泳げるほどキレイな川を取り戻すための世界各地の取り組み

泳げるほどキレイな川を取り戻すための世界各地の取り組み 1

都会でだってじゃぶじゃぶと川遊びしたい!

蒸し暑く、汗ばむ夏がいよいよ近づいてきました。都会の中心を流れる河川で涼めたらなぁーなんて思ったことはないでしょうか。でも実際問題、濁っている川の汚さに触れる事すらためらわれます…。汚染されていなかったら川遊びもできただろうに。

そういえば昔は普通に川遊びしていましたよね。それができたのも川を流れる水が澄んでいたから。何十年も環境に配慮しなかった結果、何ガロンもの産業ヘドロや下水汚物が流れこみ、川は汚れました。そして今、レクリエーションのために元気な川を取り戻そうと各自治体が手を取り合い活動しています。かつては汚染された危険な場所として認識されていたものの、現在は人が泳げるほどクリーンな水質になった、あるいはあともう少しでなりそうな河川の取り組みを見てみましょう。

ボストン、チャールズ川

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昨年、チャールズ川では約50年ぶりに一般遊泳が開催されました。ブイに囲まれライフガードが配置されたセクションが、2時間ほど開放されたのです。ここの水質は、かつては環境保護庁からD判定を受けたものの、環境保護主義者たちがチャールズ川への汚物の流出を食い止め、その結果B判定へと改善したのです。それも、Charles River Conservancy といった団体や、当川で1マイル(約1,609m)を泳ぐイヴェントを主催したCharles River Swimming Clubのおかげです。チャールズ川は長い道のりを辿ってきましたが、活動に携わる人たちにはまだやることが残っています。「川で泳ぐ人がぬかるんだ川底に触れずに出入りできるのであれば破傷風の予防注射は必要ありませんが、川底にはまだ有毒物質が残っているんです」とのこと。

ロサンゼルス、ロサンゼルス川

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先日、アメリカ陸軍工兵隊は、ロサンゼルス川の11マイル(約17.7km)の水域を再生させる10億ドル(約1002億円)の計画をすすめました。セメントで囲んだ水路を自然な川の姿へと変えるという計画です。カヤックと釣りのため、この夏にオープンした2つのセクションを含むロサンゼルス川の一部分は既にレジャーをするためには充分川らしくなっていて、泳げそうな感じもします(米ギズWalker記者も飛び込みたいと思ったほど)。数年前には排水管としてしか認識されていなかったロサンゼルス川にとって、この計画は大きな転機の1つになりそう。数年後にはロサンゼルス川で(安全にそして合法的に)泳げるようになるかもしれませんね。

デンヴァー、サウスプラット川

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デンヴァー中心部にあるコンフルエンス・パークには、チェリー川と交わるサウスプラット川が流れています。暖かい日に、多くの家族連れがそこでバチャバチャと水遊びをしているのはよくみる光景です。ここはかつて変電所でしたが公園として再開発され、デンヴァーの住民たちが川で泳いだり遊んだりするのに加え、岩の多い急流をカヤックやタイヤチューブで下れるようになったのです(アウトドア用品店REIのすぐ近くという絶好のロケーションですしね)。近年は、不快になるレベルのバクテリア含有率が問題になっているものの、水質はおおむね安全とみなされているそうです。

ベルリン、シュプレー川

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シュプレー川はベルリンの街を横切っている川ですが、スタジオrealities:unitedが提案した計画が実現すれば、世界最大級の天然のプールになるんだとか。Flussbadと呼ばれる計画は、ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)を囲む水路を、周辺の草地から入れる天然のプールに変えようというものです。上流の沼地が自然のろ過装置となって水を浄化し、さらに都市開発で奪われてしまった湿地を取り戻します。泳げる範囲は全長700m以上と、地球でも最大級の野外プールになりそうです。

ヴァージニア州、エリザベス川

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Elizabeth River Project は、2020年までにチェサピーク湾にあるすべての入り江の水の状態を泳ぎが可能なレベルに改善しようという意欲的な計画です。川の底から3,600万ポンド(約1,633kg)の汚染物を取り除いてからは、魚が癌にかかる割合が落ち、バクテリアの含有率も減りました。川への有毒物質流出を防止するキャンペーンで住民たちを刺激し、さらに同団体は(川床の水質汚濁改善を期待できる)カキの養殖などの、海洋生物で生態系を活性化を促進するインフラも導入しました。エリザベス川の支流でありノーフォークの町を流れるラファイエット川は、今夏の終わりにも州が規定した泳げる水質の基準を満たす予定です。

ロンドン、テムズ川

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テムズ川に流れ込む下水汚物の量を大幅に減らすスーパー下水設備を2023年までに完成させるという計画に合わせて、地元の建築家たちから多くのプランが寄せられました。Studio Octopiが考えたアイデアは、人が泳げるような小さなプールを作るというもの。再生される川が注目されるだけでなく、野鳥や魚にとっての野生の避難場所にもなります。テムズ川での遊泳は、ロンドン市は一般的に奨励はしていないものの、開放水域での水泳イヴェントは年中あるそうですよ。

ニューヨーク、イースト川

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マンハッタン島を囲むハドソン川とイースト川は、トライアスロンやオープンウォータースイミングイヴェントでスイマーたちが定期的に泳いでいます。ただ、両岸とも一般遊泳には流れが強すぎますしバクテリアがまだ多すぎます。ですが、ニューヨーク市のために計画された浮かぶプール+ POOLなら、川への安全なアクセスが確保でき、ろ過膜でフィルタリングした澄んだ水のなかで泳げるようになります。川には既にfloating lab(フローティング・ラボ)が設置されており、ろ過システムをテスト中で、うまく行けば2015年にはブルックリン岸でニューヨーカーたちが泳げるようになります。

貴重な地域資源を見直し、再生させる。こういった取り組みはどんどん広まってほしいですね。

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(たもり)