MP3ですら聞いたことのない美音になる携帯プレーヤー「AK240」

MP3ですら聞いたことのない美音になる携帯プレーヤー「AK240」 1

いや、ほんとビックリした。してる。

超絶ハイスペックだけど、お値段も実売で26万円ほどとハンパない携帯音楽プレーヤーAstell&Kern AK240。さすがにそれはやり過ぎじゃないか?とも感じたのですが、実機を触ってみて考えが変わりました。

これ、f1.2の単焦点レンズや4Kテレビにもれなくついてくる「凄まじいな!」感が濃厚です。お金を出して買える幸せが、ここには確実にあります。

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AK240はだんだんと普及し始めたハイレゾ音源に対応。それも32bit/192kHzまでのPCM5.6MHzまでのDSD(DSD128)ファイルがそのまま鳴らせます。

なおDSD128の128とは、サンプリング周波数5.6MHzはすなわちCDの44.1kHzの128倍になるということを表しています。量子化ビット数が1bitではありますが、CDよりきめ細かなデータを保有できるわけで、そりゃあ音の細部もわかるというもの。キリッキリでカッチカチな音も、ホール内の反射音をふんだんに含んだアルデンテな音もデータ化できるというもの。

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実際に手持ちのハイレゾ音源を再生してみると、グレイテストなサウンドが耳に飛び込んできます。音の張り、響きに聴き惚れます。従来のハイレゾ対応プレーヤーも十分にいい音をしているのですが、AK240はちょっと次元が違います。

何が違うかというと、S/N比。信号/ノイズの比率です。スペック上の数値は116dBで、AKシリーズの下位モデル(AK120は113dB、AK100は110dB)と比べるとあまり差がないように思えますが出音は全然違う。

「サー」って音が聞こえちゃうのは問題外として、知覚できないレベルのノイズも楽器音と混ざると微細な音成分をマスクしてしまいますが、AK240は測定器でしかわからないレベルのノイズも抑えている。だから音の立ち上がりと余韻の表現に圧倒されちゃいます。テレビでいうなら、どこまでも深く引き締まった黒から、鮮烈な赤が浮かび上がってくる…とかかな。カメラだったらシャープネスを使わずとも切れるようなエッジ、そしてボケに繋がるグラデーションが自然で空気感をありのままに…とか。

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でもハイレゾ音源はまだまだ少ない。そこで聞き慣れたMP3&WAVを入れて、今まで使ってきたプレーヤーを聞き比べをしてみたのですが、いやあ。明らかに違います。というか、MP3ですら、今までCD&据え置きオーディオでなければ聞けなかったクオリティの音が楽しめます。

埋もれていた音が全部発掘されちゃってる。例えばPerfumeのエレクトロワールドを聞くと、ボーカルが4重にも5重にもエコーがかかっているのがわかりますし、吸い込むようなSEがうっすらと重ねられていたりと、なんだ信号全部はいってんじゃんMP3。

ほんと、MP3も320kbpsならぜんぜんやれるコじゃんかと気がつきます。逆を言えば、WAVと320kbpsのMP3の音質差を描き分けるDAC&アンプ性能をもっているわけで、この手のひらサイズのプレーヤーがモンスターマシンに思えてきます。

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さらにAK240はバランス駆動にも対応。普段ヘッドフォンなどはLR、左右の信号線のマイナス(グラウンド)を1本にまとめて3極にするアンバランス構造となりますが、グラウンドを分けた4本・4極の接続が可能なんです。2.5mm4極という、あまり流通していないプラグを用いることになりますが、音質がさらに深まります。クロストークが減ってセパレーションが向上。より立体的な音場になります。楽器の位置がわかる! あ! いまボーカル前に出てきたでしょ! それが見えるかのようです。

DJ向けのHD 25 AMPERIORですら音場がグワっと拡大。ステレオ感が大幅アップ。開放型のヘッドフォンをバランス接続したら、どれだけ広大なサウンドステージとなるのか想像もつきません。

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開発コストは二の次、現時点でどこまでグレイテストな携帯プレーヤーを作れるかと張り切ってみたらこうなった。そんなストーリーが脳裏に浮かびます。

現時点で購入できるプレーヤーの中ではまさしくNo.1。孤高の存在。バッテリーは非交換ですが、AK100、AK120の例をみるに交換サービスも行わるのでは。

iPod以前からMP3プレーヤーをリリースしてきたアイリバー。音楽再生機能がコモディティ化した今日この頃ですが、他社を突き放す技術があれば存在感を強く輝かせます。高級コンデジのGRのように、AK240もまた一生使い続けたいと思わせるプロダクツです。

追記:一部修正いたしました。

source: iriver

(武者良太)