ホログラム、隠しトラック、デュアル・グルーヴ…。超アナログ盤「Ultra LP」って何?

ホログラム、隠しトラック、デュアル・グルーヴ…。超アナログ盤「Ultra LP」って何? 1

先月、レコーディングから7インチ・ヴァイナルへのプレスまでを4時間足らずで仕上げたことでギネス世界記録を塗り替えたロックギタリストのジャック・ホワイト(Jack White)氏。しかし彼は、更なるサプライズを準備していました!

古き良きメディアになりつつあるアナログ・レコードにイノベーションを起こそうという世界初の「Ultra LP」。ジャック・ホワイト氏とサードマン・レコード(Third Man Records)は、新作「Lazaretto」のレコードをこのUltra LPで6月10日に発売することを発表しました。

Ultra LPには、まさに「ウルトラ」と呼ぶべき遊び心と特徴が満載。一つひとつ紐解いていきましょう。

隠しトラック2曲つきで、3つの回転速度に対応

このアルバムは通常11曲入りですが、アナログ限定特典としてセンター・ラベルの中に隠しトラックが2曲含まれています。そして基本の11曲が33 1/3回転なのに対して、隠しトラックのうち1曲は45回転、そしてもう1曲は78回転。つまり、3つの回転速度を使い分ける珍しいアナログ盤となっています。

針を落とす場所でイントロが変化する「デュアル・グルーヴ」

収録曲「Just One Drink」では、イントロが針を落とす場所によってアコースティック・バージョンになったり電子音楽バージョンになったりするんです。各バージョンが刻み込まれた2つの溝は、いつしか合流して同じ音楽へ。データでもCDでもカセットテープでもない、アナログ・レコードならではの遊び心がいいですよね。

コンプレッサー不使用、180gの重量盤レコードを採用

今回はレコーディングからミックス、マスタリングに至るまで、音を圧縮する工程は一切ふんでいません。さらに通常のレコード(130g)より重い180gの重量盤を採用。重量盤ではレコードの回転や針との接触が安定するので、マスターに近い音質が得られるという特長があります。

内側から再生、最後は音源が永遠にループ

A面は通常のレコードと違って内側から針を落とし、最後はレコードの外周で音源がループ再生されるロックド・グルーヴ仕様になっています。これは、昔ビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で行った試みと同じですね。ちなみに、外側から再生していくB面も、もちろん最後はロックド・グルーヴです。

デッドワックスから浮かび上がるホログラム

レコードの溝とラベルの間にある無音領域「デッドワックス」。ある角度から見ると… なんと小さな天使の姿が浮かび上がって見えるんです。これはレコードとしては世界初となる手彫りホログラムとなるそうです。

こうしたホワイト氏の試みは、アナログ・レコードの楽しさや面白さをあらためて見直す良いきっかけになりそうですね。

ところで、アメリカではアナログ・レコードの人気がここ数年で急上昇しています。2007年には100万枚程度だった売上枚数が毎年どんどん伸びていき、2013年には600万枚に到達したという事実をご存知でしょうか?

Ultra LPがアナログ・レコードにとって真のイノベーションになるかどうか、あるいはレコードの売上枚数に貢献するかどうかは、やや議論の余地があるかもしれません。でも、他のフォーマットやメディアにはできない独自の楽しみ方ができるメディアとして、「アナログ・レコードはまだ完成形ではない」と未来の可能性を感じずにはいられないのです。

source: Third Man Records via StereogumVergeDJ TechTools

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文

(Rumi)