準備中。

    ・本船の主要電池であるリチウムイオン電池は毎晩充電しているのですが、期間でいうと2、3年、回数にすると300回ほどで交換されるそうです。

    ・母船とのやりとりに使う水中通話機は、声が届くまでに4秒かかる。つまり電話相手が「もしもし」と言ったのが4秒遅れで聞こえるそうです。不便に聞こえますが、地上との通信手段はこれしかないので、やりとりは頻繁にされるそうです。

    ・震災直後の地表調査では、安全を確保するため、事前にカメラ付きの機器で海底に問題がないことを確認してから潜行されたそうです。

    コックピットの広さはコタツを囲むくらいのスペースでしたが、そこにはご紹介した以外にもたくさんの装置やボタンが所狭しと並んでいました。

    内部を見学して思ったのは、たぶん一人でくつろいだり体育座りするにはちょうど良い広さであるということ。故に、そこに他人と一緒に長時間、しかも視界の数メートル先も見えないような深海のなかで閉じ込められるとなると、パイロットや研究者の職業上必要な知識やスキルに加えて、精神的にもタフな人じゃないと務まらないんじゃなかろうか、そんな気がしました。

    「しんかい6500」の調査は深海生物の研究だけでなく、地球環境変動や海底資源と多岐に渡ります。それもこれもこの空間で調査を続ける研究者やパイロットがいるから成り立っているんだとしみじみと思いました。今後の活躍も楽しみにしています!

    source: ニコニコ超会議JAMSTEC

    (たもり)