Galaxy S5レヴュー:サムスン色を薄めたらハードウェアが真価を発揮した

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特にカメラバッテリ

4月11日、サムスンのフラッグシップスマートフォン、Galaxy S5(以下GS5)が米国を含む世界各国で発売されました。米GizmodoのBrent Rose記者がさっそく使ってレヴューしています。

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サムスンのGalaxy Sシリーズについてひとつ言えるのは、つねに最高のハードウェアに、ちょっと疑問な独自ソフトウェアがくっついてるってことです。でもGS5ではそんなサムスンらしさが良い意味で薄められていて、全体的に良くなっています。もっとサムスン色を薄めても良いくらいです。

Galaxy S5って?

サムスンのAndroidフラッグシップスマートフォンです。5.1インチのSuper AMOLEDディスプレイ、クアルコムの2.5GHzクアッドコアSnapdragon 8012GBのRAM、1600万画素のカメラ、そして2,800mAhのバッテリを搭載しています。OSはAndroid 4.4.2(KitKat)にサムスンの独自スキンTouchWizを載せています。

どこがすごいの?

Galaxy Sラインは世界一ポピュラーな端末シリーズで、GS5もそれにふさわしいものです。でも、単に過去をなぞっただけの後継機ではありません。サムスンはそのふくれ上がったソフトウェアをGS5で初めてスリムダウンしたので、ハードウェアがTouchWizに足を引っ張られず本来の力を出せるようになりました。さらに大事なのは、GS5は「ベスト・スマートフォン」というタイトルを争うに値する、多分3つか4つしかない端末のひとつだということです。

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左から右へ、Galaxy S4、Galaxy S5、Galaxy S3

デザイン

GS5をGalaxy S4と、またはGalaxy S3と間違えても仕方ないと思います。サイズは少し大きくなり、細かいところも変わっていますが、サムスンはアップルにならって、毎年一貫性のあるデザインを使っています。今となっては、Galaxy Sシリーズを使っている人は半ブロック先からでもわかります。

今年のアップデートは小さいながらも重要です。GS5にはタッチ式ボタンがふたつ、ホームボタンとしての物理ボタンがひとつ残されてはいますが、タッチ式ボタンの動作は「戻る」と「マルチタスキング」で、「戻る」と「メニュー」ではありません。つまり、メニューボタンは今全てスクリーン上またはアプリ内にあるんです。それは素のAndroidと整合性をとった結果であり、アプリのエコシステムに一貫性が出てきます。

ホームボタンも変わりました。今までと一見同じなんですが、GS5には指紋スキャナが着いていて、端末のロック・アンロックに使えます。iPhone 5Sにも指紋スキャナがありますが、iPhone 5Sではボタンを押すのに対し、GS5の場合はスワイプします。

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GS5下部にはUSBポートのカヴァーが付いているのも目立ちます。これはGS5がIP67認証を取得、つまり水中に最大1mまで、最長30分間沈めてもOKな作りになっているからです。お風呂でも使えそうです! 

またそのカヴァーの下のUSBポートも標準ではなく、フルのUSB 3.0ポートです。だからデータ転送速度は非常に速く、でも既存のmicroUSBケーブルもそのまま使えます。

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背面カヴァー(従来通り交換可能)にはディンプル加工がされていて、人によってはダサいと言われてますが、特に今回テストしたダークグレーの端末ではそんなに気になりませんでした。それに、この加工によってしっかりしたグリップが可能になっています。

カメラの出っ張りは目立ちすぎず、そのすぐ下にはフラッシュとパルスオキシメータが入ってます。サードパーティアプリではレンズやフラッシュをパルスオキシメータ代わりにしてきましたが、今はもうプリインストールされているので、レンズに触って汚すこともなくなります。

GS5は今までで最高にしっかりした感触ですが、HTC Oneと比べるとデザイン的にはまだまだです。実際の価格はともかく、何か安っぽく感じてしまいます。

それから、Galaxy S4より0.1インチ大きなスクリーンを搭載している分だけ全体のサイズも大きくなっているんですが、それに見合う良さを感じられません。他の5インチフォンと比べると、HTC Oneよりほんの少しタテの長さが短く(幅がわずかに広く)、でもNexus 5と比べると明らかにタテにもヨコにも広がっています。

どのデヴァイスでもそうですが、GS5のSuper AMOLEDスクリーンは明るい緑がかって見えます。比較すると、HTC OneのSuper LCD 3とかNexus 5のIPS+がちょっとピンクっぽく見えます。でも3つを並べてみると、GS5は一番明るく、黒は深く、色鮮やかでした。

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左から右へ、HTC One 2014年モデル、GS5、Nexus 5

使ってみてどう?

まず言われていた通り、サムスンの独自UI(TouchWiz)はかなり目立たなくなりました。Galaxy S4ではごちゃごちゃだったところもすっきりしています。いろんなガラケー風の部分がなくなり、その結果今どきのAndroidフォンらしいルックスになってきました。

サムスンのネイティヴアプリでも、Googleのサービスでも、サードパーティアプリでも、UI全体がアプリとよりシームレスに調和して、全体的に気持ちよく使えるようになっています。具体的には小さなことの積み重ねで、たとえばホームボタンを長押しすると、従来みたいにサムスンの(別に使いたくない)S Voiceが立ち上がるのではなく、シンプルにGoogle Nowを呼び出せるんです。前進です。

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去年サムスンが発表したいろんなギミックもあるにはありますが、デフォルトでは無効化されているのも評価できます。たとえばAir View(端末に触らずに一部操作ができる機能)とかを使っていた人もいるので、そんな4、5人くらいの人は設定の奥底にまだ残っているのを見つけて喜びそうです。

設定といえば、設定メニューはまだ改善の余地が大きいです。サムスン端末の使いにくさの原因だった「多ければ多いほど良い」って考え方がまだ見られます。GS5のメインの設定メニューだけでもオプションが61個もあって、それぞれ丸いアイコンで示されています。丸ひとつひとつの間にスペースがたくさんとってあるので、自分がしたい設定を見つけるのに延々とスクロールが必要です。

プリインストールアプリはGalaxy S4ほど多くなく、その多くをオプトイン型にしています。が、「あれ気に入ってたのに」ってアプリがあれば(たとえばシネマグラフを簡単に作れるAnimated Photoアプリとか)、サムスンのアプリストアからダウンロードできます。

外観的にはすっきりしたんですが、ソフトウェアの深いところの問題は修正されないままになってます。GS5には2.5GHzクアッドコアのSnapdragon 801が積んであるので、現在市場にある中で最速のスマートフォンのはずです。でも使ってみるとそれほどじゃありません。GS5では、ホームスクリーンでのスクロールとかアプリドロワーを開くとかアプリの読み込みといったシンプルな操作だけでもガクガクしたり遅れたりといったことが起こります。サムスンの独自アプリの中だと余計症状が悪化します。たとえばGalleryアプリ(いくつかの特殊な写真モードを使うとき必要)では、あまりに遅くてバギーで挙動不審なので、使う気すらなくす勢いでした。

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S Healthも鳴り物入りだっただけにガッカリな機能でした。スマートフォンをFitbitみたいに歩数計として使うというアイデアは素晴らしいんですが、その実現のクオリティが今一歩です。まず歩数計機能を立ち上げなくてはいけない、これはそんなに悪くないんですが、実際走ってみると、RunkeeperとかEndomondoといったアプリの2年前の状態というか、UIは複雑だし音声コーチも無用です。サムスン自身のGear Fitともうまく連携しません。歩いた歩数のカウントも納得いかないし、1回のランでふたつレポートを出すし(しかもその中身は納得できたりできなかったり、空欄がいくつかあったり)、睡眠についてはレポート自体出てきません。

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それから指紋スキャナ。iPhone 5Sの指紋スキャナは10回に9回はうまくいきますし、しかも触るだけです。GS5では大体3~4回に1回しかうまくいかず、というのは指を正確にある角度でスライドさせなくてはいけないからです。それは良く言えば几帳面、悪く言えば全く使えないものでした。成功の確率を上げるには、両親指をスキャンして、左右どちらの指も使えるようにしておくことです。それでもまだ使いにくいです。

スピーカの音質に関しては、GS5背面のシングルスピーカは、HTC Oneの前面デュアルスピーカと比較すると悲惨な音です。音楽や動画やゲームをイヤフォンなしで視聴する人にとっては大問題です。強いて良い面を言えば、音が大きいので着信に気づかないことがありませんでした。でも通話の音質という意味では、AT&Tのネットワークではしっかりしていましたが、音がもう少し大きく出てもいいと思いました。

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でも良いニュースもたくさんあります。たとえばバッテリライフは素晴らしいです。普通の使い方で、GS5は1.5日ほど持ちました。ヘビーに使っても、夜まで十分持ちました。HTC Oneと比べると1~2時間、Nexus 5と比べるとはるかに長持ちです。

さらにUltra Power Savingモードは非常に強力で、スクリーンをグレースケールモードにしてしまい(AMOLEDスクリーンはこれでかなり省電力になります)、ほとんどのアプリと不要な無線通信を無効にしつつ、電話の受発信、テキストメッセージ、メールの手動チェックは可能にしておきます。緊急モードみたいな感じです。バッテリが18%しか残っていなかったとき、このモードにしたらあと2.2日スタンバイ可能と表示されました。災害のときなんかにはありがたいと思います。

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カメラ

GS5の1600万画素カメラは、明るい光の下では素晴らしいです。彩度がやや高すぎる気味があり、コントラストも大きくなりがちですが、モバイル端末の写真としてはそれは問題ありません。明るい日中の写真なら、HTC Oneに圧勝できます。でも日が沈んでしまうと話は別です。暗いところでは、GS5はノイズが出たりディテールが捉えられなかったりしています。

とはいえ、GS5のカメラはサムスンのスマートフォンで一番良いカメラです。初のフェーズ検出オートフォーカスシステムで、たしかにHTC Oneと同じくらい、つまりものすごく速くフォーカスを合わせられます。

ライヴでのHDR撮影も可能で、つまりHDR写真を撮りながら仕上がりを確認もでき、タッチするだけでオン・オフもできます。

スマートフォンでHDR動画が撮れるのはGS5が初めてではありませんが、今までのもの(HTCとソニー)はさんざんでした。が、GS5は本当にきれいなHDR動画を取れます。

4K UDH動画を30FPSで、1080p動画を60fpsで、720p動画を120fps、または240fps(画質は落ちますが)でも撮ることができます。今まで数年間もサムスンのスマートフォンが動画撮影を試した結果としてはベストだったのですが、GS5もベストと言ってよさそうです。

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カメラアプリにはものすごい数のオプションとカスタマイズ項目がありますが、レイアウトは直感的です。機能の海に飛び込みたくなければそのまま使えば早いし使いやすいし、ところんいじろうとすればそれも可能です。

GS5にはHTC Oneと同じようなエフェクトもあり、背景や前景を選んでフォーカスを外すことができます。全般に、HTCのカメラアプリより一貫性があり、センサも良いので画像はシャープです。ただ、カメラに関してもやや気難しいところがあり、撮るのに時間がかかります。

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Galaxy S4でデビューしたいろんな機能は、GS5では「Shot&More」という撮影モードの中に収まっています。このモードでは連写をして画像を分析し、使えるオプションを表示してきます。たとえば「Best Photo」「Best Face」「Eraser(動くものをシーンから消去する)」「Drama Shot」「Panning Shot」といったものです。Galaxy S4では撮影前にオプションを決めなきゃいけなかったので、今回は改善されました。ただ、思っていたオプションが使えない場合があり、これで撮った写真を加工するにはサムスンの(バギーで遅い)Galleryアプリを使わなきゃいけません。

でも全体的にGS5のカメラはHTC OneよりNexus 5より良く、ただLumia 1020にはさすがにかないませんでした。

テストで撮った写真はこちらで全て見られます。

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好きなところ

バッテリライフは素晴らしいです。ソフトウェアがすっきりして良くなったし、スクリーンも非常に美しいです。背面パネルも持ちやすく、落としにくくなりました。IP67防水仕様は全スマートフォンでマストにしてほしいぐらいです。

カメラでは本当に美しい写真が撮れます(光が十分あれば)。HDR動画もスマートフォンとしては初めてきれいに撮れて、ライヴプレヴューできるのも素晴らしいです。Wi-Fi(MIMO対応)や4Gの電波はどちらも高速です。通知パネルのクイック設定機能はすごく便利です。グラフィックが重いゲームもスムースに動きます。

好きじゃないところ

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ソフトウェアは改善はしましたが、HTCに比べるとまだユーザフレンドリーではなく、モトローラとか素のAndroidに比べると雲泥の差です。これだけの馬力を備えたスマートフォンとしては許容できないレベルのラグがあります。S HealthとGalleryアプリは特に遅いんですが、サムスン製アプリはほとんどがそうです。指紋スキャナはメリットよりもデメリットの方が大きく、パルスオキシメータは意味がありません。

USB 3.0のサポートと防水仕様は素晴らしいのですが、これはつまり充電のたびにこの小さなカヴァーを開け閉めするということです。暗いところでUSB 3.0のケーブルを差し込むのは厄介です。ワイヤレス充電ができればそれほど問題ではありませんが、デフォルトの状態ではサポートしていません(背面カヴァーをワイヤレス充電対応のものに換えればいいのですが、それはまだ発売されてません)。カメラは暗いところだとかなりイマイチです。外部スピーカの音質は非常に悪いです。

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買うべき?

バッテリライフと写真の画質がどれだけ重要かによって答えは違ってきます。それらが「すごく重要」という人なら、答えはイエス、買うべきでしょう。カメラはHTC Oneよりもずっと良いものだし、バッテリライフはNexus 5をはるかに上回ります。その上で、サムスンのソフトウェアを使ってもいいかどうかを含めて判断する必要があります。これまでにTouchWizに慣れている人なら問題ありません。今までのTouchWizの中ではベストです。

冒険したい人なら、Root化して素のAndroidをインストールしてしまう方法もあります。その場合HDR系の機能とか4K動画とかは撮れなくなりますが、カメラアプリだけを残してあとはクリーンインストールすることも可能です。GS5にはGoogle Play Editionが出るという発表はまだありませんが、たいていのAndroidフラッグシップモデルがGoogle Play Editionになっているので、いつかはあってもおかしくありません。

まとめると、GS5は素晴らしいスクリーンとカメラ、ロックスターのようなプロセッサ、夢のようなバッテリライフを備えた高品質スマートフォンです。価格は契約条件付きで200ドル(約2万500円)。とはいえ「今使ってるスマートフォンで満足」という人なら、サムスンの「独自性」がまだまだ残る良い電話よりもっと別のことにお金を使いたい、かもしれません。

サムスン Galaxy S5 スペック

OS:Android 4.4.2(KitKat)+TouchWiz UI

プロセッサ:2.5GHzクアッドコアSnapdragon 801

スクリーン:5.1インチ1920×1080 Super AMOLED(432ppi)

RAM:2GB

ストレージ:16GBまたは32GB、microSDで最大128GB拡張可

カメラ:背面1600万画素・前面200万画素

バッテリ:2,800mAhリチウムイオン

寸法:142mm×72.5mm×8.1mm

重量:145g

価格:200ドル(約2万500円)、2年契約条件付き


Brent Rose - Gizmodo US[原文

(miho)