世界初! コンピュータプログラムがチューリングテストに合格

2014.06.09 15:00
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技術的特異点は近い?

コンピュータプログラムが「ウクライナ在住の13歳の少年」になりすまして見事に人間を騙し、世界で初めてチューリングテストに合格しました。合格したのはロシア人のVladimir Veselovさんとウクライナ人のEugene Demchenkoさんが率いるエンジニアチームにより開発された、Eugene Goostmanくんという設定のプログラム。先週の土曜日、レディング大学主催によりロンドンで行われた「Turing Test 2014」にて、合格点である33%の審査員に人間だと思わせることに成功したんです。

チューリングテストはコンピュータの基礎を築いたことで知られるアラン・チューリングさんの名前から取られました。テストはスクリーン越しに文字だけのチャットで行われ、5分以内に30%以上の人間に「これはコンピュータプログラムではない」と思わせることができれば合格なのですが、今までに合格したプログラムはありませんでした。

人間になりすますプログラムと言っても、映画「2001年宇宙の旅」に登場するHAL 9000や映画「ターミネーター」のスカイネットのような恐ろしい陰謀を持ったプログラムではなく、あくまで開発者がこのテストに勝てるように特化させた「人工無脳」と呼ばれる会話プログラムなので、意志を持った人工知能が世界を滅ぼすのはまだまだ難しそうです。

それでも1950年代にチューリングさんにより提唱された、ある機械が知的かどうかを判定するためのテストに合格したということは、コンピュータ史上もっとも象徴的な出来事のひとつかもしれません。レディング大学の客員教授でもあり、コヴェントリー大学で研究部副総長代理を務めるKevin Warwickさんは、

人間を騙して私たちが信頼する誰かや、何かになりすますことができるコンピュータを持つということは、インターネット犯罪への警鐘でもある。

とイギリスのニュースメディアThe Independentに話しています。こういったプログラムがオンラインセキュリティを脅かす可能性は少なからずあり、近い将来インターネット上で話している大切な人が本物かどうかを疑わないといけないようになるのかも。

人工知能といえばIBMの「ワトソン」や、先日発表されたソフトバンクの感情を持つ人型ロボット「Pepper」が記憶に新しいですよね。

わくわくすると同時にちょっと不安でもあります。


Pranav Dixit - Gizmodo US[原文
(徳永智大)

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