オーディオ業界再編の兆し? アップルがBeatsを32億ドルで買収するかも

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そう、ハウジングに「b」のマークが入った、あのBeats by Dreを、です。

The Financial Timesの報道によると、アップルがヘッドフォンブランドBeats by Dre&音楽ストリーミングサービスBeats Musicを擁するBeats Electronicsを買収する見込みだそうです。

買収額は驚きの32億ドル。日本円にして3,248億円。いままでに50を超える企業を買収してきたアップル(去年だけでも13社、今年に入ってからもすでに3社を手中に収めています)ですが、この買収額はそのなかでもトップクラスでしょう。

報道が正しければ、「いちヘッドフォンブランドをなんでそんなお値段で?」という疑問が浮かびます。配信サービスもあるとはいえ、Beats Musicは今年にはじまったばかりです。なぜだろう。

真意はわかりませんが、なんとなくの想像話を。実はBeatsってエポックメイキングなプロダクツだったんです。Beatsの前と後とで、ヘッドフォン進化論は大きく変わったと思うくらいに。

オーディオ業界にあった「原音再生」という価値観を壊したのがBeats。コンサートホールで録音したアコースティックトラックを再生するなら、自然な響きをもたらしてくれるHi-Fiで原音再生系なヘッドフォンの方がブリリアントですが、打ち込みトラックを流すと低域がボワつくこともしばしば。

コレクションしたいと思わせる、ファッショナブルなエクステリアを次々と打ち出していったのもBeatsでした。今までに他社からもスタイリッシュなヘッドフォンは多くリリースされてきましたが、その多くが低価格帯のものでクオリティは二の次。正直、見た目もチーブなものが多かったような印象すらあります。

でもBeatsは違いました。アッパーなデザインのハウジングに、いい意味で音楽をディフォルメして、前のめり感の強いサウンドにチューニングしてくれるドライバーをインストールしてきたんです。タイトだけど量感たっぷりなドラムと伸びやかなボーカルのマッチングが最高。近年のポップスを聴くのにベストだったんです。最初から。

見て楽しい。つけて楽しい。聴いて楽しい。大人が本気で音を楽しめるプロダクツであり、若い人が憧れをもつアイコンであり。そんなBeatsという、オーディオ業界の構造を塗り替えるだけのパワーを持つブランドを丸ごと買う価格として考えたら…充分ありえそうな話です。

もちろん、僕らの見えないところにBeats Electronicsの素晴らしいテクノロジーがあり、それを青田買いした可能性もあります。そう、ハイレゾ音源のマッチングサービスとか。

ソフトウェアとハードウェアとサービスのすべてを扱うメリットは、MacやiPhoneでご存じのとおり。アップル、もしかしてオーディオ・音楽業界も一手に担う存在になろうとしているのかもしれませんね。

source: THE VERGE

(武者良太)