ウェアラブルだから可能、未来の消防士ヘルメット

ウェアラブルだから可能、未来の消防士ヘルメット 1

これでハンズフリー&スーパーヴィジョン。

消防士さんが火事現場に閉じ込められた人を助けに行くときって、煙とか炎で先が見えない中を手探りで進まなきゃいけません。でもこの画期的なヘルメットがあれば、消防士さんは煙の先を透視して、炎の先の人の声を聞き取ることもできるようになりそうです。

このヘルメット兼メガネ兼マスク、C-Thruは、従来は個別の機器に分かれていた複数の機能をオールインワンに統合したものです。個別の機器とは、たとえばハンドヘルドのサーマルセンサとか通信機器といったものです。

このヘルメットを使えば、手に持ったサーマルセンサをチェックしつつ他の消防士を見失わないよう目配りするという複雑な動作が必要なくなります。リーダーがC-Thruを装着していれば、ヘルメット内蔵のヘッドアップディスプレイ越しに周りを見るだけで、他のメンバーの配置など必要な情報が入ってくるんです。

このヘルメットが捉える火事現場のヒートマップデータは、現場の外のリーダーが持つハンドヘルド機器に送信されるので、リーダーは内部の状況を的確に把握できます。さらにクラウド側で処理された情報がチームの全メンバーに配信され、それぞれのヘッドアップディスプレイに周囲の環境にオーヴァーレイする形で表示されます。

ウェアラブルだから可能、未来の消防士ヘルメット 2

これは、米空軍のヘッドアップディスプレイで今使われているのと同様の技術です。ハンドヘルド機器がヘルメットに内蔵されることで消防士の手が空くので、倒れている人を安全な場所に移すといったより重要なタスクを迅速にできます。

また動画も記録されるので、将来の参考資料・研修資料として使うこともできます。もしくは、2013年のアシアナ航空の事故調査の中でサンフランシスコ消防局のヘルメットカメラの記録が使われたように、消防局関連の訴訟の証拠資料になることもあるかもしれません。

さらにC-Thruにはノイズキャンセリング機能もあり、炎の音を打ち消し、救助を求める人の声や建物が倒壊するときの音を早い段階で聞きとりやすくなります。消防士間での意思疎通をするにも、トランシーバーに向かって大声で怒鳴る必要がなくなります。

これら全システムがヘルメットに内蔵されているので、今使っているヘルメットをこれに替えるだけで簡単に導入できるのも大きなメリットです。このオールインワン・ヘルメットがあれば、消防士さんの仕事は今までよりぐっとやりやすく、危険も軽減されるはずです。ウェアラブル・テクノロジーが単なるギミックでなく、人命救助に役立つのは素晴らしいですね。

source: Behance via Inventor Spot

Andrew Tarantola - Gizmodo US[原文

(miho)