伊東豊雄氏の代替案「国立競技場は、新しく建て替えないで維持改修しよう」

伊東豊雄氏の代替案「国立競技場は、新しく建て替えないで維持改修しよう」 1

昨日12日、建築家の伊東豊雄氏が「新国立競技場計画の代案」を発表しました。

発表されたものはギズでもお伝えした通り、新しいものを造るのではなく、現競技場を維持改修する代替案です。スタンドの一部を解体し、その部分に2層または3層のスタンドを増設。これによって現在5万人弱のキャパシティを五輪で必要とされる8万人規模にまで増やすことが見込めるそうです。また、合わせて建物全体に耐震補強工事も施す模様(詳細PDF)。

もともと、東京五輪誘致と老朽化を理由に「新しく国立競技場を造ろう」とコンペが開催されたのは2012年。伊東氏も参加しましたが、グランプリを受賞したのは「アンビルドの女王」という異名を持つザハ・ハディド氏でした。

伊東豊雄氏の代替案「国立競技場は、新しく建て替えないで維持改修しよう」 2

彼女の案は29万平米(敷地は11万平米)にも及び、高さは70mにも達する巨大なものです。独創的なデザインにこれだけの規模を誇るため、当初設定された1,300億円の予算を大幅に超過し3,000億円になるとも言われていたんです。一方、今回の改修案だと建設費は現行の半分程度に削減できるそう。

すでに決定した案に対して代替案を発表したことになるわけですが、伊東氏は

限られた土地で万人規模の競技場を造るのは誰がやっても難しいこと。参加した人間でなければ分からないことがあると思った

と述べています。

伊東豊雄氏の代替案「国立競技場は、新しく建て替えないで維持改修しよう」 3

2006年のW杯で使用されたベルリン・オリンピアシュタディオン(上画像)は1936年の五輪時に造られたもの。その後大規模な改修工事を行うことで現在も競技場として使われるに至ります。他にもレアル・マドリードのホームスタジアム「サンティアゴ・ベルナベウ」など、世界には競技場を改修する例は複数あるんです。

国立競技場の取り壊しは7月、現行案での着工は来年に迫っています。

五輪の会場は、国のモニュメントになる大事な建物。すでに決まったこととはいえ、オルタナティヴな提案が出るのはいい機会になりそうですね。もともとコンペの審査員長である安藤忠雄氏は「プロセスには市民誰もが参加できるように」と述べていたそうなので。

一市民としてあなたはどう思いますか?

image by 360b / Shutterstock.com

source: 神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会, 東京新聞

(嘉島唯)