バークレー国立研究所が超高速2D FETの開発に成功

バークレー国立研究所が超高速2D FETの開発に成功 1

モバイル機器の進化がますます加速する予感。

みなさん、グラフェンってご存知でしょうか? 電子機器製造業界で「スーパー素材」と言われているものです。シリコンでできることは全てグラフェンでできるうえ、パフォーマンスも優れているためこう呼ばれています。けれど米国エネルギー省のバークレー研究所にとっては、スーパー素材でも満足できなかったよう。同研究所は先週、グラフェンに別の最新素材2種を組み合わせることで世界初の2D電界効果トランジスタ(FET)の開発に成功したと発表しました。この技術が実用化されれば、ガジェットのパフォーマンスは劇的に向上しそうです。

電界効果トランジスタ(FET)とは、ユニポーラトランジスタの一種で、現代のパーソナルデヴァイスで広く使用されています。従来のトランジスタでは、シリコンのウエハー下にある小さな金属の電線管でキャリア(電子や正孔)を制御している一方、FETは電界を使ってキャリアを制御する仕組みです。FETには、ソース(電子の入口)、ドレイン(電子の出口)、ゲート(トランジスタのオン/オフスイッチの役目を果たすところ)の3つの電極があります。現行のFETの問題点は、これら3つの電極の結晶構造における細微な欠陥が電子の動きに干渉してしまうことで、これは電圧が上がれば上がるほど顕著になります。

バークレー研究所の新しいデヴァイスは、わずか6原子層の厚さしかありません(だから2Dと命名されたんですね、納得)。グラフェンをゲート、ソース、ドレインとして使用するとともに、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を絶縁体として、モリブデン(二硫化モリブデン)をチャネルとして使用します。それぞれの層はまず機械で剥離され、柔軟性のあるシリコンウエハーの上に慎重に乗せられます。そして6つの層はファン・デル・ワールス力により結合されます。各層を個別に生成して土台に乗せることで分子レベルでの構造欠陥を最小化することができるのです。

バークレー国立研究所が超高速2D FETの開発に成功 2

このプロジェクトを率いている研究者のAli Javey氏は、プレス発表でこう語っています。

2D FETは、ファン・デル・ワールス・インターフェースで層状された素材から成る各コンポーネントを使用することで実現されました。これは非常にユニークなデヴァイス構造で、各コンポーネントの厚さは明確に定義することができ、その表面は原子レベルにおいても凹凸がありません。この研究成果により、今後の電子機器においては全素材が層化されたシステムが使用されていくことになると思います。

高速でゲートをサイクルさせる(スイッチをオン/オフする)能力と、電子の動きに影響を与えない(高電圧でも電子がソースからドレインまでスムーズに移動できる)性質により、2D FETが超高速トランジスタとして、かなり大きな可能性を持っていることは間違いありません。今後ありえないほど高速な次世代CMOSチップが開発されそうですね。そうなればモバイル機器の処理能力は桁違いに向上するはず。実用化が楽しみな技術です。

source: Berkeley Lab via Extreme Tech - Wiki

Andrew Tarantola - Gizmodo US [原文]

(mana yamaguchi)